もしもクラス全員が『小説家になろう』の読者だとして、そんな場所で『俺TUEEE』に目覚めたら
ここは日本のとある高校。
その一つのクラスでは、不思議なことがよく起きる。
「ただいまより、学級会議を行う!議題は、『柿田くんの突然の超人化について』だ!」
「皆さんお気付きの通り、あのガリ勉である『柿田くん』に変化が起こっている。それも劇的にだ!」
「先日の体育の授業を覚えているか? あれはバスケの授業だった。突然加速したと思えば敵チームを一瞬で抜き去り、ゴールにダンクを叩き込んだのだ」
「あれはなかなかカッコよかったな」
「思わず、『キャー!柿田くんかっこいいー!』って叫んじゃった」
「おネェは静かにしていようね?」
「とにかく、これはある事例と一致する」
「というと?」
「『俺TUEEE』という事例だ」
「つまり、『柿田くん』は秘められた力が解放されたか、何者かによって力を与えられたということか?」
「おそらくな」
「実は中身が別人だったなんてことは……?」
「それは『ピタ子さん』だろ。もう転校しちゃったけど」
「静粛に!皆も言いたいことはあるだろうが、一度聞いてもらいたい!今から我々の取るべき行動を決めようと思う。
候補は二つ。『柿田くん』を問い詰めて、能力を手に入れた経緯を吐かせる。もう一つは今まで勉強ばかりしていた『柿田くん』を何も言わず新しい世界に連れて行ってあげることだ!今から五分ほど相談した後、決定を下そうと思う。話し合ってくれ!」
五分後。
「では皆の答えを聞こう!問い詰める方に賛成の者。四名か。では『柿田くん』を新世界に導くということでいいんだな?では早速これからのストーリーについてのプロットを……」
彼等はそれとなく『柿田くん』を不良の溜まり場に連れて行き、自分たちが絡まれるように仕向け、『柿田くん』に助けを求めた。
ここから『柿田くん』の裏社会を統一する伝説が始まったのであった……。