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ハリユ王国物語  作者: ねむのき新月
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序章 魔法の壺の顛末

はじめまして。ねむのき新月と申します。

初投稿となります。

確認は色々したつもりですが、お見苦しい点等は、ご容赦ください。

メンタルすさまじく弱いです。

某小説賞に落選した作品です。加筆修正はしてありますが、ほぼほぼそのままです。

生暖かい感じでお読みいただけると幸いです。

 よくお聞き、愛し子よ。

 この身に会いたくなったなら、炎に向かって呼ぶといい。瞬きひとつの間もおかず、そなたの前に在るだろう。

 この人間の世に飽いたなら、すぐに我が名を呼ぶといい。さすればたちまち現れて、そなたを我らの国へ――魔神の国(ジンニスターン)へ連れて行こう。






   序章




 長い海岸線を持ち、東西に伸びたこのハリユ王国は、国内でも地域によって気候にだいぶ差がある国だった。

 山脈を挟めば降雨量は天地ほども違うし、南部のほうにはわずかとはいえ耕作地があるというのに、北部は沙漠地帯だ。


 都であるロンも、他と比すれば格段に穏やかであるとはいえ、夏季ともなればやはり厳しい。

 雨は降らないくせに湿度が高く、太陽はじりじりと肌を焼く。


 しかし冬季となったいまの時期は、あちらこちらからやってくる旅人に自慢できるほど、一日を通して過ごしやすい場所だ。

 所々に灌木が見られる程度だった砂地は、雨が降ればたちまち緑が芽吹き、さながら緑の絨毯を広げたようでもあった。


 もっとも、暑かろうと寒かろうと、人々の生活がそれほど変わるわけもない。

 親であれば子を育て、使用人であれば主人のために働く。

 そして商人であれば、客を相手に商売をするだけだ。

 北市場(スーク)の北端にある小さなその店も、もちろん例外ではなかった。


 店主の自宅の一室を店舗としており、家の扉を開けるとすぐ脇に厚手の布がかけられていて、店の入り口となる。


 そこに、『薬屋への用件なら直接声をかけること。魔術師への用件なら置いてある鈴を鳴らすこと』との注意書きがあった。


 大抵の客は、その言葉を忠実に守る。魔術師を怒らせれば面倒なことになると、知っているからだ。


 夏とは違う柔らかな陽射しが差し込むその店の隅で、カンゾウやウイキョウ、ショウズクといった薬を整理していた少女――ファリーヤは、頬をぷくりと膨らませていた。


 つい先程、鈴の音が響いた。

 長身の青年――ここの店主であるダレイスが、客にしばらく待つように告げ、ファリーヤを追い立てる。


「拗ねないの。こっちの客が来たときは奥へ行くって、約束だったでしょ?」

「あたしは別に拗ねてなんかないもん」


 その口調は、見事に発言内容を否定していた。


 そんな彼女は、両足首で絞るようになっている下衣を着込んだ男装である。身を飾っているのは、左手首にある象嵌細工の腕輪だけだ。


 そしてまた鈴が鳴る。


「少々お待ちを! ほらほら、ファリーヤ」

「わかってるわよ、いま行くってば!」


 小声で応じながら薬を袋に戻し、少女は床を踏みしめるように部屋を出る。


 『薬屋への客なら同席してよし。魔術師への客なら退席すべし』――この店に出入りするための、約束事のひとつだ。


 それでも聞き耳を立てることは止められてはいないし、たとえ止められたとしてもやっていたに違いない。


 すぐ隣の部屋は物置になっていて、壁に開けられている小窓は硝子や布で遮られているわけでもない――つまり、覗き放題、聞き放題だ。もっとも、出入り口の真正面にある小窓なので、さすがに覗けば顔を見られてしまう。


