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出会い

 「喉が渇いたな。水でも飲みに行くか!」

 川のせせらぎが聞こえてくる。その方向にに向かって歩いていく。目の前の草を掻き分けると川が出てきた。川の水を両手ですくい口へと持っていく。

 「ぷはーっ、体に染みるぜ!少し疲れたな。休んでいくか。」

 ルークは周囲を見回し、気持ち良さそうな柔らかい草が生えている場所を見つけた。そこに向かって歩いていく。

 「よしっ、ここで寝るとするか!」

 横になっていざ休もうとしたとき、頭にむにゅっという感覚がした。謎のこの感覚にルークはびっくりする。

 「むにゅっ?何だ?」

 見てみると人の足が頭のすぐ近くにあった。 

慌ててその人間が生きているか確認する。呼吸を確認してみると弱いが、息をしていた。

 「大丈夫かっ!」 

 肩を少しだけ揺すってみると反応があった。

 「す、すみません、み、水を下さい・・・」

 「わ、分かった!ちょっと待っとけ!」

 急いで川に行って水を汲みに行く。女の子の口に水を持っていって少しずつ飲ませていく。

 「どうだ?」

 「ありがとう・・・」

 女の子はそう呟くとぱたりと意識を失った。


「ん・・・ここは?」

 「お、目が覚めたか。ここは小屋の中だ。誰もいなかったから少し借りてる。君はあの川の近くの草むらで倒れていたよ。」

 女の子は自分がどうやって倒れたか思い出したらしい。

 「あ、あの時私に水を飲ませてくれた方ですね。私を助けてくれてありがとうございます。」

 「いいよ、気にすんな!体は大丈夫なのか?」

 「体の方は少し楽になってきました。すみません、自己紹介がまだでしたね。私の名前はスフィアって言います。よろしくお願いします。」

 「俺はルークだ。よろしく!体が楽になってきてるんなら良かった。ところでどうしてあんな所で倒れてたんだ?」

 「人を探してて・・・そしたら道に迷ってしまっちゃったんです。そして歩き疲れて倒れてしまいました。」

 「そうなのか・・・まあ無事で良かったよ。」

 スフィアは真剣な顔で呟いた。

 「また・・・探さないと・・・」

 ルークはスフィアの真剣な顔を見て決意した。

 「心配だし俺で良ければその人が見つかるまで探すの手伝おうか?」

 スフィアはルークのこの言葉に驚き、喜んだ。

 「いいんですか?ありがとうございます。とても助かります!」

 「よしっ、それじゃあスフィアの人探しに出かけますか!」

 「はい!よろしくお願いします!」

 こうしてルークはスフィアの人探しに同行する事となった。


 二人はスイナの街に向けて歩いていた。太陽が心地よく暖かい。

 「んーっ、気持ちいいなー!」

 「太陽が日差しが優しくてほっこりした気分になりますね。」

 「そうだなー、気分がいいなー。そうだ!スフィア!その探している人ってどんな奴なんだ?」

 「すみませんが、それは私にも分からないんです。」

 「ん?どういうことだ?」

 「私が探している人物で分かっていることは天に選ばれた人間って事だけです。」

 「何か凄そうだな・・・よく分かんないけど、まあ見つかるといいな!」

 「そうですね!早く見つけないと・・・」

 

