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episode:27

学園編です。幼少期が終わり本格的に冒険が始まります。

まったり展開でまだしばらくいくと思いますのでお願いします。




今日僕は王都へと旅立つ。

学科試験で出てくる歴史の勉強もバッチリだ。

合格は間違いないだろう。


王都へ向かうのは、僕とスーザン村騎士団の副団長の二人、ガンツさんとシャルルさんだ。御者にはトマが付いてきてくれる。


今回も前回と同様ヴェールの町を通り5日の行程を経て王都へ到着する。


「ちょっと私も忘れないでよね」


「忘れてないよ」


勿論女神の一部であり女神本人でもあるソフィアも一緒だ。


…1日目

…二日目

…三日目

…4日目

…5日目


順調な旅路を終え僕は再び王都へとやってきた。

ここから新しい僕の生活が始まる。


学園の試験は明日だ。

ガンツさん、シャルルさん、トマは試験が終わるまで一緒に王都に滞在だ。落ちる事はないと思うが10歳の子を一人王都に置いていく事は出来ないらしい。


宿の手配は予め済ませてあるので荷物などをトマに任せて、王都探索に出かける。目的は冒険者登録だ。


ガンツさんとシャルルさんは王都に居た時にBランク冒険者までランクを上げたらしい。ガンツさんとシャルルさんを引き連れ冒険者ギルドへ向かう。


1年ぶりに見た冒険者ギルド…

剣と盾の看板。


「ここだ…」


記憶を思い出す前も、記憶を思い出してからも僕の夢だった場所。

僕は絶対凄い冒険者になって見せる。


ギルドの中へと入る。

ガンツさんが扉をあけてくれる。


同伴者付きなのは恥ずかしいので一人で行くといったのだが一応貴族の息子なので試験が終わるまでの間は一人で出歩くのはダメらしい…


学園の寮に入った後は自由にして良いそうだが基本的にそこまで自由にする時間はないのをわかってて言っているのだろう。


ギルドの中はとても広い。

入って右側が冒険者ギルド、左側が酒場になっているようだ。


ガンツさんとシャルルさんの間に挟まれて受付へ進んでいく。

一斉に視線がこちらへ向く…気まづい。


いかにも騎士な装備の二人の間を守られるように歩いていたらそりゃ目立つと言うものだ。


誰だ…あいつ。

貴族の坊ちゃんがなんのようだよ。

あんな子供がなんのようだ。

とか色々な声が聞こえてくる。


貴族は歓迎されていないようだ。

それとも子供だからだろうか?


受付に並ぶ…昼過ぎな事もあり、そこまで混んでいないようだ。

少し並ぶと僕の番がきた。


「あなたは…ガンツさん?お久しぶりです。それにシャルルさんまで!本日は依頼ですか?冒険者業再開されるんですか?」


受付の人と二人は知り合いなようだ。


「ああ久しぶりだな、モナカ。大きくなったものだ。今日は俺ではなくこちらの方の新規登録だ。今いる騎士団の領主の息子だ。よろしく頼む、実力は俺が保証しよう」


「かしこまりました。最後に会ったのは私が14の頃でしたから。あれから10年ほどでしょうか。ガンツさんの紹介であれば問題ないですね、こちらの紙に記入お願いします。代筆は必要ですか?」


「いえ、代筆は必要ありません」


僕は名前、年齢、得意な事を記入していく。


名前 ルイフ

年齢 10歳

得意な事 剣術


これでいいかな。


「出来ました。お願いします」


「はい、問題ないですね。ではルイフ様冒険者ギルドについてのご説明をさせて頂きますね」


説明はこうだ。


◼️冒険者ギルドについて

冒険者ギルドは国とは独立した組織として冒険者ギルド連合本部が統括しています。冒険者を国や貴族の都合で強制的に引き抜いたり自由を拘束する事は出来ない。冒険者ギルドは主要な都市や町には基本的に存在するので身分証は各国共通で使える信用の証となります。


ランクはF、E、D、C、B、A、Sまであり、依頼をこなす事でランクが上がっていきます。Cランク以上は昇格試験があり、合格しないとランクは上がりません。3度昇格試験に失敗すると半年間再試験は受けられません。


依頼は一つ上のランクの依頼まで受ける事が出来ますが失敗するとペナルティーとして報酬額の半分が課せられますのでお気をつけください。


また、クランなどを作る際にはクランマスターとなる方のランクがBランク以上な事が条件となります。クランは信用や強さの証にもなりますので目指す方も多いので目標にいいでしょう。


