episode:26
今日は昨日見つけた遺跡に潜る予定だ…
こういう時不安ではなく、好奇心が勝ってしまうのはゲーム好きの日本人だからだろうか?それとも能力値が上がり油断しているのだろうか?この世界には転生したのであって転移ではないのでこの世界をゲームとは思っていない。本当に死ぬ世界…それは常に魔物を狩りする時には感じている。
森の奥へと向かう。なるべく魔物は無視して進んでいく。
時間を遺跡調査に使いたいからだ。
遺跡についた。昨日と変わったところはなさそうだ。
足跡一つない所を見ると、やはり人は来ていないようだ。
僕は中に入っていく、少し薄暗いが見えないほどではない。
遺跡は一本道のようで、奥へ進んでいくが分かれ道すらない。
遺跡内部は神殿の跡地が古くなり、苔が生え、あちこち劣化したといった感じだ。
しばらく進むと、開けた所に出た。
あちこち劣化して苔や蔓だらけだが、間違いなく神殿だ…
やはりこの遺跡は過去の神殿のようなものなのだろう。
奥には女神像?とても古くなっているが傷一つついていない女神の像がある。これは…
触れてみるが何も起きない…ただの像か。
調べるためあちこち触っていると少し違和感があった。
「魔力が吸われてる?のか…」
調べてみてわかった事がある。
一番吸われるのが心臓の部分だ。
僕は心臓の部分に手をあて魔力を注いでみる。
さっきよりも勢いよく吸収されていく。
何だろう、さっきよりも像が少し光を帯びているような…
さらに注いでみる…
半分以上吸われていてもう少しで3割をきりそうだ。
空っぽになってボス…パターンじゃないよね?
「ちょっとやばいか…ボス出たらゲームオーバーそれは避けたい」
今の僕では魔力が足りないようだ…
学園の休みの日にでもまた来ればいいかな。
女神像から後ずさり帰ろうとすると。
「…もう少しだけ…もう少しだけ…」
あれっ 何か聞こえたような。
気のせいか…帰ろう。
「…もう少しだけ…」
やはり聞こえる。もう少し?魔力の事だろうか。
しかし…罠な可能性もある。
どするか。ここは安全第一に学園の夏休みまで待つのがいいかな。
僕は帰る事にした。
「えっ…ちょ…待って…お願い…します」
怪しさいっぱいだったが、なぜか敬語になった…
なんか大丈夫そう…かな?お願いしますと言われてそのままというのも悪い気がする…魔力を動ける程度に残して何かあったら逃げる。
僕は魔力を吸収させる事にした。
手を当てて、魔力を入れ始める。
すると凄い勢いで魔力が流れ始めた、これはヤバイ。
んっ…離れない。手を離そうとしても離れない。
どんどん魔力が流れていく…
これは…まずい。逃げないと。
女神像が光を増していく。
眩い光がルイフの体を一緒に包み込んでいく。
「わっ 眩しい、これは…逃げられないか」
気が付くと知らない場所にいた。
周囲を見ても全てが白。何も存在しないような空間。
「もしかして…死んだ?」
せっかく転生したのに死んでしまったのだろうか。
この不思議な空間…それならなんとなく納得出来る気がする。
「あーあ。安全第一で動いてたのに学園に通う前に死ぬなんて…」
「ねーね」
「次は何に転生するのかな?記憶ってどうなるんだろ」
「ちょっとー」
「また魔法使える世界だといいな」
「聞こえてるよね?」
先程の女神像とそっくりな人?に話しかけられている。
死んだ後の案内人だったのか…もう少し後悔をさせて欲しい。
「また日本ってのは面白みがないから出来れば別の所がいいな」
「もぉー…ちゃんと聞いて!!時間ないんだから、それに転生しないからね?」
「あっ 転生しないんですか?そのまま天国ですか。楽しい所だといいな」
「死んでないから…戻れるからね?そして時間ないから話聞いてね」
「戻れるんですね…良かった。内心ドキドキしてました。話聞きます。はい、どーぞ」
「どーぞってなんか調子狂うけど。簡単に説明するから」
説明の内容はこうだった。
