06. くそ小娘 - 1
レミーは私が舞台に立つことを宣言した後,自分がアピールするためのコンセプトをつかんでいった。 藤井はS&Mにこの事実を知らせてオープンチャットルームを麻痺させたと、私にメールを送った。 S&M、いやこれからはSMKに変わるあの小娘集合所は、会長小娘、神坂 紬愛を筆頭に、グッズから派閥分離まで、休む間もなく動き回っていた。 私が出る日だけを首を長くして待つなんて自然と胸がむかむかした。
私は決断して後悔したまま、ベッドで無茶苦茶な駄駄をこねた。 姉さんに疑いをかけられないように、そっと身振りだけをしていた。 私にとって状況を楽観的に見ることは容易ではなかった。 何よりもあのもどかしい野球キャップとマスクを常時着用しなければならなかった。 レミー代表の学生たちはマスクについて懐疑的な見方をしていた。 しかし藤井が強くアピールした点と高橋の好意的な反応が加わってそのまま終わってしまった。 それ以来、姉は家に帰るたびに、レミの事ばかり私に言い続けた。 一緒にソファーに座っている瞬間も、レミーに関する話題だらけだった。
『今週の金曜日から舞台で司会をするの?』
『うん。気が進まないけど、うまくやれるかな。』
『公延は何でも頑張るから。 うまくできるよ!』
姉は明るい笑顔で私に強い信頼を持ってくれた。私はすぐに舞台で何ができるのか疑問だらけだった。 口頭によるノウハウだけでは、舞台感覚を再現することができなかった。 だからこそ、私は自分だけのコンセプトを生かして舞台に披露しなければならなかった。 言葉では簡単だが、思いつくことがなく、頭だけが痛くなってきた。 その時、テーブルに置いておいた携帯電話にメールが届いた。 私は最初のページを見て、どんな内容かを簡単に確認した。 照れくさそうな顔ですぐ本窓に入り、メールの内容を調べてみた。
【お久しぶりです、先輩! 週末なので、明日あの服を買いに行くことちょっと付き合ってもらえますか? ご飯は私がおごります!】
【パッと見ても私ポーターにするつもりじゃないか。 やだ。】
【えぇ~融通が利き過ぎですね。私はただ話をするパートナーを探すんです。明日本当においしいものおごるので一緒に過ごしましょう!!!】
藤井の提案があまり嬉しくなかった。 私は携帯を裏返してソファーに腰を下ろした。 しかし、藤井は私に文字メッセージを送り続けるたびに、お知らせの音が居間のあちこちに響き渡った。 姉は不思議な視線で携帯を見つめた。
『誰?』
『知り合いの後輩なのにうるさいね。 ちょっと部屋に入っているよ。』
私は急いで部屋に入り、ベッドに携帯電話を投げ捨てた。 部屋から出ようとした瞬間、それでも藤井のメールは続いた。 このままでは月曜日にけちをつけるに違いなさそうだった。 私は到頭お手上げになった 送るメールにしばらくためらったが、最初から首を回して送るボタンを押してしまった。
【わかった! 代わりに舞台感覚関連で話すんだ。】
【良かった! 先輩、ぜひ来てください。 明日朝10時までにライムポートパークへお越し下さい】
【オッケー。だからメール送るのはもうやめてね。】
私は軽く息を吐きながら、携帯電話を机に置いた。 最近になって、藤井が「私に接近する頻度が幾何級数的に増えた」と実感した。 レミーに入って以来、藤井が私に気を使う日が来るとは夢にも思わなかった。 もちろん、私が包容的に行動することもあり、藤井と対話を交わすのは決して嫌ではなかった。 ただ、藤井がS&Mの情報源であることのため、S&Mに関する考え方がついてきて、不便なだけだった。
翌日,待ち合わせの場所であるライムポートパーク付近に到着した。手には携帯電話を持ったまま、藤井の返事を待っているところだった。 向こうの横断歩道に青信号が灯り、遠足の準備に乗り出した家族が楽しそうに会話する姿が見えた。 しばらくして、チャットルームに書いているところという掲示板が現れた。
【おはようです!私今シャルルアウトレット地下1階ブランド通りの方にいるのでエスカレーターの方で待っています!】
「?」
私はすぐにライムポートパークの右前にシャルル·アウトレットの建物を眺めた。
【おい…なんで場所が変わったんだ?】
【待ち合わせ場所はそこなので先約がちょっと遅れて…先輩に来てもらえないでしょうか?】
私はとても話を続けることができなかった。 隣のビルの地下1階で、どんなことをするか目に入ったためだ。 直感に従って私はシャルルアウトレットに入り、近くのエスカレーター付近に背を向けていた藤井を見つけた。 藤井は、私を見るや否や、手を振って歓迎してくれた。
『先輩、よく訪ねてきますね!』
『迷惑じゃないか。なんでここにいるの?』
『ひひ!とにかくようこそ。 隣にあるこのカフェで少し休んで行きましょう。』
カフェに入ってすぐ、私はキャップとマスクを脱いで額に冷たい汗をナプキンで拭いた。 私が理性を取り戻した頃、濡れたナプキンがテーブルにたくさん積もったのを発見した。 私は恥ずかしさのあまり、両手でナプキンを集めてテーブルの隅に置いた。 これを見ていた藤井は、私に向かってへらへらしていた。 私はキャップをはめるが,マスクはあごの縁でこの状況について不平を言った。
『私のコンセプト、率直に言って非常に不便だ。 あの小娘のせいで、 なんで僕がこうしないといけないのか。』
