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転生少女は愛されている  作者: 海雪
第2章 魔王襲来
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魔力量



 早速とばかりに的の前へと移動した私たちは、杖を持って魔法を行使した。




水連弾(アクアバレット)




 詩音が行使した魔法が、的を目掛けて向かっていく。複数に分かれた水の弾丸が的に当たっては弾けていった。



 それを見届けてから私も魔法を行使し始める。今回使う予定の魔法は"氷連弾(アイスバレット)"だ。



 氷属性の中でも非常に使いやすい魔法と知られているうえに発動速度も段違いだった。



 私は杖に魔力を流し調節する。魔力量が多ければ多い程有利とされている、魔力を送れば威力が上がっていく為だが。



 実際に、本番などの時ほど大量に魔力を送る人はほとんどいなかった。



 なにせ威力が上がる分、制御が難しくなっていくのだ。今回の試験では威力は重視していないだろう、魔力の量を出来るだけ落とし制御に集中した。




「玲夏さんは一体どんな魔法を使うんですか?」



「えっ………あっ、ちょっ⁉︎ 」




 詩音にどんな魔法を使うか聞かれて、そちらの方を向いた表紙に集中が途切れた。そのまま魔力が大量に杖に送り込まれて魔法が発動してしまった。



 ドッパーンという音が演習場に響く、魔法は中心から少しズレた位置に当たったようで的の一部が撃ち抜かれて消えていた。



 そしてあろうことか、持っていた杖の先端がささくれたっていた。



 だからこそ魔法の制御に集中していたが、詩音に声をかけられ注意を逸らしてしまった。



 彼女は悪くないだろう。声をかけられても、一般の者であれば大抵はこういった事にはならなかった。



 例外としては、魔力量が多い者は魔道具を壊してしまう傾向にあった。その人が持っている魔力に魔道具が耐え切れなくなる結果だ。



 ついこの間、エリスが教室で水晶を粉々にしてしまった事件がこれであり、魔力に耐え切れずに暴発してしまったのだ。



 私も前に似たような事があった為に、杖が壊れないギリギリの魔力を送ったが最終的には壊れてしまった。戦闘用に使っていた魔道具、槍は特別製でオリハルコンによって出来ていた。



 壊れにくい上に魔力を送りやすい、特殊な金属がオリハルコンだった。今までは調節せずとも問題なかったが、杖に使われた材質が弱かったので壊れてしまった。



 エリー先生は、こちらに駆け寄ってきて怪我をしてないか聞いてきた。




「だっ、大丈夫ですか⁉︎ 小鳥遊さん!怪我はありませんか⁉︎ 」



「あっ、はい、大丈夫です。すいません貸し出し用の杖と的を壊してしまいました」



「気にしないで構いませんよ、学園長から聴いていますから。もしかしたらこういう事があるかもしれないと」



「………すいません玲夏さん。私が声をかけなければ、こんな事にはならなかったのに」



「いや、詩音。大丈夫だから気にしないで、注意を逸らした私が悪い」



 

 詩音はいまにも何かを言いたげだったが、ある程度を察して黙っていた。



 怪我等をしている人は出なかった。最悪の時に魔法障壁(シールド)を展開しても間に合わない場合がある、魔法が発動してもタイムラグがある為だ。



 前回の時と同じで運が良かった。もしもあの魔法が人なんかに当たっていたら大怪我どころではなかった。



 病院に駆け込まなけば治せない怪我や病気もある、魔法は万能とも言える力ではないからだ。




「すごいですね!どれだけの魔力を送ったらこうなるか、見当も付きません。エリー先生から聴いていましたが、これほどとは思いませんでした。それよりも問題なのは………」




 破損してしまった的を見て来たのだろう。ニア先生は開口一番に驚きの声を漏らしていた。


 先生はクリップボードに挟まっている紙に視線を落とした。評価などを付ける資料だろう、今のを見てどのように評価を付ければいいのか分からないはずだ。



 持っているペンをクルクルと回しながら首を傾げていた。そして、どうするのか決まったのか資料に書き始めると同時に何事かを呟いていたのだ。




「………え〜と、評価は弩級のSランクでいいですかね?小鳥遊さんの魔力量は、とても危険と。………略して、小鳥遊さんはドSで危険」



「すいません、ニア先生。それだと誤解を生みかねないので、今すぐ発言を撤回して下さい」




 とんでもない発言をしたニア先生。もし誤解を生んでしまったら、さらに私の近くから人が居なくなってしまう。なんらかの連絡事項を伝えてはくれるが、クラスメイトとしてだ。



 その間にエリー先生は名簿を確認したのか、次に試験に移ると言った。




「………これで全員終わりましたね」



「あれ?すいませんエリー先生。エリスさんはまだ終わっていないはずですけど?………」




 確かに詩音が言った通り、まだエリスは行なっていなかった。その時にふと、私は気になる事が頭に出て来たが思い出せなかった。




「あぁ、大丈夫です。彼女は………いえ、次の試験に移りますよ」



「………」



「次の試験は対人を想定した、模擬戦です。しっかりと休んで準備してくださいね」



 そのまま先生は次の試験の説明をし出した。エリスの方を見たが、とても気分が優れない様子だった。



 もしかしたら先生は何かを知っているからか、それともただ単にエリスは具合が悪いのかは分からないがこれで良かったのかもしれなかった。





 







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