Episode11 トロールたち
★今回初めて登場する怪物★
トロール
棍棒を持った巨人。人間に比べると遥かに劣るが、知能がある。タイタンの進化形と言っても過言ではない。陰の森のトロールはベビートロールとよく行動している。
ここは陰の森。ここには、アレクの相棒のラプトル5体と、ギガントラプトル1体が放し飼いにされている。襲われる心配はない。が、この森に昔からいるトロールたちなどには襲われる可能性がある。
そこで、僕は、石板型通信器でアレックスさんに電話をし、
「アレクを呼んでください。」
と伝えた。すると、彼は、弟を僕たちのいる座標に転移させてくれた。それから、僕はアレクに、
「あの鈴でラプトルたちを呼び出してくれ!」
と頼んだ。彼は、
「うん。」
と、うなずいてからポケットから鈴を出した。
カラン、カラン...
その鈴の音とともに5体のラプトルが先に現れ、しばらくして、ギガントラプトルも現れた。それを見たニコラスは、ポケットから弾倉を取り出し、腰のアサルトライフルにさして、リロードを行い、恐竜に銃を向けた。僕は、首を横に振りながら、それを止めた。
「大丈夫だ。何もしなければ、絶対に襲ってこない。」
と言って。
それから、僕たちはアレクを連れて、陰の森の奥へ進んだ。その途中、バーロンが遠くのトロールに目を合わしてしまった。彼は、
「すまん!」
と言って剣を抜いた。続いて、僕たちも武器を抜いた。そんな僕たちを見るなり、トロールは吠えた。あなタイタンと違って、トロールには人間と比べて、遥かに劣るが、一応、知能がある。その吠え声につられて、大量のトロールと、ベビートロールまでが現れた。
「僕とバーロン、テーラ、マリアでトロールたちを倒す!ベビートロールはアレク!それに、ニコラス!頼んだぞ!」
と、僕は2人にそう伝え、
「バーロン!テーラ!マリア!行くぞ!」
と言って、4人でトロールたちの相手をすることにした。
僕とマリアは、それぞれ1体のトロールに向かって、手をかざし、
「汝よ、誘導されよ!インダクション!」
唱えた。すると、その2体はこちらに向かってきた。僕たちは、それを他のトロールたちにも何度か繰り返し、全てのトロールをこちらに誘導し、4人で討伐にとりかかった。
ドーン!ドシーン!ダーン!ドゴーン!バコーン!
トロールたちが地面を殴り、踏みつけ、木をなぎ倒す。僕は、すぐさま3人に触れ、瞬間移動で退避した。続いて、トロール1体を対象にして、「インダクション」を唱える。すると、作戦通り1体だけが棍棒で首のあたりを守りながら、こちらに突進して来た。核はそこか!僕は、ソイツに向かって、「クロスカリバー」を唱えて、棍棒ごと核を貫いた。
3人を見てみると、僕と同じような作戦でトロールたちを1体ずつ倒していた。マリアが「インダクション」で誘導し、テーラが投げナイフでソイツの両目の視覚を奪い、「スピードウォーク」をかけてもらったバーロンが高速で両足を切り裂き、動きを封じる。そして、倒れてきたところをマリアが「シャインニング・スルー」で突き刺す。その方法で、彼らは何体も倒したようだ。それを見ながら、僕も負けじとトロールを倒し続けた。
と、その頃、アレクとニコラスは、召喚したベビートロールと、アサルトライフルで頭を狙い続けてけていた。アレクのベビートロールが動きを封じ、ニコラスがアサルトライフルで頭をぶち抜く。また、ギガントラプトルがはヤツら踏みつけたり、噛み付いたり、ラプトルたちは1体が噛みつき、残りの4体が飛び付く。そんな方法でベビートロールたちをかなり倒してくれたので、僕たちがトロールを全滅させ、応援に向かった頃には、かなり量が減っていた。
これを見て、僕は多機能型電磁砲が使える!と、思った。そこで、僕はわざとベビートロールたちの中心に行き、そこにいたアレクとニコラスを瞬間移動で外に出してから、もう一度、そこに戻った。
そして、リボルバーを「電子機関砲」に合わす。そして、
「食らえ!電子機関砲!」
と叫び、電磁砲の先をベビートロール1体1体に向けていき、残りのベビートロールたちを一気に蹴散らした。
こうして、僕たちはトロールたちの討伐に成功した。そして、僕は確かに感じたのだ。アレックスさんの言う、”邪気”らしき瘴気を。森の奥の方から。
僕は、
「行くぞ!陰の館があるかは分からないけど、この奥に”分霊の書”がある!」
とみんなに伝える。すると、テーラが
「リドナーが言うなら行く価値はあるわね!」
と言った。それを聞いて、みんなもうなずいてくれ、ともに森の奥へと走り始めた。