腕試し
ルーク達は草原の道を歩いていた。
「スフィア、その天上界へはどうやって行くんだ?」
「天上界へは列車を使って行きます。上級の天使なら飛んでいけるんですが、私みたいなまだひよっこの天使は飛んで行けません。翼もあまり大きくありませんし・・・」
「!スフィア、翼あったのか?」
「ええ、ありますよ!見てみますか?」
「ちょっと見せてくれ!」
スフィアは服を少しだけ脱ぎルークに背中を見せた。スフィアの雪のように白い背中からぴょこんと小さい羽根が生えている。
「どうですか?」
「おお・・・あった。」
「?どうしたんですか?」
ルークは年頃の女の子の背中を見て赤面していた。
二人は天上界へと行くため列車を目指して歩き始めた。その列車はハルピトという街の滝の近くにあるらしい。二人はまずはアルピトを目指し始めた。
「その天上界へ行くのに列車があるとは。
ちゃんと設備が整っているんだな。」
「ふふ、そうですね。どんな天使でも天上界と人間界を行き来出来るようになってます。アルピトの街の近くだけではなく他にも世界のいろいろな場所にあるんですよ!」
「凄いな、天上界!」
ルークは天上界のシステムに感動していた。
「あいつらが新しい契約者達か・・・」
「そのようみたいね・・・」
「少し腕試しをしておくか・・・」
男たちは木の上からルークたちの目の前へと飛び降りた。
「!?」
ルーク達は目の前に急に人が現れ驚いた。
謎の男たちはルーク達に向かって喋り始めた。
「お前たちが新たな契約者か。俺の名前はクーエルだ。」
「私はレリスカよ。よろしく。」
「急で申し訳ないが君たちの実力を知るために武器化して俺たちと戦って欲しい。」
ルーク達に緊張が走る。
「あんたらは一体何者だ?」
「俺たちも悪魔と戦う契約者だ。戦ってくれるな?」
「断っても許してくれる雰囲気じゃなさそうだな・・・スフィア武器化だ!」
「はい!ルークさん!」
スフィアが強力な熱を放つ大剣へと変化した。ルークは○に向かって大剣を構えた。
「ほう・・・なかなか強力そうな武器だな。」
「やるわね、あの子・・・」
「レリスカ、俺たちも武器化だ!」
「オーケーよ!」
クーエル達は武器化をすると二丁の拳銃がクーエルの手に収まった。クーエルは拳銃を指で回している。ルークから先に仕掛けた。
「来ないならこっちから行くぜ!」
ルークはクーエルに向かって剣を振り下ろした。しかしクーエルは余裕を持ってルークの攻撃を躱す。
「そんなものか、お前の攻撃は?」
クーエルはルークに狙いを定めトリガーを引いた。
ルークは慌てて回避する。しかし、クーエルは容赦なく、ルークに向けて弾を打ち込み続ける。
「ぐっ!」
打ち込んだ弾はルークの右肩をかすめた。
うっすらと血が滲んでいる。
「どうした、もう終わりか?」
「いや、まだまだだ!」
ルークは弾を弾いて前へ出ていく。
「おらっ!」
ルークは勢いよく間合いを詰め、○に向かって切りつけた。謎の男はルークの攻撃を難なく躱した。
「遅い!」
「くそっ!」
ルークはクーエルの方に向き直ると剣を振り上げて連続で攻撃していく。しかし、クーエルは俊敏な軽やかな動きで余裕を持ってルークの攻撃を躱していく。
「そんな攻撃じゃ俺に傷一つ付けられないぞ!」
「あんな力任せな戦い方じゃすぐに体力がなくなって武器化が解けてしまうわ。」
「くそっ!何で当たらねんだ!」
「もっとその武器化している女の子と息を合わせるんだ!」
「息を合わせる?」
「そうです、ルークさん!息を合わせる事を意識しながら戦ってみましょう!そうするとシンクロ率が上がってもっと私を扱いやすくなるはずです!」
「分かった!」