『それじゃ、脱ぎ捨てればいいじゃないですか。』
『言葉は簡単だよ。ここにも紫色の腕章が出回っているかもしれないじゃないか。』
そのとき注文したコーヒーと飲み物が私たちの前に届いた。 店員さんは私の前にアイスティーを、藤井の前にホイップるフラペチーノを渡した。 私はのどが渇いてすぐにストローでアイスティーを吸い込んだ。 あっという間にグラスは底をついてしまった。 一歩遅れて藤井が私をじっと見ていることに気づいた。 私は恥ずかしさのあまり、目を避けてナプキンで口元を拭いた後、注意深く顔をそむけて藤井と対面した。
『とにかく君のところに来た理由は、近いうちに舞台についてのことだから。 念頭に置いてるよね?』
『当たり前です。特に紬愛ちゃん先輩を本当に楽しみにしています。』
『くそ小娘、大いに幅を利かせていたよ。』
だれがなんと言おうと私はくそ小娘を蔑視するだけだった。それでもくそ小娘が私をもっと好きになるという考えにいらだっていた。 好感が冷めてほしいが、最近の行動を見ると、どうしても答えが見えなかった。 藤井は、このような自分の心情が分かるにもかかわらず、状況をより楽しむのが常だった。
『今日、先輩が喜ぶS&M情報を持ってきましたが、服を選んだ後にお知らせしてもいいですよね?』
『今のうちに知らせてくれ。 見たら、まだフラペチーノの半分も 飲んでないじゃない。』
『コーヒーはそのままにしておけば、店員さんが勝手に片づけるじゃないですか。 そろそろ帰りますね。』
『ちょっと待って!本当に残して行くの? 飲まなければこっちに出せ。』
私は素早くフラペチーノを移動し,アイスティーで使ったストローを差し込んで飲み始めた。 コーヒーの奥深い香りがしていなかったが、そのままにしておくともったいないという思いが先走り、グラスをきれいに空けてしまった。 ナプキンで口元についたホイップクリームを拭いたころ、藤井が領収証を持って私に近づいてきた。
『勘定終わったから、もう行きましょう。』
私は再びマスクを上げて、藤井に向かって軽く頷いた。 カフェを出て藤井は、本格的に服ブランドの売場を歩き回り、「ショッピング」に夢中になった。 私は、後をついて回りながら、服への反応や着こなしの手助けをする役割を引き受けた。 最初は私も服を見るのが楽しくて気分よく通ったが、時間が経てば経つほど、どうして藤井が人を呼んだのか大まかに知ることができた。 藤井の言う通り、買う服は多くなかったため、荷物が多くなかった。 しかし、藤井は服の決め手にしつこいあまり、あちこち何着かの服を着ながらも、きちんと購入した服は数着にもならなかった。 それで、ついて回っていた私も顔色を伺って萎縮したまま、職員の視線を避けていた。 もう一つの問題は、藤井が一つにハマれば最後まで売るということだった。 今ある地下1階はもちろん、1階から3階まで周辺の服売り場という売り場を休まず歩き回った。 私は足がだんだん重くなるのを実感した。 およそ2、3時間を歩いた末に藤井が買った服はわずか5着。 そこに2つのショッピングバッグだけですべての服を入れることができるので、荷物はかなり軽い方だった。 しかし、私はもはや衣料品売場を見回ることはできないという考えだけだった。 私は藤井の荷物を代わりに持ちながら、かろうじて足並みをそろえた。
『藤井!もうちょっと見ないで何か食べに行こう。 私、大変だよ···。』
『じゃそうしましょう。それでは先輩が好きなものを食べに行きましょう。』
『いや、ただお前が食べたいものでもいいから、お願いだよ。 早くお腹を満たしたい。』
『それじゃ、待ち合わせの場所に決めたグルメ店に行きましょう。 先輩もとても喜ばれるでしょう。』
『そうだと思う。』
シャルルアウトレットからライムポートパークまで、道が遠くて本当に良かった。 到着したのは地下1階のトッポッキ専門店のような感じのレストランだった。 昼食時間がかなり過ぎたのに、かなり多くの人がテーブルに座っていた。 私と藤井は、人込みにまぎれた空席で、やっと腰をおろした。 藤井は座るやいなや、社員に色んなメニューを注文し始めた。 私はテーブルの内側に紙袋を置き,すっかりぐったりしていた。 それでもカフェで話されていた話題が、ずっと頭の中に残っていた。
『藤井、こんな風にしてくれたからもうちょっと言ってもいいんじゃないか。 さっきS&Mに関する情報があると言ったじゃない。』
『先輩、それを言ってあげたいのはやまやまなんですが。』
『なんで?こうやってくれたじゃん。 食べ物が出る前に先によくなりそうな序論でも言ってくれ。"
『私の話を最後まで聞いてください。』
藤井は不機嫌そうにどこかを指さした。 私もまたそれにそって顔をそむけた。 そして、どうして藤井が私にそんな顔をしたのかが分かった。 少ししか離れていない席に座った小娘たち、右腕にはS&Mと書かれた紫色の腕章があった。
『どうしても食べ物の確保ができないと思いまして』
『なんと…』
私は身なりを整え、遠く離れたS&Mに緊張を緩めなかった。 藤井が注文したトッポッキセットが出た後、私は小娘たちを注意深く観察しながら顔色を伺うようになった。
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