第33話 天聖
「ファルエル、ワシとファルエルの魔法はな、物凄く違うんだ。全然違う。わかるか?」
「炎と光だから?」
「いや、違う。根本的な魔法の威力が違いすぎる。ワシも魔法にはそれなりに覚えがある。ファルエルのママなどは、その昔、魔法の神に愛されているとまで謳われたほどだ。だがしかしママの魔法ですらファルエルの今の魔法の前では霞んでしまう。ファルエルの魔法はワシが今まで見たどの魔法よりも凄い。凄すぎるんだ」
「うん、そうなんだ・・・・」
「ファルエルちゃん、これがどんなに凄いのかよくわかってなさそうね。多分ねファルエルちゃん、この天界でファルエルちゃんの今使った魔法以上の魔法を使えるのは恐らく10人もいないと思うわ。もしかしたらファルエルちゃんが一番かもしれない。ママの使える最高位の魔法でも及ばないのよ」
「えっ、そんなに?」
確かに前世で使っていた『アブソリュートメア』に比べると随分と威力が増しているのは感じていた。
ただ、ママの『ホーリーボール』もかなり凄かったので聖魔法は総じて凄いと思い込んでいた節はある。
「ファルエル。流石だ。流石私の孫だ。3歳にして既に天聖となるのが確定しているとは。それにしても私はファルエルの努力が報われて本当に嬉しい。私の孫は天界で一番努力していた。やはり神はファルエルの事をしっかり見ていたんだな。ファルエルは天剣にもなれる器だ」
「グランパパ、さっきから天聖って何の事?」
「ああ、天聖とはな、この天界で一番強い、天界を統べる天使の事だ。つまりはファルエルのことだよ」
いやグランパパ、それはいずれ天界を統べたいとは思っていたが、今の俺は天聖なんかじゃないぞ。しかも3歳児の俺が天界で1番強いなどあろうはずがない。どう考えてもパパやグランパの方が強いだろう。グランパパの過大評価が行き過ぎてる気もするが、嫌な感じはしない。
「グランパパ、それはないんじゃないかな」
「いや、間違いない。3歳にしてこの力、そして誰にも負けない努力ができる。そして博学さ。ファルエルが天聖にならずして誰がなると言うんだ。いやファルエルしか考えられない」
そこまで評価してくれるのは嬉しいが流石に身内贔屓がすぎるだろう。
「いえお義父さん。僕も今のファルエルの魔法、そして今までの行動を見てきて確信しました。ファルエルは
神の生まれ変わり、そして天界の宝。天聖となる事を宿命付けられた子供です。おお〜ファルエル、僕の子供に生まれてきてくれてありがとう」
「そうね。ファルエルちゃんを見ていると努力って必ず報われると信じられるわ。私の子供に生まれてきてくれてありがとう。シルフィールの事も本当に良くお世話してくれて、シルフィールも素晴らしいお兄ちゃんを持って本当に幸せね」
この過剰なまでの身内贔屓には不安を覚えるが、パパもママも俺が生まれてきてくれてありがとうと言ってくれている。
「パパ、ママ僕も2人の子供として生まれてこれて本当に嬉しいよ。僕を産んでくれてありがとう」
悪魔の時には一切感じた事のない感情だが、本当にこの2人の下に生まれてこれてよかったと感じる事ができる。そしてこの6人と家族になれて本当に良かったと思う。
それにしても俺の家族は俺をよく神の生まれ変わりと間違う。俺は悪魔の生まれ変わりだと言うのに。まあ悪魔神と言うのも悪くはないと思うが。
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