Episode12 陰の館
★今回初めて登場する怪物★
タイプⅢ
惑星・ユミルに住む巨大な蝿。凶虫の一種。高速で飛行することが出来、主に突進によって攻撃をする。正体は、ベルゼブルと言う民族である。
■今回初めて登場する書物■
『天空の遺跡』(レベッカ・著)
昔に書かれた、オカルト本のような物。マチュ・ピチュの謎に迫る書物で、異世界の存在を暗示する記述もある。分霊の書の一種。
あれから、しばらく、歩いて、僕たちはある館にたどり着いた。その名も、”陰の館”。僕の言っていたあの陰の館だ。
「ねぇ、リドナー。本当にここで間違いないの?」
マリアが確認をとってくる。僕は、
「間違いない!ここから、邪気を感じる。」
と答えた。
「おい、リドナー。本当に感じるのか?俺にはあまり感じられないぞ。」
「私もよ。」
「僕もです。」
「私も。」
続いて、他の4人も声を揃える。
「とりあえず行こう!」
僕は、そう言う。みんなは、まぁいいかというノリでついてきて、館の書斎までやって来た。
カラン、カラン...
と、アレクが鈴を鳴らし、ラプトルたちだけを呼び、ギカントラプトルを森に放した。その内に、僕は邪気をたどって、みんなを案内する。
そして、見つけた。邪気の発生源、黒いオーラにつつまれた分厚い本。レベッカ著の『天空の遺跡』。ペルーにあるマチュ・ピチュの謎に迫る、昔に書かれた、今で言うオカルト本である。僕の前の家にも、この現代語訳版があったが、アーク事件の時に紛失してしまった。
僕はそれに指を1本だけ触れてみる。それで、何ともなかったので、僕は片手でそれを持ち、石剣と杖を抜いた。アレックスさんにさっき、教えてもらったのだが、光を宿した物で全ページを貫く、または、バラすことが出来れば、本に眠る魂は砕け、分霊の書としての役割は失われるらしい。
そこで、僕はまず剣に杖を向けて、
「光よ、帯びよ!シャイニング・テイク!」
と唱える。これにより、僕の石剣は一時的に、光を宿した。
それから、僕は『天空の遺跡』を地面に叩きつけ、光の石剣で突き刺した。しかし、かなり分厚く、石剣もそこまで鋭利ではないため1回では貫くことが出来なかった。僕は、貫けるまで、2回、3回...と、何度も刺して、やっと貫くことが出来た。
ドゴーン!
と、突如、館中に轟音が鳴り響き、
ゴゴゴゴゴゴ...
と何かが沈む音もし始めた。まさかと思って、窓の方を見てみると、案の定、空がだんだん遠くなっていた。僕は、
「テーラ!窓にあそこの窓をナイフで割ってくれ!」
と言った。
「オーケー!」
テーラはそううなずいて、投げナイフで窓に穴を開けた。それを確認した僕は、みんなに触れ、ラプトルたちにも触れ、
「モーメント!」
と、唱えた。すると、瞬間移動が行われ、窓から館の外へ脱出することが出来た。僕たちは、ため息をついて、地面に倒れ込んだ。
「これが、ドュンケルの細工って奴?」
僕はそう聞く。すると、
「さぁ。」
みんなにそう返された。
そんな、僕たちを空から、ある凶虫が見ていた。赤の複眼に、黒の巨体、分厚く透明な2枚の羽。それは、まるで巨大な蝿のようだった。




