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彼と彼女たち  作者:
エピソード 3
36/37

花見 3

「ところで、唯とお兄さんはどこに行くの?」


 亜季ちゃんが唯に向かって問いかける。


「これから買い物に行くの」

「そうなんだー。唯はお兄さんと仲良しなんだね」

「うん! お兄ちゃん大好きだからね!」


 そう言って俺の腕を取って組んでくる。

 ヤバい! メッチャ恥ずかしい。でも嬉しい。

 そんな光景を見て二人も顔を赤くした。特に籃ちゃんなんかはトマトのような赤さだ。こういうのに免疫がないのかもしれん。


「いいなー、あたしもこういうお兄ちゃん欲しいよ~」

「……羨ましい」


 二人が羨ましそうな目で俺らを見る。

 唯はそんな二人を見て終始ご満悦だ。


「でもでも。こんなに格好いいお兄さんなら、彼女の一人や二人いてもおかしくないよね?」

「…む?」


 亜季ちゃんの放った言葉に唯が眉をひそめる。


「…確かに、お兄さんはイケメンだから……他の女子、放っておかないと…思う」


 そこにだめ押しの籃ちゃんの一言で、一気に不安になったのか唯が腕に組んだ力を更に強くする。

 そして上目遣いで俺を見てくる。


「……お兄ちゃん、彼女……いるの?」


 唯のウルウル光線が俺の心をい抜く。

 うわぁ! やめてくれ。そんな目で俺を見ないでくれっ‼


「…い、いないよ…」


 なんとか平静を保ち、そう告げる。

 それを聞いた唯は一転向日葵のような笑顔を見せた。


「よかったぁ」


 そしてギューッと腕にしがみついてくる。



 …ふう、やれやれだ。



「お兄さん、彼女いないんですか?」


 そこに亜季ちゃんが問いかけてくる。

 一体なんだと言うのだろう。


「ならなら、あたしが彼女候補になってもいいですか?」


「……は?」

「……はぁ!?」


 俺と唯の声が綺麗にハモった瞬間だった。


「な、な、な、何、言っちゃってるのかなぁ?」


 唯が壊れかけのラジオのような声を出す。地味にホラーだ。


「だって、こんなイケメンなお兄さんなら、彼女になりたいと思うのが普通でしょ?」


 何が普通なのか、それがわからん。

 ていうか、君と会ったのほんのついさっきだよね?


「だ、だ、ダメです! ダメなんです!」


 遂に唯が暴走をし始めたぞ。これは厄介になった。

 俺と同じ気持ちなのか、それまで傍観していた籃ちゃんがゆっくり動き出す。


「……てい!」


 ポコッ


「あいたっ!」


 背後に回った籃ちゃんが、亜季ちゃん目掛けてチョップをかました。


「…亜季、唯を苛めちゃダメ」

「あぅ…、頭いたい~」


 頭を抱えその場に蹲る亜季ちゃん。

 一方の唯は半泣き状態だ。俺は唯の頭を優しく撫でて落ち着かせる。


「…それに、亜季は彼氏いるんだから。……浮気、ダメ」

「彼氏いるんかいっ‼」


 思わずツッコミを入れてしまう。


「うっ……バレたか」


 ばつが悪そうな亜季ちゃん。


「…とにかく。二人の邪魔しちゃ悪いから、もう行くよ」

「あぁ、待ってよ」


 そう言い残して、さっさと立ち去ろうとする籃ちゃんを亜季ちゃんが追いかけていく。


 そして残された俺ら二人。非常に気まずい雰囲気のまま、忘れかけていた買い出しに向かうことにした。
















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