女神の名前はソフィア。この世界を作った女神らしい。
300年前に復活した魔王を倒すために勇者を召喚しようと、聖国の聖女と協力して召喚の儀式を行った。その影響で力をかなり使い弱っていたとの事。その時に魔王を復活させた邪神が現れ、なんとか封印したが相打ちに近い形となり、咄嗟にこの使われていない女神像に自分の一部を移したらしい。
魔王は勇者によりなんとか倒されたが誰にも伝える事が出来ないまま、女神像に一部を移したので誰もこないまま300年過ぎてしまったらしい。
そして偶然来たのが僕だったとの事。
「わかったんですけど、もしかして邪神が復活とか魔王が復活するとかそういうパターンですか?」
邪神とか魔王とか…せっかく楽しく生活しているのに強くなる前にそんなビッグイベントは困る。大切な人達を守れない。
「そうじゃないから大丈夫よ…邪神は少なくとも後200年は大丈夫なはずよ、魔王の方はわからないけど」
良かった…200年なら僕が生きてる間にくる事はない。
その時に勇者召喚などされた人がなんとかする?だろう。
僕は冒険者ライフを楽しむのだから。
「でね、お願いがあるのよ」
「嫌です」
「まだ何も言ってないじゃない」
こういう時絶対ロクな事がないのはわかっている。
受けてはいけないのだ…
「そんな事はないわ、今の状態だとほとんど力がないから出来る事も少ないけど…この世界既存のユニークスキルを一つくらいなら与える事が出来るわ」
この女神、心読むタイプの女神だ…
というか本当に女神だったのか。確かに見た事ないくらいに可愛いというか美人と思うが…。本物とはな。
それにしてもユニークスキルか…
これは諦めていた一つだ。条件次第ではいいかもしれない。
「まだ疑ってたの!?どう見ても女神でしょ。こんな綺麗な人いないでしょ。それにね、そんなに難しい事じゃないわ」
心読まれるとやりずらい…
自分で言う人ほど痛い人はいないよなー。けど本当に美人ならありなのか。
条件ってなんだろう?
条件ってなんでしょう。
「心読めるからってね、喋らないのはどうなの?!心読めてもニュアンスが違ったりするからちゃんと喋ってね。そして時間が後もう3分ほどしか残ってないのよ」
「では条件はなんですか?」
「私を一緒に連れて行って欲しいの。勿論分割した私の一部なのだけれど」
そんな事でいいのか…しかし四六時中美人に覗かれてるようでそれはそれで気まずいのではないのだろうか。
「姿はブサイクにも出来るのよ?」
「いえ、美人のままでお願いします」
あれっ なんかokしてないのにそう言う方向に持って行かれている気がする。
「気のせいよ、それでユニークスキルは何が欲しいの?」
「時空魔法でお願いします」
「なるほどね、考えてるわね。いいわ、時間もないからあなたに授けましょう、後このリングを指に後で嵌めてね」
僕を光が包む。
眩い光が収まっていく。
「じゃあ、またあっちでね」
その言葉を最後に僕は意識を失った。
「目が覚めた。知らない天井だ」
いや、さっきいた神殿の天井だ。
さっきのは夢?だろうか。
だが、なんとなく時空魔法の使い方がわかる気がする。
Lv1で使えるのはアイテムボックスのみだ。
伝説上のスキルで現在使える人はいないと、冒険の心得に載っていた。ただ、時空魔法についてはそれ以外謎に包まれており、どんなスキルが使えたかわからないらしい。
自分で色々試していくしかないだろう。
「アイテムボックス」
目の前に異次元空間が広がった…
ここに物を入れれるのか。上限はどれくらいなのだろうか?
試しに近くに落ちていた神殿の柱を突っ込んでみた。
「おっ 入った…異次元の場所は動かせるのか。これは便利だ」
Lv1なのにこれほどの量が入る。
これは、魔力依存タイプの魔法なのかな。
小さいアイテムボックスだとあまり持てないのでこれは嬉しい。
だが、異次元を出すのは目立ち過ぎる…対策を考えないと!
