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【第一部完】生まれ変わったら飛べない鳥でした。~ドラゴンのはずなのに~  作者: イチイ アキラ


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第100話 閑話 ガチンコ。

 まだ旅が始まったばかりの頃。

 旅が始まって。


 お腹がすきました。

 私のじゃなく、お供の。

 そして私の拾い主――白銀冒険者のロザリーさんの。


 始めの、そう旅の始まりのころは私の冷蔵庫――空間の使い方がわからなくてね。


 お空が青いなぁなんて現実逃避できたらね。

 現代ならばお金さえあればコンビニやそのあたりの飲食店ですぐに何かしら買えるのだけれど。

 この異世界では、さ。

 決してロザリーさんが無計画なわけじゃありません。

 彼女も携行食をきちんと持っていたんだけど、やっぱり飽きるわけです。

 ガロンはお肉が、ゼノンは果物とかがやっぱり好きらしいけど、幸い二人とも雑食。だからロザリーさんのお手持ちの干し肉とかビスケットみたいなので食いつないで来たけど。

「次の街まで三日くらいかなぁ」

 冒険者ギルド発行のかなり正しい地図をロザリーさんはお持ちだ。

 そして私たちの移動は基本徒歩だから。

 ハウンドウルフのガロンに運んでもらうって手もあるけど――それ、ガロンだけに負担が。

 腹ペコ状態の彼に申しわけないわけで。

「しかしおかしいなぁ……」

 ロザリーさんが首を傾げ。

「どうしました」

 私はロザリーさんのリュックに載せてもらっている。一人だけ歩幅もスピードも違うので。一人だけ楽して申しわけない。子猿のゼノンも頑張って……いたんだけど、今はいろいろ疲れちゃったみたいで、ガロンの背中に。

 オオカミ種のガロンが!

 これ、ロザリーさんに説明してもらってびっくりした。本来オオカミ種の魔物はとてもプライドが高く、背中に載せることは――しかも他種族の子供を。

 私は憧れの映画、あれもまたそうしたところがあったのではないかとまた深みを感じたり。

 でもガロンは「同じドラゴンのお供ですゆえ」と。

 大人だ……紳士だ……。

 オオカミ種でもプライドより大事なものがあるときちんと理解していると。

 でもこれ、ガロンが珍しいタイプでもあるらしい。ガロンの同じ種族でも、そらもうプライドエレベストってくらい、同じオオカミでも頭痛いのがいたらしいので。

 私はお供になってくれたのがガロンで良かったと思うべきなのかも。


 ガロンが人間に捕まっていたのは、その頭痛い奴が関係もしていたらしいけど。仲間を護るために殿をつとめたりしていたからだとか。

 旅の中で、少しずつうちとけてお話し聞いたりしました。


 ちなみにゼノンは迷子になったところを、さらにうっかり捕まったらしい。

 ……そら、お家わかんないよね……。


「おかしい」

 ロザリーさんが首を傾げているのに私もつられて。

 おかしい、とは?

 ロザリーさんは私の問いかけに彼女自身も不思議だと答えてくれた。

「静かだなぁ、と」

「静か?」

「うむ、いつもならこんな街道から外れた道を歩いていたら魔物に襲われそうなものだが……」

 人間には襲われたけどね。

 盗賊をぺっと撃退したりしつつ。

「だけどこの数日、魔物や獣に遭わないな、と……」

 だから狩りができないなぁ、と。

 それでガロンもお腹すいてるのですものね。

「へぇ、そうなんですか……」

 不思議だなぁ。

 まだまだこの世界に不慣れな私は――ドラゴンの自覚薄い私は、この時、解っていなかった。


「……あのぅ」

 お供となってくれた魔物二人が。

 彼らは、魔物な自分たちがいるから整備された道を歩けないと遠慮していたから。だから申告がこの日まで。

 整備された道だと人間とすれ違っちゃったりして大変なんだよね。ロザリーさんが慌てて白銀冒険者の偉いプレートを掲げて「テイムしております!」てことにしてくれて事なきをえたり。なかなか大変。

 とくにハウンドウルフなガロンが目立つ。実は割と高位魔物らしいから。

 そんなガロンが本当に申しわけなさそうにロザリーさんと、その背中のリュックにいる私に――ドラゴンに。


「……魔物は、我らが主の気配に逃げておりますれば」


 ……。

 早く、言って。

 そういえば私のドラゴンの気配でゴブリンが慌てふためき恐慌状態になって逃げたんだっけ……。

「……あ」

 って、ロザリーさんも思い出して。

「いや、ほら。魔物に出会わないのはありがたくもあるからな。な?」

 それは確かにありましたけれども。野営のときとか、本当に。

 でも、ガロンのご飯ー!


