Episode50 海戦(中編)
◆今回初めて登場する人物◆
グリフ(31)
黄昏界の住人。ドュンケルに味方する。ベルセルク艦隊の内1曹・ビクトリアの船長で、ミョルニルサーベルを愛用する。
●今回初めて登場するアイテム●
ミョルニルサーベル
神話におけるミョルニルのように命ずることで持ち主の元へ戻ってくるサーベル。その力は魔法に由来し、どこにあっても瞬時にして戻ってくる。例外は世界間の隔たりがある時のみである。
船への侵入に成功した僕たちは階段を上る。甲板までにはもう1つ部屋があった。そこにはたくさんのベッドが並んでおり、共有の寝室であることが見てとれた。幸い、そには誰もいなかったので、僕たちはそこを、難なくすり抜け、足音を立てないように甲板の階層まで来た。
「ヤツらが消えたぞ!」
「探せ!探せ!」
「どこに行きやがった!?」
ドタドタドタドタ...
扉に耳をつけると、叫び声、さらにはバラバラの足音。僕は合図で作戦を伝え、彼らは静かに頷く。それを確認し僕は扉に掌をつく。その作戦とは至って簡単なものである。
まず、僕が「魔力解放」で扉をぶっ飛ばす。あわよくば何人か敵も倒す。それから、一斉に外へと飛び出し、向かう敵を迎撃しながら、甲板の上へ突進。あとは乱戦である。
そして、僕は一気に魔力を解放した。
ドッゴォォォンッ!
轟音とともに扉は吹っ飛ばされ、扉は敵5人を弾き、向かいの壁に窪みをつくる。その音に感づき、敵勢が襲い掛かる。
「どりゃぁぁぁっ!」
「おらっ!」
バーロンと僕は敵を斬り裂き、
シュンッ!シュンッ!シュンッ!
テーラはナイフを投げる。
ズドドドドド...!
ニコラスは後ろを撃ち、
「トラップ!」
とマリアは「トラップ」を発動。多くの敵を拘束、その後、ソイツらを殲滅。
僕たちはそんな迎撃を繰り返しながら、甲板への扉へ。僕は走りながら、
「魔力を解き放て!」
と叫ぶ。その瞬間、扉は吹き飛び、吹き荒れる風が敵を海の中へと吹き飛ばした。
「くっ!皆のもの、かかれぇっ!」
船長らしき者が舵を片手に叫ぶとともに、ヤツらが飛び掛かってきた。
キィィィン!ガキィィィン!キィィィン!
僕の剣、バーロンの剣、テーラのナイフがそれぞれ敵のナイフと交わった。けたたましく金属音がなるが、僕たちは構わず、武器を奮い、ナイフを宙へ。それから、僕とバーロンが相手の腹を斬り裂き、テーラは首筋をクールに斬る。
ズドドドドド...!
一方、ニコラスは連続ヘッドショット。
「エレキスピア!」
マリアは紫雷の矢でヤツらを横たわらせたり、
「トラップ!」
強く縛ったりと、色々な方法で効率良く敵を倒していく。
敵を斬りつつ、それを見ていた僕とバーロンは目配せで突っ込むことを伝え、援護も要求する。これに対して、3人からは了解の目配せが返ってきた。それを確認した僕たち2人は船長の所へ一直線。対応できる敵は斬って迎撃。
ズドドドドド...!シュンッ!シュンッ!シュンッ!
「シャイニングブレード!」
後ろからの敵はニコラスの射撃、テーラの投げナイフ、マリアの魔法で倒される。
ズドドドドド...!
「ディザスター・ブレイク!」
さらに、横からの敵は銃弾と魔法で弾いてくれ、迎撃を容易に。そのおかげで、僕たちは船長の元へ。
「どりゃぁぁぁっ!」
まず、剣を振るうはバーロン。推進力を借りて高速で回転斬りをお見舞い。辺りの敵々は腹を斬り裂かれ甲板に倒れ、船長らしき者はとっさにサーベルを抜き放ち、防御の体勢を取るが、余りの高速さにそれは海の中へ吹っ飛んでいった。一瞬の隙。僕は反射的に剣を横凪ぎにした。
キィィィィィッッッッッン!
耳をつんざくような金属音。なんと、僕の剣はさっきのサーベルに防がれていた。見ると、コイツが2本サーベルを持っている様子は無く、第一サーベルをつたう水から磯の香りがする。つまり、海水で濡れているのである。転移魔法でも使ったのか。俺は驚愕をあらわにしつつ、サーベルが振られるとともに後退。後ろではバーロンとあちらの3人がヤツらを食い止めていた。
「驚きを隠せないようだな。私のサーベルは命じることで瞬時にして持ち主の元へと戻るのだ。」
と言って、サーベルで突いてくる。僕は甲板に向けて
「魔力を解き放て!」
と叫び、魔力波で宙へ。そして、彼の後ろに降り立ち、腰を捻って首へ剣を向ける。だが、もう少しの所で相手に防がれしまう。
キィィィン!キィィィン!ガキィィィン!
それから僕たちは剣とサーベルを何度も交え、海へ落とされかけては落とそうとし、押されては押し返し、後退しては斬りにかかる。そんな繰り返しの中途、後退した僕は剣を右に広げ、突進。ヤツは右に防御の体勢を取る。僕は推進力に任せて、右から左へ。ヤツがニヤリと笑う。僕はさらに不適にニヤリと笑う。
僕の剣と敵のサーベルが叩き合うその直前。僕は剣の軌道を後ろへ変え、そのまま剣を下へと回し、左の首元へ。さすがのヤツも対処が遅れ、俺は剣を右へ。
ジャグッ!
手応えともに鈍い音。ヤツの首は跳ねられ、地面を転がり、首を失った胴はサーベルを落とした後、甲板に倒れ伏した。
船長が倒された。すると、船員たちの統率が崩れた。僕たちはそれに乗っかり、そのままヤツらを畳み掛け、やがて全滅。こうして、僕たちはヤツらの船の内1曹を奪ったのであった。