 小窓の脇にファリーヤが腰を下ろすや、ダレイスが客人を招き入れる。

 ばさりばさりと、布をよける音が聞こえた。


「お待たせしました。いらっしゃい。ご用件は?」

「あ、あの、あんたが、こういうの、引き取ってくれるって聞いたんだよ。それも大層な金額で」


 何を持っているのかは、ファリーヤにはわからない。


 客は、声からすると三十歳前後の男性だ。魔術師の店を訪れるのははじめてなのか、随分警戒しているような声音だった。


 それにダレイスは、単刀直入に聞く。


「いくら欲しいの?」

「き、金貨千枚!」


 ファリーヤはあやうく立ち上がるところだった。

 千枚なんて大金、あるわけがない。金貨十枚だって、ダレイスが持っているとは思えなかった。


 ダレイスは平然と応じている。


「本物だってわかれば、千枚でも払うけどね」

「本物さ、もちろん。でも、こんな物、買ってどうするんだ? もっと高く、どっかに転売でもするのかい?」


 少し緊張がほどけてきたらしい。

 うかがうような台詞は、どれだけふっかけてやろうかとでも考えているのだろうか。

 しかし、そういう客は少なくない。


「お客さん。その手の道具は永遠には使えないって、知ってる? 使える回数とか、年数とかが決まってるんだよ。道具によってまちまちだけどね」

「そ、そんな話は聞いたことないぜ」

「そりゃそうだろうね。使い切った道具は、そのときの持ち主もろとも、道具を作った魔人(ジンニー)が連れていくんだから」


 客が反応するのに、間があった。


「――ジ、魔神が? 魔神に連れていかれたら、どうなるっていうんだ?」

「さぁ? その先はおれもよくは知らないねぇ。魔神ともたまに会うけど、危ない話はしないからね。食われるか、こき使われるか、魂を取られて永遠にさまようか、ってとこじゃないかな?」


 脅すともなく脅しておいて、ダレイスは促した。


「とりあえず、試してくれる、お客さん?」

「――あ、な、何を?」


 客の動揺は手に取るように分かった。

 それでも、ダレイスは頓着しない。


「その道具が本物かどうか、お客さんが試してくれないとわからないでしょ? おれは偽物を集める趣味はないんだよね」

「も、もし、今回の、これが最後だったら」

「あんたがこの場で、魔神に連れていかれるだけ。さぁ、早く」


 非情なことをあっさり言って、客を急かす。

 しかし、客にも多少の冷静さが残っていたようで、最初の質問に戻っていった。


「……あんたは、こういう道具をどうするんだ? 制限のある道具を集めて、どんないいことがあるんだい?」

「世の中には、酔狂な金持ちがいるんだよ。飾っておくだけで満足っていうね」

「そ、その金持ちに直接持ち込んだほうが、おれも儲かるってことだよな?」

「そうだね。けどおれも商売だから、顧客は教えないよ?」


 商売人としては、当然の台詞だった。


「……い、いや。ああ、あんたに売るさ。た、試さずには売れないのか? 間違いなく本物なんだよ。この食布(スフラ)は、お袋がずっと普通に広げてたんだ。このあいだ、たまたま、あれが食いたいって言ったら、その通りのもんが出てきたんだよ。本当に!」

「へえ。ところで、近所で、食事がなくなったって騒ぐひとはいなかった? ――いたんでしょ?」

「あぁ……。金持ちの家のな……」

「お金持ちかぁ。痛くもかゆくもなかったろうね。けど、まぁ、善行ではないってのはわかってるんでしょ? だから、おれのところに持ってきたんだよね?」

「……そうだ……」


 客は素直に認めた。


「なるほど。でも、おれはあんたとははじめて会ったわけだし、あんたの言葉だけじゃあ、信用はできないんだよね。試せないんじゃ、いいとこ金貨三枚かな。それで不満なら、他へ行ってよ。どこに持ち込んでも、試せって言われると思うけど」


 大きなため息が聞こえて、客の声が続く。


「三枚でいいさ……」

「毎度。ああ、それと、ここでのやりとりは内密にね。それがお互いのためだと、あんたも思うでしょ?」


 ダレイスの意見に、客は頷いたようだった。

 食布は意図していなかったとはいえ、食事を盗ってしまったのだ。


 ファリーヤは客の後ろ姿を盗み見た。

 金貨三枚を握りうなだれて帰る男性が、少しだけ気の毒に思えた。


 だから客の姿が消えるや、店に戻ってダレイスの正面にまわり、ファリーヤは指を突きつけた。


「嘘つき!」

「こら、ファリーヤ、ひとを指差さない。それと、人聞きの悪いことを言わないの」

 

