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第150話 そんなことを言われても

「まあ、それはさっきも言ったけど社交辞令というやつで」


「本当に?」


「はい、本当です」


 ルキアはあきれ顔だった。


「そうですか。なるほど、そうだったんですね」


 ルキアは呆れ顔から落胆の表情に変わった。


「それで、戦争を起こした理由は結局なんなんだ?」


「判りませんか?」


「判らないから聞いてるんだ」


「ただの復讐と言えばそれまでのことです」


「復讐?なんの復讐なんだ?」


「私を捨てて居なくなった方への復讐ですよ」


「捨ててって、俺たちは何の関係でも無かっただろうに」


「私は貴方の求愛を受けるつもりでした」


 なんなんだよ、それは。俺なんかの誘いをマジで取る奴なんかいる筈が無いと思うじゃないか。


「求愛て、そんなつもりは」


「無かったと仰るのですね」


「ああ、そうだ。本気で誘っていた訳ではないし誰も本気に取っているとは思っていなかった」


「そんな」


 ルキアは、いや神崎美幸は十分可愛い顔をしている割には恋愛経験のない女性だったのだ。奥手と言ってもいい。


 中学校以来告白されたことは多々あるのだが一度も応じたことが無い。付き合う、ということが自分の中ではイメージできなかったのだ。


 そのまま30代後半まで来て、やっと勇気を出して優しそうな年上の男性からの誘いに乗ってみようと一大決心したのに、相手がそのまま消えてしまった。


 美幸は失意で食事も喉を通らなくなり、そのまま体調を壊して病死したのだった。


 その転生した美幸ルキアの前に初めて誘いに乗るつもりだった相手沢渡幸太郎が元のままの姿で現れた。そして自分には勿論気が付かないで、またどこかに行ってしまった。

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