「それではギルドカード登録に血を一滴頂きます」


僕は渡された針のようなもので指をプスッとさし血を一滴皿の上にたらす。血には魔法の使えない人にも微量に魔力が含まれており、一人一人微妙に違うのだとか、それで個人認証するらしい。

冒険者の心得の本で得た知識だ。日本で言う生体認証みたいなものだろう。


「では少しお待ちください」


モナカさんは受付の裏へ入っていく。

裏でギルドカードの登録をするのだろう。

どんな風にするか気にはなるが…入れないので仕方がない。


モナカさんが戻ってきたようだ。


「お待たせしました、こちらがギルドカードとなります。それでは次にギルドカードの説明をさせて貰いますね」


「お願いします」


◼️ギルドカード

主な機能

・個人情報:名前、年齢、冒険者ランクの表示

・個人認証

・依頼受注記録:受注した依頼と討伐数が記録される。

・口座機能:依頼完了後の振込口座、どこのギルドでも引き出せるので安全にお金が管理出来る。


これは便利だ…討伐部位証明とかはいらないらしい。

僕の場合は時空魔法の異空間ボックスが使えるからお金の管理は万全だが、普通は袋に入れたりして持ち歩くので、大金を持って歩くのはとても怖い…


「以上となりますが、質問などございますか?」


「いえ、丁寧にありがとうございました」


「いえいえ、ほとんど適当にしか聞いてくれない方が多いので、とても有り難い事です。さすがガンツさんが押すだけあって、礼儀作法がしっかりされています。貴族の方は大概上からこられますので…」


貴族はやっぱり偉そうな人が多いようだ。


「こいつは別だ…そんな小さな事を気にするようなやつじゃないんでな」


「そうね、いずれ私達を抜いていくでしょうね」


「お二人がそれほどまで褒めるとは…豪剣のガンツと氷鬼のシャルルのおスミ付きなんて凄いんですよ!」


「豪剣?氷剣ですか?」


二つなというやつだろうか。

これは恥ずかしい…僕はなんと言われるのだろうか。

七色のボール使いとか虹玉の剣士とかそんな名前が付いたら恥ずかしくて外も歩けない。イメージ付けはとても大事になりそうだ。


「おいおい、モナカ、それは恥ずかしいからやめてくれ。過去の話だ」


「モナカさん聞かせてください。気になります」


モナカさんが説明してくれた。

ガンツさんは大剣を振り回し、全ての剣を力でねじ伏せてきた事で豪剣と二つ名がついたらしい。


シャルルさんは氷属性のレイピアで魔物を瞬時に倒すことから、最初は氷の女神とか言われてたらしいが余りにも敵を葬っていくので女神というより鬼じゃないか?と言われたのが最初らしい。


