第32話 披露
次の日になり家族全員が集まった。
「ラファルエル、本当にファルエルは魔法が使えるようになったのか?」
「そうみたいです。僕もまだ見てはいないんですが、今日みんなにお披露目してくれるそうです」
「そうか、遂にファルエルが魔法を。うううっ本当によかったな」
みんなが集まったので早速外に出て俺の魔法をお披露目する事になった。
ママが俺の魔法は威力が大きいと言っていたのでまずは『アブソリュートメア』は控えておいて『ブラックバースト』で行ってみようかな。
「それじゃあみんなやってみるね」
「ああ、頼んだぞ。楽しみだな」
俺はみんなに詠唱が聞こえないように小さな声で
『ブラックバースト』
と唱えた。
光が集約して空中で爆発を起こした。
俺が暗黒魔法を唱えた瞬間、空中に光が集約して爆発した。
「ズドドォ-ン!」
爆音を伴い爆風がみんなに降り注ぐ。
「・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・」
ん?なんだ?誰も声を発しない。
どうしたんだ?ママが期待を持たせすぎてみんながっかりしたのか?
やっぱり『アブソリュートメア』を使っておけばよかったかな。
「あの〜。どうかな」
「あ、ああ、あああ、うん。そうだな。使えるのは1種類なのかな」
「ううん、いくつか使えるみたいだよ。全部は試してないけど」
「そ、そうか。それじゃあ他にも試してもらってもいいかな」
「うんわかった」
よし、今度こそ期待に添えるよがんばろう。
『アブソリュートメア』
光が集約して先ほどよりも大きな衝撃と爆音が走る。
「ズガガガガーン!」
流石にこれなら期待外れということはないだろう。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
どう言う事だ?結構会心の魔法を発動出来たと思うが、なぜか反応がない。
「あの〜。どうかな?」
「あ、ああ、あああ、ああああ。すまん。ママはこの事を知っていたのが?」
「い、いいえ。規模が大きいのはわかっていましたがこれは・・・・」
「ファ、ファルエルちゃん・・・・」
「なんて事だ・・・・」
「・・・・・・・・・・・」
「信じられません」
この反応は一体何だ?
俺が魔法が使えた事がそんなに信じられないのか?
それは2年半一切使えなかったのが急に使えるようになったら驚くのもわかる。
だからと言ってこの反応は少し傷つく。
「あの〜。こんな感じなんですけど」
「ああ、あああ、すまん」
「あ、ああファルエルちゃんごめんなさいね」
「ファ、ファルエル。今のは本当にファルエルが?」
「やはり天聖に、いやすでに天聖確定か」
「ファルエルちゃんやっぱり神の・・・」
「こんなの見たことない・・・」
ん?反応がおかしい。期待外れの反応かと思ったがどうも違う。
「ぼく何か悪いことした?」
「いいやファルエルは何も悪くない。むしろすごすぎる」
「ファルエルちゃん。ママ驚いちゃて声が出なかったの」
「ファルエル、一体さっきの魔法は何だ?」
「グランパ何だとはどう言う意味?」
「そうか、ファルエルは他の魔法を見た事がないのか。それじゃあワシの魔法を見てみるか」
「うん」
「それじゃあ、しっかり見ておくんだぞ『ファイアーブレイズ』」
炎が巻き起こって周囲を焦がす。
「どうだ?」
「うん、炎の魔法だね」
「いやそう言う意味じゃない。ファルエルの魔法と比べてどうだ?」
「う〜ん。光と炎だから比べにくいけど、ぼくの魔法の方が大きいかなあ」
「ファルエル。大きいかなじゃない。ものすごく大きいだ。比較にならない程大きいだぞ」
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