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私の秘密  作者: 響子
第1章
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厳しい横顔



「佐伯さんは名古屋にいるんですか!俺も実は名古屋に1年ほどいたんですよ」

「そうなんですか?」

「ええ、名古屋って結構都会っぽい感じありますけど ちょっと街から離れると交通に不便ですよね」

「そうなんですよ!ホントさっぱりわかんないです」


新郎の大学の先輩?らしき人がたまたま隣になり、気を使って話を降ってくれた。2次会の席はくじ引きであかりと悦子は意外と近かったみたいだけど、私はものの見事に離れてしまった。反対隣や前は新郎新婦の学生時代の同級生らしく、どうも話が会いそうにない。あまり賑やか過ぎるのは苦手だ。


「今でも東京や名古屋にはたまに出張で出かけることもあるので よかったらその時食事でもどうですか?」

「ええ、まあ…」


食事くらいならいいか…今は兄の会社にいるから知り合いといわれる人間は限られているので仕事以外でどこかに出かけることはあまりない。外で働いた方がいいのだろうが、あまり人間関係に自信がない。


「ちなみに佐伯さんって彼氏いますか?」

「へ…ええっ?」

「だから 彼氏、いるんですか?」

「あーダメですよ!佐伯さんは俺がずーっと狙ってるんですからぁ~」


例の木村が酔っ払いながらやって来た。見かけはあまり酔ってなさそうだけど顔は真っ赤で確実に酔っている。


「木村、お前酔ってるのか?」

「酔ってても大丈夫です。佐伯さん 俺と今度デートしませんか?」

「はぁ…(嫌って言っていいかな)」

「僕ね、僕本当に佐伯さんみたいな人好みなんですよ。だから…」

「酔っ払いはあっちに行けよ!」


どうやら木村とこの人は知り合いのような感じだった。私はその騒ぎにまぎれるように手洗いへと逃げていった。はぁ…もう何だか疲れたから早めに帰ろうかな?一応ビジネスホテルくらいなら泊まれるくらいのお金は持ってる。悦子達にはメールして樋口はきっとまだここにいるだろうし…百歩譲って近くの喫茶店にいるから終わったら樋口にもメールしてもらうように頼もうかしら?手洗いを出てバックから携帯を取り出そうとしていると急に手を引っ張られた。荷物が落ちないように押さえるのが精一杯で抵抗ができないまま店から連れ出された。






「樋口さん、ちょっと待ってください」

「………」

「帰るなら少なくとも新婦と悦子達に何か言って帰らないと…」

「向井さんは俺がつれて帰ると言っておいた。そして新婦には向井さんのほうから言っておくらしい」

「そう…ですか…」


何か怒ってるのだろうか?まるで昼間のあの時のような厳しい顔…そのまますぐタクシーに押し込まれて私達は樋口の部屋へ帰った。



久しぶりに賑やかなところに行ったせいか疲れた。さっさとお風呂に入って寝させてもらおう。明日は朝から出かけたいところがある。私はほとんど樋口と話をすることもなくさっさと布団に入った。




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