二人とも王都でも有名な冒険者だったようで、将来確実にAランクになると言われていたが、ある日突然王都を去ったらしい。


父様に付いてきた日の事だろう。


「モナカったら…ルイフ様には秘密にしてたのに」


「二人が凄いってわかって僕は嬉しいですよ?」


「嫌味くささがないのにどこか馬鹿にされているような気がする…」


この純粋な笑顔のどこにそんな所があるのだろうか。

全く失礼なものだ。


「今日は依頼は受けられるんですか?」


「いや、ルイフ様は今年から学園に通われる。その合間に冒険者をやる予定だ。俺達は帰らないといけないからなるべく見ててやって欲しい」


「はい、私に任せてください、ルイフ様よろしくお願いします」


「ここでは冒険者として扱って貰えばいいので様はいらないですよ」


モナカはガンツさんやシャルルさんの方に視線を移した。

確認をしているのだろう。

ガンツさんとシャルルさんが頷く。


「わかりました、ルイフ君これからお願いしますね」


登録を済ませた僕は、その場を後にしようとすると…


「おい貴族の坊ちゃんがこんな所に何の用だよ!冒険者は遊びじゃないぞ?貴族のボンボンは家で大人しくしてればいい」


テンプレ…僕は絡まれた瞬間その言葉を思い出した。

貴族である僕にこんな事する馬鹿が本当にいるんだな…

勿論手を出されない限り何も出来ないし。

冒険者に対し貴族が介入するのもある程度の理由が必要である。


無視して僕は外へ向かおうとする。

すると僕の前に回り込み話しかけてくる。


「おい、無視すんなよ。びびってんのか?」


僕が喋ろうとすると…ガンツさんとシャルルさんが前に出た。


「目障りだ失せろ」


「何様のつもりあなた」


二人が威圧する。スキルがないはずなのにピリピリと肌を刺激する。


「いや…ちょっと俺は…弱そうな奴が死んでいかないようにと思って…すみませんでした!」


見事な土下座だ…

異世界でこんな光景を見る事になるとは。


「分かればいい、それにこの方はお前より強い」


僕は騎士団の練習に参加もしていた。力は抑えているが、ガンツさんやシャルルさんとある程度打ち合えるくらいには力を出していた。

恐らくCランク上位からBランク下位くらいには思っているのではないだろうか。


僕達は冒険者ギルドを後にするはずだった。


扉が開く…

みんなの視線が扉へと向く。


「お、なんだトータスこんな所で座り込んでどうした」


「フェンの兄貴…助けてくださいこの貴族のガキのお付きのやつが」


誰だろうこの人達は…

とても強そうな4人組だ。


それにしてもこっちは何もしていないのに、なんて奴だ。


「貴族のガキのお付き?」


ガンツさんとシャルルさんそして、フェンと呼ばれた人の視線があった。


「お前は…」


「まさかガンツ師匠?それにシャルル姉さんまでどうされたんですか」


「久しぶりだな…元気そうで何よりだ。今日は俺の仕える方の息子の冒険者登録に来ていたが、いきなり絡んできたんでな、ちょっと威圧しただけでこのザマだ。冒険者ギルドの質も落ちたか?」


「すみません、こいつトータスと言って面倒見てるやつの一人で悪い奴じゃないんです。貴族と昔色々ありまして。僕からお詫びさせて頂きます。本当にすみませんでした…」



「兄貴一体…この人達は」


「この方は俺の師匠で豪剣のガンツさんだ。こちらは氷剣のシャルルさん。この人達のおかげで僕達は今Aランクパーティーになれたと言っても過言ではない。恐らく今の僕でも叶わないだろうね」


「そんな方がなぜ、こんなガキに…」


「それだけ敬意を持てる子だと言う事だよ。師匠達は人を見た目では判断しない。それが本当の強者だ、わかったらもうこんな無駄な事は辞めろ」


トータスはこの場を去っていった。


「さてと、師匠こちらの方をご紹介して頂けないでしょうか」


「あぁ、それと俺はもう師匠じゃない。Aランクパーティーがペコペコしてたら下の者に示しが付かんだろ。こちらは俺の仕えるマルコ様の息子のルイフ様だ。冒険者になったからよろしく頼む」


Bランクだったガンツさんとシャルルさんのが強いのは当たり前の事だ。フェンは4人でAランクパーティーだが、ガンツさんとシャルルさんは当時の時点で既に個人でBランク上位、Aランク確実と言われていたのだ。その二人を田舎に連れていってしまう父様はやはり凄いのだ。


「ルイフです。よろしくお願いします」


「これはご丁寧にルイフ様、僕はAランクパーティー奇跡の光のリーダのフェンと申します。こちらが斥候役のナビア、そしてこちらが火魔法の使いのリービアと僧侶のアーシェです。よろしくお願いします」


爽やか系のフェンさんに、少しクールな感じの獣人のナビアさん、気が強そうな赤い瞳のリービアさん、お姉さんって感じのアーシェさん。みんな堂々としている。さすがAランクパーティー。


「冒険者として来ているので様と敬語は結構ですよ。フェンさん、ナビアさん、リービアさん、アーシェさん、これからギルドに来る事も増えると思いますがお願いしますね」


「あぁ、よろしく」


「…よろしく」


「よろしくしてあげてもいいわ」


「よろしくお願いしますね」


みんな話し方で特徴が凄い出る人達だ。

性格的にもバランスがいいのだろう。


挨拶を交わし、僕とシャルルさんは先に宿屋の方へ戻る。

ガンツさんには久々に会ったのだから少し話して言ったら?と僕が提案したのだ。


寮に入るまでお世話になる宿屋は、癒しの風という宿屋だ。

学園から近い距離にあって、兄様や姉様も試験の時は利用した所らしい。


宿屋に着くとトマが待っていた。


「おかえりなさいませ、ルイフ様。お部屋へご案内致します」


こうして僕の王都での1日目が終わった。


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