 二人はスイナの街へとたどり着いた。スイナの街は大きく色々な店が並んでいた。人も多く活気に満ちている。

 「大きいなー!いろんな店がある!早く行ってみようぜ!」

 「ふふっ、そんなに焦んなくても大丈夫ですよ。ゆっくり行きまししょ。」

ルークは待ち切れずに店に向かって走り出す。スフィアも走って付いていく。

 「おおっ、こんな店もあるのか!あっちにも!こっちにも!」

 「ちょっとルークさん、はしゃぎ過ぎですって!そんなに走ったら転びますよ!」

 次の瞬間ルークは置いてあった木に足を引っかけ勢いよく地面に向かって体を打ち付けられた。

 「いってー!」

 「だから言ったじゃないですか!転ぶって!」

 「ごめんごめん、ついはしゃいじゃって・・・」

 「キャーッ」

 突然、女性の叫び声が聞こえてきた。

 「何だ?行ってみよう!」

 ルークはスフィアと一緒に叫び声がした方へと向かって走り出した。そこには人間ではない化け物がいた。周囲の人間はパニックになっている。

 「何だ、こいつは!」

 「悪魔がこんな所にまで・・・」

 「悪魔!?」

 次の瞬間、悪魔がルーク目掛けて襲い掛かって来た。悪魔の爪がルークの左肩を引っ掻き、血が滲んできた。

 「ルークさん、悪魔は戦闘能力が高くて好戦的です。攻撃を避けて下さい!生身の人間じゃ太刀打ち出来ません!」

 「うわっ!?」

 なおも悪魔はルークを襲い続ける。それを寸前で躱していく。

 「スフィア!こいつらどうしたらいい?」

 「どうしよう!契約は共鳴者じゃないとできないし・・・」

 悪魔がルークを集中的に襲ってくる。ルークはそれを寸前で躱す。

 「おわっ!」

 街の住民も混乱に陥り、悲鳴が飛び交っている。悪魔もルークを狙い続け、ルークも必死に躱し続けるが、傷が増えていく。

 「このままじゃルークさんが死んじゃう!」

 その時、ルークとスフィアの体に白い光が包み込み始めた。

 「!?」 

 「うわっ!体が光に包まれてる!スフィアも!」

 「ルークさん!お願いです!私の傍に来てください!」 

 「わ、分かった!」

 悪魔の攻撃を躱してスフィアの元に素早く移動する。

「ルークさん、お願いします!私と契約して下さい!」 

 「契約?一体何のことだ?」

 「今は時間がありませんから詳しい話は後で行います!お願いします、ルークさん!」

 ルークはスフィアの真剣な顔を見て固く決意した。

 「分かった!俺は何をすればいい?」

 「ありがとうございます!まずはルークさんの血を私の血を混ぜます。」

 そういうとスフィアは鞄の中からナイフを出し、手の指を小さく切った。

 「ルークさん、血を混ぜて下さい!」

 「分かった!」

 ルークは右の手の平に自分の血液を垂らし、スフィアの指から血を貰って混ぜた。血を混ぜると眩しい光に包まれた。

 「スフィア、混ぜたぞ!」

 「次はルークさん、それを口に含んで下さい!」

 ルークは眩しい光に包まれてる血を口へと入れた。

スフィアも続いて口へと入れる。二人の体がより一層眩しい光に包まれた。

 「これで契約は成立です!」

 「おうっ!で、契約するとどうなるんだ?」

 「もうすぐ分かります!」

 するとスフィアは何かを唱え始めた。

 「我と彼の者は今ここに契約したり、よって我の力を開放し、悪魔を打ち滅ぼせ!」

 スフィアは唱え終わるとみるみるうちに大剣へと変化した。そしてその大剣はルークの右手へと収まった。大剣は熱を帯びており、剣の周りに陽炎が出来ている。

 「スフィアが剣に・・・」

 「ルークさん、どうか私を使ってあの悪魔と戦ってください!」

 「そういうことかっ、分かった!」

 ルークは悪魔と戦うため向かい合った。悪魔は何かを感じ取ったのか不用意に襲ってこない。

 「よしっ!だったらこっちから行くぜ!」

 ルークは悪魔に向かって剣を左肩から右腰に向けて切りつけた。剣は炎を纏いながら悪魔を切り裂いた。

 「ギャー!」

 悪魔は叫び声をあげながら倒れていく。ルークの周囲は強力な熱で満ちている。

 「ルークさん、止めを刺してください!」

 「よしっ!」

 ルークは剣を真上に振りかぶると悪魔に向かって勢いよく振り下ろした。

 「ギシュッ!」

 悪魔は切りつけられ炎に包まれながら灰となって消えていった。

 「やりましたね!ルークさ・・・」

 「おしっ!倒した・・・」

 スフィアは武器化が解除され、二人は力尽きたように倒れた。

  

 「ん、ここはどこだ?」

 目を覚ますとルークはベッドにいた。

ふと横を向くとスフィアはもう起きており窓の外を眺めていた。しかし、視線に気づいたのかスフィアはこちらを向いた。

 「おはようございます、ルークさん。あの悪魔との戦いお疲れさまでした。急にびっくりさせてしまって申し訳ありません。」

 「まさかスフィアが武器になるなんて・・・本当にびっくりしたよ!」

 「ルークさんにお伝えすることがあります。私は人間ではありません。天使なんです。」

 「天使?!」

 「その通りです。私たち天使と悪魔は戦い続けてきました。私たち天使は武力がありません・・・しかし、悪魔は一人でも十分戦える力を持ってます。そのために天使は自らを武器に変えそれを扱ってくれる人間と一緒に悪魔と戦ってきました。」

 スフィアが深刻そうな顔で俯く。

 「そうだったのか・・・」

 場はシンと静まりかえる。スフィアの表情から事態の深刻さが見えてくる。

 「ルークさん!お願いがあるんです。私と一緒に悪魔と戦って欲しいんです!」

 スフィアは懇願するような顔でルークを見た。スフィアの眼差しは真剣でルークの目に訴えかけてくる。ルークは決意した。

 「分かった!俺も一緒に戦う!」

 「ありがとうございます!お願いします!」

 「おうっ!」

 二人は悪魔を倒すために契約しパートナーとなった。二人の旅はまだ続いていく。

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