コロコロ
コロコロ
なんかポケットの中で動いている。
なんだろうとポケットの中に手を入れてみると…
指輪だ。そういえば、指輪を嵌めてほしいと言っていた気がする。
僕は指輪を嵌めてみる。
魔力が吸われていく気がする…
…
残っていた魔力のほとんどを吸収された。
「ちょっと…なんですぐに嵌めないのよ」
「忘れてました。というかまた魔力吸われたんですけど…これつけてると魔力吸われ続けるんですか?かなり不便なんですが」
「忘れてたって…まぁ出れたんだからいいわ。魔力がたくさん吸われるのは最初の出る時だけよ。普段は自然回復量の一部を貰い続ける事にはなるけど」
「それくらいならいいですが、その姿はなんですか?」
女神様が小さい手のひらサイズの妖精のような姿になっているのだ。
つっこみたくなるのは当然だろう。
「大きくなるほどの力の譲渡は外では出来ないからこの大きさが今は限界だったのよ。動くにしても空は飛べた方がいいし、妖精族の姿が都合が良かったのよね」
「妖精族っているんですか?てかなんとお呼びしたら?」
「ソフィアでいいわよ。それと、魔力余ってるときは多めに貰えると力が戻る速さが上がるから助かるわ。その年齢でその異常な魔力量だもの、少しくらい多めに貰っても問題ないわよね」
「問題はないですが、勝手にはやめて下さいね。じゃあソフィアって呼びます」
元の姿なら美人過ぎてソフィアなんて呼べなかったが、
なんか小さくなったら、抵抗なく呼べるようになった。
「ちょっとソフィアって呼び捨て!ソフィア様でしょ。私は女神よ」
どうやら心は読めないようだ。
これはよかった。
「女神様なのにそんな小さな事を気にするんですか?」
「冗談よ、私の心は誰よりも広いのよ。なんといっても、この世界を創造した女神なんだからね!好きに呼びなさい」
ちょろい…この女神
「後問題があるんですけど、その姿で近くにいられると困るというか…」
「それは問題ないわ。あなた以外には見えないもの」
「それならいいですが…」
「それと困っていたようだから一つ言うけど、時空魔法も同じよ?自分のイメージ次第で隠すことが出来るわよ」
「えっ そうなの?それはいい事聞いた」
「でしょー私は女神よ、この世界の事なら大体わかるんだから」
「もしかして、他の魔法もイメージで色々応用できるの?」
「当たり前でしょ…魔法も自由に使えないの?」
「えっ 詠唱魔法のやり方しか本にも載ってませんでしたし知りませんよ」
「詠唱…?私が女神像に移る前までそんなのなかったけど」
あれっ どういう事だろう。
「ソフィアが女神像に移る前はみんな自由に無詠唱で魔法をイメージして使ってたの?」
「そうよ」
この300年で何があったのだろうか…
「基本属性の火、水、風、土くらいなら適性があれば誰でも強い弱いはあるけど使えたわね」
この世界で学んだ事とは大分違う気がする。
貰えるスキルは最大3つ、魔法を授からなかった人は魔法を使うことが出来ない。
「女神から貰えるスキルで魔法を授からないとこの世界の人は魔法は使えないんですよ」
「えええぇ…なんでそんな事に。あっ …まさか。ちょっと今の事もう少し詳しく教え貰える?」
僕は貰えるスキルが最大3つなのと勇者は4つ以上持っていたと言う話が伝わっているという事を話した。
「多分、私の力が弱まってるのが原因かもしれない。300年前はスキルは全員に3つそして、魔法の適性に合わせて開花のために才能のある子には魔法スキルもあげていたわ。スキルがなくても頑張れば誰でも生活魔法くらいは使えたわね。魔力量には個人差があるから才能がないと小さな魔法しか使えないけど」
全員に3つ…そして魔法まで貰えるのが普通だったとは…
今のこの世界の人はスキルが一つしかないものもいる。
選択肢が限られる世界だ。
「それじゃあ…もし魔王が復活したり邪神が復活したら、この世界の人じゃどうしようもないんじゃ…」
「そうね…すぐに復活する事はないけど、復活したらまずいわね」
「力を私がある程度戻したとしても、基本的に後からスキルを授けるにはそれなりに力のあるものじゃないと体が耐えられないのよ。だから…後から強くさせるのは基本的に条件が合わないと無理なのよ」
魔王がすぐに復活する事はないと言っているが…
これはフラグじゃないよね?!
怖いんですけど…
「まあ、魔王が復活する訳じゃないならとりあえずは女神様の力の回復が先かな。僕は冒険者になる予定なので、積極的に危ない事に関わる気はないですが。国の危機よりも家族や大切な人を優先します」
「問題ないわ。ありがとう」
こうして僕には新しい仲間が出来た。
女神のソフィアだ。
知識が豊富なのできっと僕の冒険者ライフをより良いものにしてくれるだろう。効率良く強くなりたいものだ。何かあった時に家族や大切な人を守るために…




