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青き碧の仲間たち  作者: 高階闇堂
寮生活、初日
18/21

110号室の同居人(衝動)

一方、110号室。

初めはお互い向かい合って座っていたはずだし、阿貴も一度も目を離していないはずだった。

それなのに、気付かないうちに、すぐ隣に近付かれていた。

しかも、自分の肩に肩がくっつくほど密着されていて。

その様子、その仕草に、阿貴はただならぬ気配を感じていた。

いくら相手が人懐こいと言っても、そこまで距離を詰められる事に、阿貴は慣れていない。

「な、成美…さん…?」

この状況が理解できず、阿貴は口を開いた。

今や、ほぼ密着と言ってもいいところまで身体は接している。

相手の体温、息遣いが感じられるほど。

すぐ隣の相手は、整った顔、長い髪、纏う匂いも男のものとは到底思えぬほど。

服越しに触れても感じられる肩の柔らかさまで、まるで女の子そのものだ。

()()()()()

男だ。本人もそう言っていた、はずだった。

そんな阿貴の戸惑いを意に介さず、成美は、触れそうな距離で阿貴の目を見つめたまま、やや熱に浮かされたような口調で、甘く、優しく、囁くように。


「君…可愛すぎるよ」


余りにも突然で唐突な成美の言葉に、阿貴の思考が一瞬─────だが、完全に停止する。

間髪入れず、成美は阿貴の身体にそのまま─────倒れ込むように覆いかぶさった。

その動きに、まるで躊躇はなかった。

全く予想しなかった展開で無防備になっていたところ、阿貴はあっさりとベッドに倒されてしまう。

「え…ちょっと…」

言葉は、最後まで形にならなかった。

次の瞬間には、逃げ場がないほどに眼前に迫る成美の顔。

近い、なんてものではない。

触れる─────


瞬間、

唇に、柔らかい感触が触れた。

「─────っ…!」

あまりの突然のキスに、驚いて目を見開く。

こんな事をされるのは全く持って初めての事だ。

しかも。

相手は非の打ち所がない美少女…なのは見た目だけであって、本人も言っていたように、男。

なのに、同じ男である自分に何故、このような事をするのか…いや、そんな思考など、この時の阿貴には持てる余裕などない。

認識が追い付くよりも先に、身体の方が硬直して動かない。

成美は、そんな阿貴の戸惑いも、意に介することなく、さらに深く口付ける。

柔らかい感触が入り込む。

逃げ場は、ない。

抱きしめられたまま、引き剥がすこともできず。

その胸の内に、確かに沸き上がったのは─────

()()だった。


「─────い…いやああああああっ!!!」


寮中に響く悲鳴とともに、この小さな体のどこに、と思える力で。

阿貴は成美を思い切り突き飛ばしていた。

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