表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
盲目少女は転生者  作者: シルクティー


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

3/3

第三話

「エレオノーラ様、本日はとても天気がいいですよ。お庭にお散歩に出ませんか?」


あれから、エレオノーラの生活は一変した。家の中では、常に侍女の手を借りて歩き、食事も、1人で食べれるように簡単なものに変えてもらい、屋敷から出るときは高確率で殿下の付き添いがついている。

ただでさえ少なかった社交の場はほとんどなくなってしまった。


エレオノーラは、盲目を理由に婚約解消を申し出たが、王家総出で却下されてしまった。


「なぜなの・・・」


ゲームの中でのエレオノーラはこんな状態じゃなかった。

当たり前に目は見えていたし、殿下にも嫌われていた。

今の状況は全てにおいて真逆に位置する気がする。


「エレオノーラ。庭に散歩に出ようか。」


突然聞こえた殿下の声。


「殿下!応接室でお待ちくださいと!」


応接室に案内したのに私の私室まで勝手に来てしまったようだ。

正直、紳士さを求められる殿方にあるまじき行動である。


「殿下、きてくださるのは嬉しいですが、うちの侍従を困らせるのはお辞めくださいね。」


殿下の行動を我が家の執事たちは止められない。言葉で多少止めるくらいしかできないので、あまり勝手な真似をされるとみんなが困るのだ。


「エレオノーラに早く会いたくてね。気をつけるよ。」


その言葉は何度も聞きました。毎回毎回気をつけると答えてはいるけど、行動は一切変わらない。


もう諦めて、殿下に手を引かれながら歩く。

向かう先は中庭だ。


中庭に出る扉を開けると花の香りを感じる。

我が家自慢の中庭だ。

バラやガーベラ。この時期であれば、ネモフィラも綺麗に咲いている頃だろう。


「これはこれはお嬢様。今日もみんな綺麗に咲いてくれていますよ。」


少ししゃがれたこの声は、庭師のジルだ。

腰が曲がり始めて、いい歳ではあるが、我が家の庭の手入れだけは弟子たちに譲ることはせず、自らが行う。

もはや我が家専属の庭師である。


「エレオノーラ、こっち向いて。」


ジルの方に向いていた顔を殿下の方に向けると、耳のあたりに何かを挿された。


「うん。やっぱりエレオノーラの銀髪に赤薔薇がよく似合うね。」


薔薇を挿されたらしい。でも、棘の感じは一切ないので、棘の処理はされているらしい。


「本当は、君の宝石みたいな瞳と同じ青薔薇が良かったんだけどね。・・・ねえ、目を開けて」


殿下に頬を撫でられ、そう言われる。

目は見えていないに、目を開けていると、誤解をされるため、目は常に閉じているようにしていた。

どうせ、開けても閉じても真っ暗な世界は変わらない。

でもまあ、拒否する理由もないため、瞼を上げた。


「うん、やっぱり綺麗だ」

「ありがとうございます。」


あまり自分の瞳は好きではない。

他の人たちとは少し違った自分の瞳。

宝石を埋め込んだようなその瞳を、会う人たちは皆綺麗だと言ってくれるが、裏では気味が悪い、気持ち悪いと言われていることを知っているから。


「僕の前でだけは、開けていてくれないかい?君の瞳が見えないのは寂しい」

「殿下は、物好きですわ」

「そうでもないよ」


笑いながら答える殿下に、本当に物好きだなと再三思うが、殿下が望むなら、まあいいかとも思う。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