 指は下ろしたものの、非難は続ける。


「だって、道具に回数制限があるなんて、あたしもはじめて聞いたわ」

「それはおまえが知らなかっただけでしょ」

「あたしの目を見て言える?」

「魔法の道具には回数制限があるんだよ」


 ダレイスはファリーヤの目を真っ直ぐに見て、無邪気な笑顔まで添えた。

 ファリーヤは唖然と瞬きを繰り返す。


「……なんていうの、こういうの。盗人猛々しい? 図々しい? ふてぶてしい?」


 あまりな言われように、ダレイスは深々息を吐いた。


「おまえねぇ……。しようがないでしょ。こういうのは回収するように言われてるし、金貨千枚なんてないし。大体、人間がほいほい使ったって良いことないんだよ」

「そうかもしれないけど」

「それに実際、回数制限のある道具もあるからね」


 食卓なら四人掛けのものを覆えるほどの大きさの食布を、ダレイスがくるくると丸めていくのを見て、ファリーヤは渋々納得する。


「わかったわよ。でもね、それは本物なの? 普通の食布じゃないの?」


 食布とは、床に広げてその上に食物を並べ、食卓とする布だ。汚れても、そのままくるんで洗ってしまえば手間もかからないし、床も汚れない。


「本物じゃなきゃ、金貨三枚も出さないよ。これは魔神の国へ戻さないとね」

「試さなくてもわかるの?」

「おまえは、おれをなんだと思ってるの?」


 軽く嘆いてから、ダレイスは請け負った。


「見ればわかるよ、もちろん。試してもいいけど、ご近所の食べ物がなくなるね」

「さっきもそんなこと言ってたけど、これってどういう道具なの?」


 興味津々で食布を眺めるファリーヤの頭を、ダレイスは筒状に丸めたそれでぽんぽんと叩く。


「これを広げて食べたい物を言えば、それを出してくれる魔法の食布。出てくる食べ物は、一番近くにあった物を取り出しただけ。つまり、この布が盗んできた食べ物」


 そしてそのまま、食布を部屋の隅に置く。


「どうして魔神は、こんな布作ったの?」

「便利だと思ったんじゃないの?」

「……ふうん。お祖父様が『魔神の力は必要ない』って言う意味が、なんとなく分かる気がする」


 呟くファリーヤに、ダレイスの口元にかすかな苦笑が滲む。


「まぁ、あのひとはそうだろうねえ。根っから働き者の商人だから」

「あのね。ダレイスはいまは魔術師だけどね、行く行くは薬屋一本で――」

「邪魔するよ! いるかい、魔術師? 腹痛の薬をおくれよ」


 ファリーヤの言葉を遮るように、元気な声が店に響く。


「ほら、薬屋の客」

「……はーい、いらっしゃーい」


 青年に払われるように、ファリーヤは客の相手をするべく、座布団に座った。

 その壁際には用途別に小袋に入った薬が並んでいる。


「おや、今日はファリちゃんがいたのかい。見習い魔術師は順調かい?」


 近くの布地屋のおかみさんは、大きな体に見合った丸い顔を綻ばせた。


「うん、ありがとう、順調! 腹痛って? 胃痛? 食べ過ぎ?」

「食べ過ぎのをおくれ。そういや、聞いたかい? ついさっき、王妃様がお帰りだってさ」


 お喋り好きなおかみさんは、ファリーヤにそう話を振る。


「王妃様? えっと。ミシカ様? どこかにお出かけだったっけ?」

「ああ、そっかそっか。いまは、王様はサヒード様で、王妃様はミシカ様か。セフィア様は、王太后様だね」


 セフィアの夫たるハリユ王国第二十一代国王サウィルが崩御したのは、半月ほど前のことだ。発熱と咳――ただの風邪だと思っていたのに、あっと言う間に悪化してあっと言う間に身罷った。

