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Episode36 あの日の男

★今回初めて登場する怪物★

ゼウスキマイラ

たくさんの光る尾を持つ、馬のような超上級召喚獣。姿はシャインズと似ているが、保有する魔術が桁違いに大きい。契約をするには一度、打ち負かす必要がある。

 そして、次の日。起きると、僕の唇に女性物の柔らかい唇が軽く当たっていた。そこで、テーラが目を覚ます。そして、2人同時に赤面して、後ろへ飛び退いた。

 「なんだ、テーラか。」

「なんだ、リドナー。」

僕たちはそう声を揃えて、胸を撫で下ろす。不可抗力とはお互いに恋人以外とキスしてまったと思ったのである。そこで、テーラの横のマリアが目を覚ました。

「どうしたのー?」

眠気眼の目を擦り、欠伸もしながら、こっちを見た。

「まさか、事後!?あんたら一体何してたの?」

彼女に悪戯っぽく言われ、僕たちは

「何もしてない!」

「何もしてないわっ!」

2人揃って必死に否定した。

 「なんだ、つまんないの。」

マリアはため息をつく。最近、彼女は悪女っぽくなって来ている。あるいは、元々で初めて見ただけなのかも知れない。

「いや、何でそうなるんだよ。」

と僕が言うと、彼女は

「だって、ついに愛の最終段階に行ったのかと思ったもん。そしてら、パーティー開けるなって。」

と言った。

 僕はもうマリアを相手にしないことにして、テントを出た。

「ま、待って!リドナー!ちゃんと、相手して!」

て、泣きわめくがそんなのは無視して、外でまたヘーミテオスに語りかけるのだが、今日も力を引き出すことは叶わなかった。


 そして、どれぐらいの時が経っただろうか。みんなが目を覚まして、ウェール湖の水で洗顔し、その内にマリアが車を出した。彼らの洗顔が終わると、僕は共に車の方へと向かった。ついでに、ウェールへ見張っていてくれたことへのお礼を言うと、

「健闘を祈るぞ、リドナーよ。」

と言った。僕は

「あぁ。」

と言って頷いた。

 「リドナー!早く行くわよー!」

車の操縦席で手を振るマリアに、僕は手を振り返し、やがてその車に乗った。すると、全員を乗せた車は町の壊れた柵から外へ出た。町の地下である計画が始めっていることを知るよしも無く、僕たちは次の陽の森へと向かい始めた。

 そして、出発から約20分がたった頃のことだろうか。僕たちを光弾の雨が襲った。僕はとっさに、

「プロテクト!ロングリーチ!」

と唱えて、車全体をシールドで包んだ。すると、その光弾は次々とそこに辺り、散っていた。マリアはブレーキを踏むと共に、車体を横にして、車を止めた。

 その頃には、もう光弾の雨が止んでおり、それが降ってきた上の方向を見た。そこには、馬のような影とそれに乗る人の影。それは飛んでもないスピードで僕に突進してきた。僕は造作も無く、自然と剣を抜き、防御の姿勢を取った。上級剣士の本能的な防衛反応である。

 だが、しかしそれであの勢いを止められるはずもなく僕は後ろへ盛大に吹っ飛んだ。それでも、僕は空中で体制を整え、両足を地面に着ける。

ズザザザザザー!

そんな音と共に、低く土煙を上げる。わずかに地面も抉られ勢いが少し収まる。それでも、まだ後ろへ後ろへと行く。

 「モールド!」

僕は自らの固有魔法を使って後ろの地面を壁に変化させ、そこに向かって「魔力解放」を行った。すると、反作用で前向きに力が働き、さらにブレーキがかかり、やがて完全に止まった。

 見ると、さっきの馬似の影から、同じくさっきの人の影が降りている。目を凝らしてみて、その正体が分かった。ソイツは見覚えのある、僕たちの知り合いであった。

 「エフィスト!」

僕がそう言うと、彼、エフィストは

「久しぶりだな...リドナー!」

そう言った瞬間、横の馬似の影が神々しく輝き、その姿をあらわにした。

 その姿とは、あの時のシャインズに似てはいるが、その輝きとそこから感じる魔力に関してはソイツを遥かに上回っており、神が憑依していると言っても違和感は無いのであった。

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