Episode15 音速の凶虫
ドーン!ドーン!ドーン!
と、遠くから何かが激突する音がした。それに、陰の森を少し離れたとこれでは、土煙が上がっている。あそこは...僕たちがいた場所!?
僕は、オニキスに、
「行くぞ!」
と言った。すると、彼が、
「言われなくても、行くわ!さぁ、乗れ!」
と、言ったので、僕は一度、剣をおさめ、その背中に乗った。
「捕まれっ!」
「あぁ。」
そう答えた瞬間、オニキスは一気に飛び上がった。あまりにも、急だったので、僕は投げ飛ばされそうになるが、なんとかこらえて、体勢を取り直すことが出来た。僕は、そのまま、オニキスの背中にしがみついた。
それから、わすが1分。僕たちは、元の場所へたどり着き、僕はたくさんの蝿に似た凶虫(であろう)に襲われているの見た。どうやら、苦戦しているらしい。
そこで、僕は、ギリシャ神話に出てくると言う、戦の神の名前から取って「アレス」と名付けた、魔剣の精霊に、
「頼むぞ、アレス!」
と言って、剣を抜いた。
「はい。マスター。」
アレスはそう返事をし、眩しく輝いた。それから、僕は聖剣士になると出来るようになると言う、ソードビームと言うものを試してみることにした。
まず、剣に魔力を流し、そこに貯めていく。満タンになったら対象に剣を向ける。そして、剣を振るとともに、先から適度な量ずつ、魔力を放つ。僕はその通りにしようとした。しかし、その適度と言うものがわからず、思わず一気に放ってしまった。形は歪だか、ヤツらを蹴散らすには十分だった。青く輝くソードビームはたくさんの蝿たちを切り裂き、かなり数が減った。しかし、まだまだいる。
ドーン!
マリアに1体の蝿が突っ込んだ。彼女はそれを紙一重でかわし、後ろへ背中から飛び退いた。それから、新たに突っ込んできたたくさんの蝿たちを見た彼女は、
「シャインニング・スルー!」
と唱えて、ヤツらを串刺しにした。
「うぐっ!」
その後、彼女は背中を地面で擦った。
テーラとバーロンは協力して、たくさん倒していた。
「やぁ!」
突っ込んできた蝿の下をくぐって、テーラが後ろに回り、2本のナイフで、蝿の羽2枚を切り裂く。そこで、飛べなくなった蝿の胸にあるっぽい核をバーロンが貫く。おそらく、巨人や他の凶虫たちもそこにあったからと予測して、それが当たったのだろう。
ズドドドドド...ズドドドドド...
一方、ニコラスはアサルトライフルを使って、1人で頑張っていた。僕は、ロンギヌスを持って彼を補佐した。彼が撃ち漏らした蝿を僕がソードビームで切り裂く。突っ込んできた蝿も0距離からのソードビームでどんどん倒していった。
こうして、僕たちは蝿たち(どうやら、タイプⅢと言うらしい)を全滅させることに成功し、マリアに「ヒール」をかけ、彼女の背中に出来ていた、擦り傷を直した。
でも、何で「インビジブル」と「ハイド・ポイント」がバレてしまったのだろう?魔力が足りなかったから?いや、念のため、少し多めに流したはずだ。奴らが、機械獣・オブザーブのような能力を持っているから?それも違う気はするが、とりあえず、僕はそういうことにしておいた。