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政治初心者・龍興くん




戦の後始末が終わりかけた時、また新たな問題が出てきた。


「戦の被害にあった村の者たちから訴えが来ております」


「村か。規模はどのくらいだ」


「二十人程度の村が二つ、戦の際織田軍に居座られたようで」


その時に色々奪われたとのこと。

これは流石に支援を出すべきか?


そんな時、稲葉伊予守が口を開いた。


「しかし困りましたなぁ」


「このように一つ一つの村に助けを出していては我々の蓄えも無くなってしまいます」


うーむ……


その言葉に部屋の皆が一斉に黙ってしまった。

あそこの村も助けてもらったんだからうちの村も……となりかねない。

戦続きだったうちにそんなお金はない。


「村の者たちに耐えてもらう他ないのでは?」


常陸介が挙手しながら言う。

その隣で六郎が大きく頷いているのが見える。


「それはあまり良いとは言えませぬ」


ここで口を挟んだのは隼人佐だった。


「先の戦もそうですが、数年前の戦の被害も完全に治まったとは思えません。このまま戦が続くのであればその前に手を打つべきです」


「万が一、農民どもの不満が高まり内乱にでもなったりしたら……美濃は外内共に敵を作ることになってしまいます」


それは非常にまずい。

しかしお金はない。

一体どうしたものか。


「……一旦、各々で考えますか?」


備中守が恐る恐る言う。


「……そうするか」


このままでは埒があかないと思ったので一旦休憩に入ることになった。

皆頭を抱えながら部屋を出ていく。


「うーむ……」


「いかが致しましょうか?」


もちろん何も思いついていない。

当たり前である。

元々ただの高校生だったのに急に政治できるわけない。

俺元々理系だし。

まぁ言っても前世今世合わせたら三十年以上生きてっから、何かしら思いつくかなって思ったんだけどね。

さっぱりである。


「お前らはどう思う?半兵衛、久作」


後ろについてきた竹中兄弟に聞いてみる。


「織田との戦はまだ終わっておりませぬ。左様な時に財を分け与えていては美濃は持ちませぬ」


半兵衛がそう言うと、同じ意見なのか久作もこちらをじっと見てくる。


「やっぱりそうか……」


伊予守が作ってくれた報告書をパラパラめくる。

こうやって文章を読むだけじゃ分かりにくいな。

いっそのこと行ってみるか?

総理大臣とかが現地訪問するみたいに。


「よし、じゃあその村に直接行ってみよう!」


「駄目です」


「えぇっ!?」


そうやって決意した瞬間、半兵衛に即座に否定される。

そして俺の前に回り込むと眉を顰めた。


「今私が申し上げました通り、戦はまだ終わっておりませぬ」


「……」


「万が一殿の身に何かあったらどうするのです」


「……」


「城から出ないでください」


「……ハイ」


半兵衛は厳しい顔をしたまま、久作に振り返った。


「お前がお側にいろ。いいな」


「はい、兄上」


そう言うと半兵衛は軽く頭を下げ、廊下の奥へ消えていった。


……


「久作」


「はっ」


「馬を用意して」


「……え」




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