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第八話 試合

 第八話 試合


「待ってたぜ。一ノ瀬悪魔。」

「待たせてすまんな。初嶋健太。」

 俺、玖珂咲、凪沙は今、埼玉の派閥のアジトにいる。ちなみに他の奴らは留守番だ。

「ちょ、ちょっと待って?な、なんでこんなに堂々とアジトに入れたの?」

 玖珂咲が不安げに聞いてきた。

「あ?そりゃこれから試合するからだ。」

「え?ど、どういう事?」

「お前、作戦会議の話聞いてたのか?」

「い、いやぁ、途中から聞いてなかった……と思う。」

「……寝てただろ。」

「う、すんません。」

「はぁ、本当に呆れますね。」

 隣から凪沙が呆れた顔で話掛けてきた。

「そうだな。」

「というか。何で作戦会議に一ノ瀬達(従者)は意見を一切言わなかったの?」

「当たり前だろ。優秀な俺達が意見したら一瞬で会議が終わってしまうだろうが。それにあの会議は俺達がいない時のための会議だ。」

「そっか。」

 (そういう事は気にしてるんだな。)

 そして、俺は初嶋の方を見た。

 作戦というのはこうだ。

 飛鳥がパチ端の連絡機能を使って初嶋健太に試合で平和的に決める事を提案する。

 ちなみにこの連絡機能は世界統合後に会ったことがある者に連絡できる機能だ。

 そして相手のスキルを事前に従者達が調べに行って有利に試合をするということだ

 試合は両チームで三人選び、一人ずつ戦って、先に二回勝った方が勝ちというルールだ。あと、一ゲームずつの勝敗条件は相手を降参、もしくは戦闘不能にさせた方が勝ちで、試合時の武器の持ち込みは禁止だ。

 そして俺はパチ端を開いて試合を申請し、初嶋健太は申請を了承した。

『第一ゲーム、服部凪沙vs初嶋健太、試合初め。』

 試合が開始され両者一斉にスキルを発動した。

 凪沙は氷の剣を数本顕現させて飛ばした。初嶋健太はすぐさまスライムで大きな壁を作り、それを塞ごうとする。しかし、壁に剣が突き刺さった瞬間壁が凍りついてしまった。そのままそこから床が初嶋の方向へ凍りついていく。

「……っ。」

 初嶋は後ろに下がって避けた。だが、その後ろにはもう凪沙が右手を前に出して立っていた。

「チェックメイトです。」

「クッソ。」

 初嶋は諦めたように両手を上げた。

「な~んてな。」

 そう言うと初嶋は瞬時にスライムを左足に纏わせて、そのまま、その足で後ろに回し蹴りをした。

「遅いですね。」

「なっ!」

 初嶋が気づいた時にはもう遅く、後ろに素早く移動した凪沙は右足で下に降ろしていた初嶋の頭を蹴り気絶させた。

『第一ゲーム終了。勝者、服部凪沙。』

「はは、なんて速さだよ……。」

 初嶋の部下である鈴木圭人は呆気のとられたようにその様子を見ていた。

「ねぇ、なんで凪沙ちゃん大きな攻撃とかしなかったの?」

「大規模な攻撃は氷が邪魔になって相手の位置の把握がしにくくなります。それに何より相手に隙を与えてしまいます。あと、それよりその呼び方やめてください。」

「えー、いいじゃない。」

「嫌です。」

『第二ゲーム、一ノ瀬悪魔vs鈴木圭人、試合始め。』

「降参します。」

 鈴木圭人は右手を挙げてすぐに降参した。

 そして、試合は東京側の圧勝に終わった。


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