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髪紡ぎの社  作者: よっちゃん
これからの、美容師。
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第1幕:夢の余韻と、スナックの日常

皆さん、はじめまして。

最近、身近な人物をモチーフにした物語を思い立ち、人生で初めて「小説」というものを執筆いたしました。

昨日、さっそく友人に読んでもらったところ、「『小説家になろう』に投稿するの!?」と尋ねられました。それまでサイトの存在すら知らなかった私ですが、友人の言葉に背中を押され、こうして思い切って投稿させていただくことになりました。


右も左もわからない初心者の初投稿ですが、どうぞよろしくお願いいたします。

今日も、夢を見た。4月に中学生になった私は、ここ数日ずっと同じ夢を見ている。パチリと目が覚めると、まだ着慣れないセーラー服がハンガーにゆらゆらと吊るされているのが見えた。

ぼぉーと天井を見ながら夢の記憶をたどってみると、私、どんなお仕事するのだろう!?と・・・。

白い壁一面の部屋で、キビキビ動き回っている私。私に向かって「とっても、気に入ったわ。ありがとうございます。」ニコニコ微笑む女性。夢の中では、楽しそうな私、思いにふける私・・・・。でも、自然と笑みが浮かんでいる。


『絢葉! 早く朝ご飯を食べないと遅刻するわよ!』 ピシャン!と部屋のドアを閉めた。瞬時に凍りつかせる母の声が響き渡り、私はガバッとベッドから飛び起きた。


「あれから、42年かぁ~~~。」


キュッ、キュッとカウンターの隅でグラスを拭きながら、絢葉はふぅっと小さく呟いた。 あの頃、夢見た未来。まさか42年間を経て、ようやくその道を歩みだすことになるなんて、人生とは本当にわからない。


もっとも、ここ30数年の彼女の肩書は、どこからどう見ても生粋の「スナックのママ」だった。絢葉が営むその店は、一歩足を踏み入れれば誰もが肩の荷を下ろしてしまうような、アットホームでどこか懐かしい空気に満ちている。昭和の面影を色濃く残すレトロでノスタルジック。店内のあちこちには、なぜか大小さまざまなカエルの置物が飾られており、まるでお店の歴史を静かに見守っているかのようだった。


カランコロ〜ン!扉が開く音と同時に、


「いらっしゃいませぇ~!」


絢葉のハツラツとした声が店内に響く。艶やかなストレートのロングヘアをサラリと揺らし、パッと大輪のひまわりが咲いたような笑顔を向けた。入ってきたのは、顔馴染みの常連客。いつもなら、どこかで一杯引っ掛けてすでに泥酔状態でフラフラな千鳥足……というのが彼の定番のスタイルなのだが、今夜は違った。ドアの前に立つ彼は、背筋をピンと伸ばし、驚くほどキリっとした「素面」の顔をしている。


「あら、珍しいじゃない。五右衛門さん、今日はどうしたの?」


絢葉は、からかうように目を細め、いつもとは違う常連さんの様子に、そっと好奇心の混じった視線を注いだ。


「チャンス!」


絢葉は心の中でそう叫んだ。これを逃せば、もう二度と言えないかもしれない。彼女は意を決し、ずっと胸の奥に仕舞い込んでいた熱い塊を、ドックンと脈打つ心臓を抑えながら一気に吐き出すように打ち明けた。 


「わたし、美容師になろうと思って!」


その言葉に、シンと静まり返るような沈黙。彼は、何も言わなかった。ただ、ジッと絢葉の顔を見つめている。その瞳は、いつもの優しさとは明らかに違っていた。有無を言わせぬほどの、鋭く、真剣なまなざし。それもそのはずだった。五右衛門は、まさにその業界の酸いも甘いも噛み分けてきた、長年のキャリアを持つプロフェッショナルの業界人だ。彼の沈黙は、綾葉の覚悟の重さを、正面から測ろうとしているかのようだった。



一つひとつのエピソードはとても短いかと思いますが、絢葉の物語はまだまだ続いていきます。これからも大切に書き進めてまいりますので、次回もまたお付き合いいただけましたら嬉しいです。


引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。

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