パーティ登録次の日です1
後半はメイ視点ではありません。
あと、今回すいませんが職業レベルはなしです。え、待ってない?
大変申し訳ありませんが職業レベルはなしです。
その日の夜、俺たちは明日以降の動きについて話し合っていた。
「だから、俺はとりあえずどこかのボスで連携をみるべきだと思う。具体的には数が多い『貴の山』とか」
「じゃが、お主もマナもヒツギも、もうボスなんぞ単独でも問題ないじゃろう? なら第二段階を進みながらでよいと思うのじゃ」
「第二段階でも1層、2層ならいいと思うんだけどなー」
「いきなりは危なくない? 『明の森』にいこうよ。ボスもモンスターも罠もあるし」
「ご主人様、依頼を受けてみるというのはいかがですか? 必要とあらばギルドで調べてきます!」
話し合いが始まって20分が経った。しかし、その内容はまるで進展していなかった。
第一段階で連携を確認すべきという俺とマナ、第二段階でも問題ないというヒツギとユウカ、どちらともとれないキャラビーと多数決をとるにもどちらが勝つのかキャラビー次第になりそうだし、そうなってしまうとキャラビーは俺の意見に賛成する可能性が高い。それをわかっているからか誰も多数決の話はださず、それが余計に話を先に進まない要因になっているようだ。俺もユウカもどこかムキになってしまっている。
そして、最終的にはじゃんけんで勝ったやつの意見を採用するということになった。誰が勝ったとしても恨みっこなしでそいつの意見を採用する。そのルールでやったじゃんけん。その勝者は……。
「やりました!」
キャラビーだった。最初に一発で俺とユウカが負け、その後3人で7回くらいあいこが続き、ようやくキャラビーが勝ちぬけたのだ。というわけで明日は朝から冒険者ギルドに行き、キャラビーが依頼を選んできて、キャラビーの頭を撫でた後で対象のダンジョンに向かうということになった。なんか少しおかしい気もしなくもないが疲れているのだろう……。
次の日の朝、ユウカとの鍛錬を軽めにし、みんなで朝食をとった後、冒険者ギルドに向かった。今日はアンナのほかにカルアも留守番として残してきた。アンナから貸してほしいと言われていたためだが、カルアが何か役に立つことがあるのだろうか?
冒険者ギルドに入った俺たちの前にデジャブのような光景が広がった。先頭を歩く俺の目の前に視界のすべてを覆う巨人族の男。昨日と違うのはその手にメリケンサックがないということくらいだ。
「入口に立たれると邪魔なんだが」
「……」
顔を見上げながら話す俺を見つめたまま無言を貫くその男に周囲がざわつく。それを意識してか、男は突然地面に両膝をついた。そして、そのまま両手もつき、頭を下げた。
「昨日は本当にすまなかった」
男がしたのは土下座だった。地面にこすれるんじゃないかと思うほどに頭を下げ、そのまま話し始めた。
「昨日、あれだけの人数で挑んではっきりと理解させられた。俺たちにはあんたにどうこういう資格はないんだって。あの中にはただの嫉妬でああした真似をしたやつもいるだろう。だが、今思えば間違いだったと痛感している。本当にすまなかった」
男の言葉に嘘は感じられない。真剣に言っているのが言葉からも伝わってきた。
「詫びというわけじゃあないが、俺の伝手が効くところには絶対に手を出すなと既に通達を出した。手を出すようなら俺が潰すとも。でも、それで満足してくれとは言わない。これは俺自身のケジメだ」
「……頭を上げろ」
顔を上げ、真剣な表情で俺を見る男に向かって、俺は手刀を振るった。男の前髪がはらりと落ちる。
「これでしまいだ。いつまでもそこで土下座されてると迷惑だからな。これからは喧嘩を売るなら相手を見て売ることだ」
「……感謝する」
男は立ち上がり、俺たちの横を通って外に出ていった。
「あの戦いの後、一人妙な男がいた。気をつけた方がいい」
通り過ぎる際にぼそっとそう告げてきたが、俺はそいつの意をくんで振り返ることはしなかった。
「ご主人様、見つけてきました!」
そんな騒動の最中、ユウカの指示でこっそりと依頼を取りにいっていたらしいキャラビーが戻って来た。さて壁際によってキャラビーに依頼を見てきてもらおうと思っていたところだったから驚いた。
「どれどれ?」
「なんじゃキャラビー、2つとって来たのかの?」
