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第6話 新しい修行

 「・・・。」


 ジンは、森の中で瞑想をしていた。周囲には誰もおらず、鳥の囀りしか聞こえてこなかった。


 (・・・いい感じだ。身体にマナがどんどん集まっていく。)


 現在、ジンは【マナの呼吸】を使い、体内にマナを取り込んでいた。ウォーキングと時とは違い、今回は完全に【マナの呼吸】に集中していたため、より多くのマナを取り込むことができた。

 だが、今回ジンは、このマナを魔力にするつもりはなかった。このマナは、別の修行に使用するつもりなのだ。


 (・・・それじゃあ始めるか。・・・!)


 すると、ジンは、集めたマナをそのまま身体中に放出する。ジンは、身体に強烈な風が通り抜けていく感覚を覚える。


 (・・・マナを出し過ぎた!・・・これはキツイ・・・!・・・少しずつ・・・少しずつだ・・・!)


 ジンは、マナの量を抑えつつ、放出を続ける。すると、今まで強風のように感じた感覚が、微風に変わる。


 (・・・よし、この状態を維持だ・・・!)


 今、ジンが行っているのは、【超人法】の修行の一つ、【マナの肉体同化修練】である。通常、マナは取り込んでも、そのまま魔力になることはない。魔力に変換する必要がある。だが、全てのマナを魔力に変換することはできない。必ずロスが生じる。実際に魔力となるのは、吸収した量の二割か三割ほどである。エルフであっても、半分が限界なのだ。

 そんな中、とある魔術師がマナを単なる魔力増幅の手段以外に使えないだろうかと考えた。そして、様々な研究の末、マナの別の利用方法を見つけたのだ。それは、肉体をマナで強化することだった。

 強化魔法による一時的な肉体強化とは違い、この方法は、永続的に肉体を強化することができるものだった。肉体的に虚弱なところがあった魔術師にとって、これはその弱点を補う方法になると期待された。ただ、身体にマナを馴染ませる必要があり、それにはかなり時間を要するという難点があったため、結局主流にはならなかったが。


 (・・・魔法にしか興味がない魔術師なら、こんな方法選ばないだろう。だが、俺は別に魔術師になる気はない。だから、この方法を使わせてもらう。)


 半日くらいが経過した。ジンは、瞑想をやめて立ち上がると、自身の身体を確認する。


 (・・・このくらいか。確かに強化されてはいるみたいだが・・・誤差の範囲内だな。仕方ない。肉体をマナに馴染ませるのは、時間がかかるからな。まあ、焦ることはない。時間さえかければ、確実に強くなれるんだからな。それに、この森に来れば、マナはいくらでも吸収できる。気長にやっていこう。)


 自身の身体の確認を終えたジンは、その場でいつもの訓練を行うのだった。

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