 サウィルが病みついていたのはおよそ五日だったという。


 突然のことではあったが、徐々に国王の執務の代行をこなしていた王太子サヒードが滞りなく即位して、すみやかに埋葬を執り行った。


 サウィルには弟――ジャリルがいたが、兄王に先立ち四年前に亡くなっている。一年以上床に伏せり日に日に弱っていった末のことだった。


 どちらが良いか一概に判じられるものではないとはいえ、国王としてのサウィルの最期は、本人にとっても周囲にとっても、それほど労のないものだったろう。


「そうよね、セフィア様がお帰りなったの?」

「そうそう。ほら、セフィア様はどっかの離宮にいらしただろ? 第二王子様が虚弱体質かなんかだって。ずっと静養中って言ってさ」

「虚弱……?」


 ファリーヤはかすかに首を傾げた。


 王太后の息子――前王の息子、現王の弟は、ファリーヤの記憶が正しければ、虚弱体質などではなかった。

 そういうふうに、誤魔化しているのだろうか。


 そんなファリーヤに気づく様子もなく、おかみさんは喋り続けている。


「王様の葬儀には間に合わなかったね」

「埋葬にはね。でも、もう少ししたら、大々的に国葬するんでしょ」

「まあ、そうだね。そっちには出られるね。それにしても、随分こっそり帰ってきたもんだよねぇ。もともと控えめな方らしいけど。王子様のご病気も治ったのかねぇ」

「……そうね、治ったのかもね。はい、これ。食べ過ぎの薬ね」

「ありがとさん。そういや、来年は祭だね。新しい王様は大丈夫かね? ああ、魔術師は何かするのかい?」


 奥にいたダレイスに、おかみさんは声をかける。


「祭って五年に一度のあれ? まだ一年も先の話じゃないの。それに何かって何よ? おれは何を期待されてんの?」

「前は何したっけ? 護符の販売? じゃあ、今回は、格安の占いとか?」


 そんな提案に、ダレイスは心外だとばかりに肩をすくめる。


「おれの占いは常に格安だけどね、女性限定で。何か見てあげようか?」

「あはは、今日はやめとくよ。じゃあね」


 余計な出費を避けるためか、本当に帰る気になったのか、おかみさんは朗らかに笑って店を出て行った。


 扉が閉まるのを眺めていたダレイスが、小さく呟く。


「あー、祭かぁ。あの壺も気にはなってるんだよね……」


 ファリーヤがそれを聞き咎めた。


「王宮にある壺? あれも魔法の壺って言われるけど、回収対象なの?」

「どうだろうね。間近で見たいけど、見られるもんじゃないし」

「王宮の宝物庫にしまってあるでしょうからね」

「そう。まぁ、そのうちにね」


 やる気のなさそうな発言に、ファリーヤが腰に手を当てる。


「ダレイスったら、しゃきっとして。そんなんじゃ、お祖父様にまた、色々文句を言われちゃうのよ?」

「おれは痛くもかゆくもないけど」

「ダレイス!」


 眉をつり上げるファリーヤに、ダレイスがにやりと笑った。


「おれのことより。おまえもほどほどにしないとねぇ。なんて言ったっけ、あの店の跡取り息子。ああ、そうだ、イータグ? 男装したり魔術師の店に出入りしたりしてると、彼に嫌われるちゃうよ?」


 たちまちファリーヤの眉間に皺が寄る。


「なんでイータグ? なんであたしが嫌われる? ていうか、嫌われたからなんだっていうの?」

「許嫁なんだろう?」


 ファリーヤが言われた内容を理解するのに、少々時間がかかった。


「――な。な、はぁ!? 誰がそんなこと言ってるの!?」

「あれ、違うの? おまえにまとわりついてるって聞くけど?」

「冗談じゃないわ! イータグはお祖父様の財産が欲しいだけよ!」


 満面朱に染めて怒鳴るファリーヤに、ダレイスはのほほんとしたものだ。


「そうなの? でもイータグのほうは結構その気みたいじゃないの? 大商人タリク老の財産のためなら、なんでもしそう」


 恐ろしい予想に、ファリーヤは思わず我が身を抱きしめていた。


「信じられない、そんな話になってるなんて!」



 ◇ ◇ ◇



 その頃。

 後宮では新しい主人を静かに迎えていた。


 この国の後宮で、絶対的な権力を振るうのは国母となった女性――王太后である。


 セフィアは本来であればもっと仰々しく盛大に、堂々と後宮に帰れたはずなのだ。

 いや、それ以前に、王太子の生母としてずっと権勢を振るっていられたはずだというのに――そう思って、ラシードは口元に苦い笑みを浮かべた。


 先王の第一妃であり、現王の王太后であるセフィアが、夫のいまわの際どころか、その葬儀にすら間に合わなかった。間に合わない離れた地に暮らさざるを得なかったのは、ラシードのせいなのだ。


 この王宮に来てよいものだろうか。

 ラシードは、離宮を出立する前からずっと悩み続けていた。


 セフィアは都への帰還を素直に喜んでいる。

 夫の死はもちろん悼んではいるが、息子ラシードに、王子としての人生を歩ませられることが素直に嬉しいのだ。


 ラシードとしては、あのまま離宮に一生埋もれていても構わなかった。

 しかし息子を思う母に、そんなことを訴えられるわけもない。


 離宮で集めた書物をすべて持ってきたのは、自室か、王宮の図書室に引きこもれるようにするためだ。我ながら後ろ向きだと思わないでもないが、自分がひっそりと暮らしていたほうが、きっと兄にも母にも迷惑はかからない。


 後宮に仕えている侍女や女官がひれ伏して、セフィアを迎えている。

 その中のひとりでも顔を上げラシードの瞳を目の当たりにしたのなら、この場はどうなるだろう。

 いつまでも隠しておけることではないし、すでに知っている者もいるはずだ。


 異国でもこの国でも、兄弟同士で王位を争うことはままある。争う前に、暗殺してしまうという話もある。

 面倒な弟であるラシードを暗殺する機会は、兄にはいくらでもあった。

 しかし兄は、父の怒りを買うことも恐れず、母と弟と心底案じて、離宮までたびたびやって来た。


 そんな兄は、ラシードに何を望んでいるのだろう。


「ラシード」


 久し振りに会った兄は、すでに王としての威厳を備えていた。しかし、ラシードのよく知っている眼差しは、変わりない。

 そしてラシードが返事をするより早く、たくましい両腕に抱きしめられた。


「お帰り、ラシード。ここでおまえを迎えることができて、嬉しいよ」


 セフィアはそんな兄弟を温かく見つめている。


「……兄上」


 ラシードは兄にしがみつくようにして、自分が信じられないほど安心しているとこに気づいていた。

序章です。

物語はこれからとなります。

落選作品だということを念頭に、よろしくお願いいたします。

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