 そうして何とか。

 私、省エネ覚えました。

 胸にある兄上さまの鱗にも「鎮まりたまえー」てお願いしたりね。


 ドラゴンの気配。

 他の魔物たちが逃げだすほどの。

 まさかこんなふわふわもふもふのちっこい塊にあるだなんて。


 自分でもまたびっくりでした。


「まあ、すごいことなんだから」

 道具も何もなく魔物が避けるのは、本当に。人間の冒険者であるロザリーさんには本当に助かると慰めされて。


「よし、謎もとけたことだし昼メシにしよう!」


 ロザリーさんはちょうど川に着いたところで提案してくれた。


「久しぶりに魚が食べれるぞ!」


 そう慰めてくれる。

 川……え、釣り? 釣るの?

 キラキラと陽に輝く川には確かに魚影が。この世界、自然はしっかりしているから――自分のいた世界よりそういうところは良いなぁとも感じる。

 でも、自然あるのになんか乾いているような……不思議な世界。

 本当に不思議。


 私がふわふわな身体でふわふわとしたことを考えているうちに、ロザリーさんが準備を終わらせていた。


 肩をぐるぐる回して準備運動を。


 ……準備運動?


 え、釣り竿や針は、と私が尋ねる前に。


 ――ゴッ!


 その瞬間、後から遅れて音がきた。

 それはロザリーさんがその素晴らしい投球フォームで投げつけた石が川の石にぶつかり衝撃が響いたのだった。


 そして……ぷかぁと、気絶して浮かんでくるお魚さんたち。


 ガチンコ。


 いやそれ、私も知ってたけど! 現代日本では怒られる漁法だけど! いやここ日本じゃなかったわ!? だからいいのかしら朝ドラで怒られてるひとがいたりして満腹ー!?

 

 でもロザリーさんのは電撃や爆薬じゃなかった。


 ガチで、ガチンコ、だった。

「昔世話になった冒険者の先生から、お前ならできると教わった」

 そのひとは冒険者を引退するときに様々なことをロザリーさんに教えてくれて、御愛用の鉈まで譲ってくださったのだとか。

 その衝撃波漁法。ロザリーさんのこと良く理解なさった良い先生だったそうで。


 それがロザリーさんが白銀冒険者をソロでできるほどのことなのだと。私はそれからの旅で知っていく。

 今はガロンやゼノンが集めてきてくれた枯れ木で焚き火で魚焼きつつ。

 旅では、ロザリーさんの漁法知ったガロンが同じように魚獲ってくれるようになったり。衝撃波は彼の方がお得意だったから。

 称え合うお二人。

 私とゼノンがそのあたりはちょっとドン引いたり。まあお察し。すみっコでぶるぶるだよ。


 ……そんなぶるぶる仲間のゼノンが、成長したら糸の技まで成長して魚取るのも、そう投網とか、罠とか……お上手になるまでそんなにかかりませんでした。

 魚、取れないの、私だけ、でした……うん。

 ペンギンなのにぃ!!?


 

 そして今日から始めた省エネで。

 それでハーピーさんに苦労かけちゃってたとは思いもしてなかった。

 すべて解るのは半年後。


 世界が乾いていると感じていた不思議も――。




 過去に熊の心臓射貫いたりね。

 タキ、実はハーピーたちのおかげで命拾いしていました。

 そのあたりは詳しくは……まだまだもう少し先のお話。

 

 朝ドラも好きです。

 あのラーメンのが一番好き。


 でも現代日本ではガチンコ漁、だめですから。ロザリーさんは、ここは異世界ですので。

 尊敬してやまないとんでもスキルさんだとビリ漁なんでしたな…アニメ大好き。腹減り。


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