↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
24/211

6-2 強行軍、信濃の戦火へ

織田の壁を突破し、南信濃へ――。頼朝軍は加藤清正、前田利家を蹴散らし、神速で飯田城を目指す。狙撃と突撃の連携が、武田家の命運を握る。

◼️東美濃進撃


天正九年(1581年)五月。


頼朝軍は南信濃武田軍救援のため、頼朝自ら主力を率いて出陣した。


東美濃に立ちはだかる織田軍を突破して、南信濃に至る強行軍。

遠征軍は、総勢五万あまりの兵力。


頼朝軍本隊が留守の隙に、織田軍に侵攻される危険性も高い。

留守居には、義経隊、道灌隊、早雲隊。


しかし、頼朝軍の兵は遠征軍に優先的に配備された。



頼朝「義経、後のことは頼むぞ」


義経は城門前で頼朝を見送っていた。


義経「兄上もどうかご武運を。

西の織田のことはお任せを」


義経が静かに応じる。

出雲阿国も陰から見守っていた。


挿絵(By みてみん)




出陣早々、織田の迎撃隊として加藤清正かとうきよまさの一隊が土田どたに布陣していた。


輝子「ここで遊んでる暇なんてないんだよ。

早く道を開けな!」


兵力に勝る、先鋒の赤井隊の断続的な斉射、続いて頼光隊の騎馬隊の突撃。

加藤隊は瞬く間に壊滅した。


挿絵(By みてみん)


ただし、短期決戦を挑む頼朝軍。

力づくで敵陣を突破をする騎馬隊の消耗は激しかった。



六月に入っても、飯田城陥落の報は頼朝軍に届いていなかった。

進軍を急いだ。


頼朝軍は、東美濃の入口にあたる鳥峰城とりみねじょうへ到達。


前田利家まえだとしいえ率いる織田軍が立ちふさがる。

だが、ここでも赤井輝子の鉄砲隊と、頼光の騎馬隊の連携攻撃により、前田隊を粉砕。

鳥峰城を攻略せず、素通りして先を急いだ。


挿絵(By みてみん)

*鳥峰城に布陣する前田利家率いる織田軍(赤い軍勢)

*源頼光隊先頭に、赤井輝子隊が続き、鳥峰城に布陣する織田軍に攻撃を仕掛ける

*後から頼朝隊と、殿しんがりのトモミク隊が続く



すると、背後から残余兵力をかき集めた加藤清正が再び襲撃してきた。

しかし、頼朝軍の最後部で殿しんがりを務めるトモミク隊(第二狙撃)が反転。

鉄砲隊を何列にも配置し、迎撃の陣を整えた。


寡兵の加藤軍が突撃を加えたが、頼朝軍には届かなかった。


挿絵(By みてみん)





■飯田城救援


七月、頼朝軍は苗木城なえぎじょうへ到達。

守備する遠山隊も難なく撃退した。


ついに南信濃の国境へ迫った。


ただし先鋒を務めた、頼光隊や赤井隊の消耗は大きかった。

頼朝やトモミクの狙撃部隊と交代させたいが、秀長が地図を示しながら言う。


秀長「頼朝様、この先は山道がさらに険しく、部隊を入れ替えにより救援が遅れます。

ここは時を考え、今の布陣のまま山を越えるしかないかと……」


頼朝は頷く。



しかし頼光・赤井両隊は疲労や消耗を物ともしなかった。

神速とも呼べる速さで山道を駆け抜け、飯田城を包囲する徳川軍の背後へ躍り出る。


挿絵(By みてみん)

*苗木状より、神速をもって源頼光隊と赤井輝子隊が山越えをして、飯田所を包囲していた徳川軍(赤い軍団)に襲い掛かかる


徳川軍も激戦続きであったが、本多忠勝や大久保忠世ら精鋭が残っていた。

それでも赤井輝子の斉射と頼光の騎馬突撃は圧倒的で、徳川軍を次々と粉砕していく。


輝子「死にたくなかったら逃げるんだね!」


輝子が敵に咆哮しながら檄を飛ばし、一斉射撃を行う。

頼光隊は赤井隊の斉射で浮足立つ徳川軍に、猛突進を仕掛ける。


さすがの本多忠勝も、連戦の消耗と、大量の鉄砲隊と騎馬隊の連携と挟撃には耐えられず、大久保隊とともに潰走していった。


頼朝隊とトモミク隊が飯田城下に到着したときには、戦いの趨勢は決していた。




■城内会談


信友「ようこそお越しくださいました、頼朝様……」


城門が開かれ、城主・秋山信友自らが出迎える。

喜び、というよりはどこか苦渋がにじむ表情だ。


頼朝「秋山殿、無事で何より。

それより、勝頼殿は如何されたか」


頼朝が問うと、秋山信友は悔しそうに唇を噛む。


信友「北条と徳川、同時に侵攻を受け、どちらも押し返すことができず。

……この南信濃はご覧の有様です。


勝頼様も北条との戦でかなりの兵を失い、こちらへの援軍を出す余力がありません……」


頼朝「……厳しい状況であったな……」


上杉と結び、織田の西からの脅威は去った。

にもかかわらず、武田が、北条と徳川に苦戦を強いられるとは――。


秋山信友はうなだれた。


信友「まことに面目ないこと……頼朝様には、ただただ感謝しかございませぬ。

こうして多くの兵糧まで届けていただき……我らがどれほど救われたか……」


頼朝「秋山殿。我らは盟友を見捨てる事はない」


頼朝は信友の手を取った。

しかし、信友の手は震えていた。

恐怖からの震えでは無かった。


それは屈辱か、悔しさか、あるいは……


挿絵(By みてみん)


頼朝の心中は、不安が募るばかりだった。

苦境の中、頼朝軍に救われた武田家。だが、勝頼の姿はなく、信友の語る現実はあまりに厳しい。信濃の命運、そして次なる戦火が静かに迫る――。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。