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円卓のヴェリタブル  作者: 宗園やや
第六章
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12

『試しの二週間』が終わった日曜日も無事に日が暮れ、夕飯の時間となった。

献立はレモン漬けのキュウリサラダと川魚のすり身ダンゴスープ。

シャーフーチは『昼食はいらない』と言っていたが、夕飯はどうなのだろうか。


「呼んでみて、返事が無かったら居ないと判断するしかないね」


「サコの言う通りですわね。では、わたくしが呼んでみましょう」


今回の食事の用意はイヤナとサコがメインな為、手が空いているペルルドールが籐製の椅子から立ち上がった。

円卓に座っているセレバーナも食事の用意を手伝っていないが、心臓の病気に関する本を読んでいるので邪魔は出来ない。


「シャーフーチ!いらっしゃいますか?そろそろ夕御飯ですよー!」


階段下で叫んだ後、耳を澄ましてみる。

するとドアが開く音がした。


「はいはい、今すぐ行きます。ちょっと待っててください」


「あ、いらっしゃいましたね。夕御飯にはもう少し時間が掛かる様ですので、急がなくても結構ですわ」


リビングに戻ったペルルドールは、そのまま台所の方に顔を出す。


「シャーフーチからの返事がございましたわ。下りていらっしゃるそうです」


「分かったー」


鍋を掻き回しているイヤナが頷き、サコが五枚の皿を用意する。

間も無く夕飯の用意が完了し、少女達はそれぞれの席に座った。

しかし数分待ってもシャーフーチが現れない。


「折角のスープが冷めてしまうな。今度は私が呼んで来よう」


セレバーナが立ち上がろうとしたその時、石造りの階段を下りて来る足音が聞こえて来た。


「お待たせしたみたいですね」


布袋を持ったシャーフーチがリビングに入って来た。

その荷物に強烈な興味を示す少女達の視線を受け、薄く笑む灰色ローブの男。


「これは何だろうかと気になっている様ですが、食事を先に済ませましょう。片付けが済んだら集合してください」


「はい」


セレバーナとペルルドールが女神からの恵みへの感謝の祈りを捧げた後、妙にソワソワとした夕飯が始まった。

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