ユウカが驚いたように、キャラビーは両手に依頼書を持っていた。約束通りに俺はキャラビーの頭を撫でながらマナとユウカがそれぞれ受け取った依頼書を見る。
1つは『生の草原』に出現するウルフ系モンスター3種の毛皮集め。3種とも40層から50層の間で出現するし、それほど珍しい個体でもない。最初に攻略したときに何度か戦って、各一回ずつだが、たしか素早さ上昇(小)だった記憶がある。3枚ずつ必要で、探索次第では時間がかかるかもしれない。
そしてもう一つは『死の草原』に出るオペラウルフの毛皮。こちらは以前ユウカと参加した会合で名前が出てたな。4層に群れがいて進めないとか。音を使ったパワーアップをすると以前見た情報に書いてあった。書いてはなかったけど攻撃にも転用してくる可能性もあるし、考えておこう。『死の草原』自体が挑める人も限られるためか、3枚集めるごとに金貨1枚というかなり大盤振る舞いな感じがする。
「片方は第一段階、もう片方は第二段階か。どうして2枚とってきたんだ?」
「もう決められないならどっちもやってしまえばいいのではないかと考えました!」
「極端じゃのう」
「……お仕置きですか?」
「なんでそんなに嬉しそうなんだよ……。お仕置きはしないよ」
「しないんですか……」
「してほしいのかよ」
「はい!」
「そこは「いいえ」であってほしかったなぁ。まあ『生の草原』と『死の草原』ならその日のうちに移動できるだろうし、『死の草原』は挑んでいる人も少ないだろ」
「そんなに急がなくても期限は3日あるしね」
「受付も混んでおるしさっさと受けてしまおうかの」
俺たちは列に並んで依頼を受諾し、その足で『生の草原』に向かった。
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「で、貴様はのこのこと帰ってきたということか?」
「ち、違うんです! これにはわけが」
「ほう。どのようなわけがあるのだ? 詳しく説明してみせろ」
「そ、それは……」
「はぁ。おい」
「ま、待ってください! もう一度、もう一度チャンスを!」
「うるさい。そう喚くな。チャンスならくれてやる」
「ほんとですか!」
「ああ。ちょうどやつから至急1体追加が欲しいと催促がきていてな。明日の襲撃に使ってくれるそうだ。存分にチャンスを活かすといい」
「お願いします! それだけは、それだけはご勘弁を!」
「だめ」
「あああああああああああああああああああぁぁぁぁ」
男の足元に穴が開き、甲高い悲鳴を残して男が落ちていった。そしてすぐに穴が塞がり、まるで穴なんかなかったように元通りになった。
「女のくせに俺の誘いを断りやがって。許さねえ」
男は壁際に控える男に指示をだし、自身の部屋に戻った。
どうもコクトーです。
かなり遅くなりました。卒論におわれておりますが、なんとか年内に1話更新できました!
前回から3週間くらい経ってしまいましたが…
前書きにも書きましたが、今回は職業レベルはありません。
それというのも、書籍の情報がいよいよ一部解禁になったのでお知らせです!!
まず、発売日が2月1日に決定になりました!
HJネット小説大賞の受賞作の中ではかなり早い方らしいですよー
その頃にはきっと資格試験の勉強だろうなぁ…
そしてもう1つ。メイとマナのキャラクターデザインが公開になりました!
イラストはすべて北熊様に担当していただきました。
その出来のすばらしさに個人的に大いに満足しています!
メイ
マナ
メイはかっこよく、マナはかわいく書いてくださいました!
ちなみに北熊様の作品は調べればたくさん出てきますよー。なんでこんなすごい人が引き受けてくれたんだろう…
最後になりますが、今年も本作品を読んでいただきありがとうございました!
今年は書籍化が決まったり300話を超えたりといろいろとありました…。
これも皆様のおかげです。本当にありがとうございました!
個人的な都合(卒論)等で更新が遅くなってしまいましたが、それでも読んでくださった方がいてほんとにうれしいです。
来年の更新は1月後半になると思います。発売直前ですので、さらにいろいろと解禁になると思いますのでお楽しみに!
もし更新できなければ活動報告でやりますので!
来年は予定通りいけばかなり物語が大きく動く予定です。ただし予定は未定、あくまで予定です。
来年もよろしくお願いします。
ではまた次回