ルークはスフィアと息を合わせることに集中し始めた。そしてクーエルに向かって攻撃していく。ルークの攻撃に鋭さが出て来始めた。
「いい感じです、ルークさん!」
「この攻撃には耐えられるか?」
クーエルは二つの銃口を合わせた。銃口の前に丸い物ができ、どんどん大きくなっている。
「オッケー!チャージ完了よ!いつでも発射出来るわ!」
「よしっ!いくぞっ!」
チャージされた銃口から巨大な弾が放たれた。それはルークに向かって一直線に襲い掛かってくる。
「?!」
ルークは巨大な弾を真正面から喰らい、吹っ飛んだ。
「少しやり過ぎちゃったかしら・・・」
「大丈夫だ、手加減はしてある。」
さっきの強力な攻撃で土煙が起こっている。土煙の中から人影が出てきた。
「ほう、あの攻撃で立っていられるか・・・なかなかやるじゃないか。」
「ここからだ!いくぞ、スフィア!」
「はい!」
ルークは力を振り絞って構えた。その時、大剣から強烈な熱が発せられた。大剣の周りにはボッ、ボッと炎が出来ている。
「!」
クーエルはルーク達の潜在能力の高さに驚いた。
「あの状態からここまでの力を発揮するとは・・・今からが本番という訳か。面白い!さあ来い!」
ルークは雄たけびをあげながらクーエルに向かって切りかかった。大剣の周りにより一層強力な炎が生まれた。
「ぐっ!」
クーエルはルークの攻撃で右肩を少し切られた。しかし、すぐに体制を立て直してルークに向かって銃を構えた。しかし、ルークは一切動かない。
「?」
ルークは静かに前に向かって倒れていった。
「そうか・・・最後の気力と体力を振り絞って攻撃したのか・・・」
クーエルはそう言うと武器化を解除した。二人はまだ余裕を残していた。ルークが倒れたことによってスフィアも武器化が解除された。
「ルークさん!大丈夫ですかっ?」
「大丈夫だ・・・体力を使い果たして気絶しているだけだ。」
「そうよ、安心して。それよりもあなた達なかなかやるわね。これからが楽しみだわ!」
「そうだな。まだまだ彼は君を上手く使えていないが、潜在能力はある。鍛えればこれからもっともっと強くなれる!」
「それは良かったです!あ、ルークさんのケガの手当てを・・・」
スフィアはルークの傷の手当てを行い始めた。ルークの傷はあまり深くなかった。
「君はとても強力な武器だ。しかし強力な武器ほど人間の体力はすぐに減っていく。しかし彼がこれから体力や気力を付けていけばもっと長い時間戦っていられるようになる。」
「私はルークさんの為に何か出来る事はありますか?」
「彼にも言える事だが、これからお互いを知っていって、信頼感を高めるといい。そうするとシンクロ率が高まっていく。シンクロ率が高いと、君の力を最大限開放出来るようになる。」
「武器化には人間の使用者の体力、気力が必要だけど、シンクロ率の与える影響は凄く大きいの。シンクロ率が低いと使用者の体力と気力の消耗も激しくなってしまうわ。」
「そうなんですか・・・私達はまだまだですがこれからお互いの事を知っていって、悪魔たちと戦えるようにしていきます!」
「そうだな、頑張って行ってくれ!」
「これから私たち、天上界に帰る予定だけどあなた達はどこかに行く予定があるの?」
「いえ、私たちも天上界に帰る予定でした!でも、私まだ飛べないので列車で帰る予定です。」
「そうなの!それだった私たちと一緒に帰りましょうよ!多い方が楽しいし!」
「それじゃ、行くか。その前に君のパートナーも連れて行かないとな!」
ルークとスフィアの一行にクーエルとレリスカも加わった。四人は天上界へ帰るため列車に向けて歩き始めた。四人の旅はまだまだ続く!




