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意外と知らない北欧神話   作者: アイスの棒
恐ろしい三人の子供達
25/89

23話 紹介

『都市国家群、ミッドアイ連邦は都市ごとに様々な特色があり、訪れる人を退屈させないだろう

特に有名なのが、夢の街と呼ばれるノーチスだ

通りは大道芸人たちが、芸を競い合い、劇場は毎日、喜劇や悲劇を奏でている

あらゆる娯楽とパフォーマーたちが集まるこの街は、現実に帰るのを忘れさせてくれるに違いない』


-ポストウィンの世界旅行記 夢の街ノーチス-


アキはトールたちを連れて、宿屋に戻って来ていた。一階の酒場にはギュルヴィとスノリも帰って来たようで、座って夕食を食べている。アキが椅子に腰をかけると、詩人がギョッとした様子で、同行者の姿を見た。


「アキさん、この方達は…?」

「トール様だ。たまたま街で会った。これから一緒に巨人の国(ヨトゥンヘイム)に向かう。もう一人の女性はリサだ」


トールもリサも遠慮なく椅子に座り、ぶどう酒を頼んでいた。詩人は驚きに顔を引きつらせている。


「まさか、『月明り』のリサさんまで一緒とは、よく見つけましたね」

「あら、そういう君は学院の『魔術詩人』ギュルヴィ君じゃない。名前付き(ネームド)が仲間なんて、アキ君もやるねぇ。それにこの女の子!可愛い!」


リサはそう言って、隣にいたスノリを抱きしめた。少女は突然の抱擁に目を白黒させている。


「えっと、巨人の国(ヨトゥンヘイム)に向かわれるとか、何か目的があるのですか?」

「ん?最近巨人どもが調子に乗っているようでな。少しばかり痛い目を見せてやろうと思っとる」


トールが何気なくした返事に、詩人は青ざめていた。無理もない、大した理由もなく人間の領域の外、最も危険な地帯である国へ向かおうというのだ。


「私はちょっと今日はもう休ませてもらいます…すいません、明日の朝には出発できるようにしておきますので…」


詩人はフラフラと2階に上がっていった。その姿を見て、笑いながらリサが言う。


「意外とヘナチョコなんだね。

それより!この娘はなんて名前なの?抱きしめたくなるほど可愛いね!アキ君の妹?」

「違う、スノリだ。魔術師だよ」


なぜこいつらはまずアキの妹だと思うのか謎だ。トールの方はひたすらグラスを空にする作業を続けている。

新たに仲間に加わった二人は酒の飲み方が常軌を逸していた。次々に杯をを飲み干している。スノリが机に突っ伏すように眠り、樽が空になったことを店主が伝えに来た時に、ようやく酒盛りは終わった。真夜中をとうに越えている。


「オーディンが自慢しとった『祝福の子』か、世界が大きく崩れる日も近いかもしれんな」


最後のグラスを飲みながらトールが呟くように言ったのを、アキはくたびれ果てており聞いていなかった。

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