悪魔の刻印
夜明けの最初の光が差す前、彼女は苦悶に満ちた体を引きずって「銀の小川」へとたどり着いた。その肌は一見普通に見えるものの、決して人間のものではない血を洗い流すために。悲しみと苦しみに満ちた逃避行の最中だったのか、どこから涙が溢れ出したのかも思い出せない。だが今、その涙は制御不能の波となって、とめどなく流れ落ちていた。
痛み、憎しみ、そして切望。強烈な感情の嵐が彼女の意識の中で荒れ狂う。脳裏に焼き付いて離れないのは、ある天使の記憶。その天使の瞳は、彼女が彼に対して抱く邪悪な憎悪をそのまま映し返すかのように、深い憎しみをたたえて彼女を貫いていた。悪魔と天使、二つの血脈が、一つの心という器の中で絶え間なく争い、耐え難いほどの苦痛を生み出していた。彼女は身をよじらせながら、銀の小川の氷のように冷たく、清らかな抱擁に身を沈めた。その素晴らしく、慈悲深い感触に。彼女は自身の血だけでなく、あの天使の冒涜的な青い瞳――彼女自身の存在そのものを憎んでいるかのようなあの瞳――を洗い流そうと、水中に潜った。内に巣食う闇を必死に振り払おうと、半裸の体に何度も水を浴びせかける。天使がまばゆい光を放つ様を垣間見たとき、彼女は自らの中で戦う純粋な善と純粋な悪との鮮烈な対比を目の当たりにし、どうして自分が後者、つまりこれほどまでに罪に汚れた存在であり得るのかと訝しんだ。
「あああああっ!」
獣のような叫びが口からほとばしり、やがて嗚咽に変わったとき、その声はようやく人間のものとなった。父もまたこのような苦しみを味わったのだろうか、そして父は母に何をしたのだろうかと思いを巡らせながら、彼女は力尽きて膝から崩れ落ちた。揺れる拳に顔を埋め、水が胸元を洗うのも構わず、苦痛に耐えることをついに諦めた。初めて、悪魔の責め苦がその魂を焼き、恥辱と苦悶に彼女を震わせた。死にたい、あるいは眠りたい。この痛みから逃れたい。苦しみに満ちた人生は、いつかあの天使が自分を滅ぼしに戻ってくるだろうと彼女に確信させていた。そして一瞬、涙で視界が曇ったとき、目の前に立つ人影がその天使であるかのように思えた。
だが、それは天使ではなかった。背中の手で目をこすると、彼女から何一つ秘密を隠し通すことのできない闇を、明晰さが貫いた。そこに立っていたのは、祖母の家で会ったのと同一の男だった。昼間に見たときと同じように、彼は輝いていた。しかし、その顔には彼女が想像したような天上の者としての性質はなく、憐憫と切望の間で揺れ動いている。彼は彼女がこれまで会った誰よりも人間らしく、この場にそぐわず、そして無防備に見えた。突如、彼女は激しい欲求に駆られた。彼に、一人の男として自分を抱きしめてほしい。悪魔としてではなく、一人の女として見てほしい。人間性というものを、少しでも味わわせてほしい、と。
彼女は水から上がると両手を伸ばし、彼が反応するより先に唇を奪った。彼は一瞬ためらい、わずかな間だけそのキスに応えたが、やがて彼女を押し返そうともがいた。彼女は構わず、彼の温もりを求めて再びその唇を探したが、彼は優しく、しかし断固として彼女を押しとどめた。あまりの衝動に、彼女は彼の間で膝から崩れ落ち、地面に頭を垂れた。「独りにしないで」と、彼女はすすり泣きながら懇願した。彼は息を切らしながら立ち尽くしていたが、やがて踵を返し、彼女をその場に残して去っていった。疑念が他のすべてを飲み込むまで轟き、悲しみと戸惑いが胸に押し寄せる。彼の手が最後に彼女の肩に触れたとき、それは自分が決してなれないもの全てを痛々しいほどに思い出させた。肌が焼け、彼女は後ずさった。ほんのかすかな接触だけを許して。
彼は数歩下がり、男特有の静かな気品を漂わせて言った。「女よ。何がお前をそれほどまでに傷つけたのだ?」
彼女は苦しみに顔をしかめ、彼と目を合わせることもできずに首を横に振った。
何が彼女を傷つけたのか? 錯乱したまま森の奥深くへと駆け込みながら、千切れそうな理性の糸が彼女を街へと導いていた。引き裂くような嗚咽が漏れる。無慈悲な天使と魅力的な男が同じ夜に現れるなど、耐えられるはずもなかった。ほとんど狂気に陥りながらも、彼女はしっかりとした足取りで叫んだ。「放っておいて!」ほんの数分前には、正反対のことを懇願していたというのに。
「待ってくれ、女よ!」彼の声が慰めを約束するように彼女を招いたが、彼女はそのような幻想を拒絶した。彼女はただ、ほんの一瞬でも彼の人間性を自分のものにしたかっただけなのだ。今となっては、彼に触れるという考えすらも不快だった。
胸の傷が混乱した感情を通して燃え続ける中、彼女は後に残してきた男から遠く離れていた。棘だらけの柳の木にもたれかかり、ゆっくりと膝をつくと、彼女は自分自身を呪った。ここにもいたくないし、家に帰りたくもない。悪魔の血に身を委ねるという誘惑に駆られた――それはより単純な道ではあったが、誰からも忘れられ、孤独のうちに死ぬことよりも、もっと悍ましい道だった。
彼女は沈黙の中で待ち続けた。日は昇るのだろうか、と。しかし涙は止まっていた。突然激変した自らの環境の中では、そんな些細な問いさえも、もはやどうでもよかった。
エリーラは目を閉じた。戦いで負った傷のせいか、あるいはそれ以上に過酷な、絶え間ない慟哭による疲労のせいか、彼女は眠りに落ちた。悪夢という無慈悲な不正から逃れられるようにと、彼女は最後に一度だけ祈った。
…
彼が再び彼女を見つけたとき、彼女はあまりに硬直していたため、彼は恐ろしい一瞬、彼女が死んでしまったのだと思った。理解しがたい本能から、彼の両手は拳を握りしめ、息が詰まった。必死に生命の兆候を探し、彼は待った。
ついに、彼女の胸がかすかに、そしてゆっくりと上下する。生きている――呼吸をしている。彼は拳の力を抜き、ごくりと唾を飲み込んだ。魂の旅立ちが天へ向かうだけのことだと分かっていても、これほどまでに気にかけることが理にかなわなくとも、彼女をここに留めておくためなら何でもするだろうと、彼は自覚していた。
しばらくの間、ただ彼女を観察するばかりだったが、やがて彼は森の地面に静かに腰を下ろした。彼女の無防備な眠りは、彼の内に保護的な衝動を掻き立てた。それは、苦境にある主人の使いであれば誰に対しても感じるであろう義務感だ。しかし、その感情だけでは、胸の中に芽生えた奇妙な温かさや、彼女の唇が触れた箇所に残る灼熱感を説明することはできなかった。
手のひらを口元に当てると、まるで彼女のキスがそこに留まっているかのように、肌は柔らかかった。彼はまだ彼女の味を感じることができた。それは彼にとって、生まれて初めての経験だった。
何時間も経ったが、彼女は身じろぎ一つしなかった。彼女の呼吸があまりにかすかすぎないか判断はつかなかったが、彼女が生きている限り、彼は喜んで見張りを続けた。この世界に初めて入ったときのように意識を集中させると、生命の唯一の証である、彼女の安定した心音が聞こえてきた。
彼にとって初めての夜明けの美しさを、彼は当然のものとは思わなかった。その輝きは、より慈悲深い神々からの約束のようだった。しかし、彼女が身じろぎし、そのまぶたが震えながら開かれたとき、彼の意識はそちらへと引き寄せられた。