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世界がアップデートされたって? 〜地球に突如現れた迷宮、13年以内に攻略しないと大魔王が攻めてくるらしいです〜  作者: 青井あげは


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13

「……二体、か」


 ゲートを背に巨大な森熊が二体、低く唸りながらこちらを睨んでいる。


「いいかい、各パーティで一体ずつ頼む。俺は弓で双方の援護を行う。」


 東間が手早く指示し、それに皆が頷き返す。


「よし、時間もない、行くぞ!」


 その掛け声に、皆が敵に向けて駆け出す。

 1番敏捷値が高い友希が右側の森熊の懐へ滑り込む。

 森熊が二足で立ち上がり、爪を振り下ろす。

 紙一重で半身でかわし、その勢いのまま回転を加えナイフを一閃。

 与えたダメージは浅い。だが、それで十分だ。


「ほら、こっちだ!」


 追撃せず、大きく右側に跳んで距離を置く。

 森熊の視線が、完全に友希へ向き、友希の方へと走り出す。

 もう一体も友希へと動こうとした瞬間、東間が放った矢が熊の足を射抜く。


「そっちには行かせないよ!」


 怯んだ隙に、森熊の間合いへと潜り込んだショウコが槍で踏み込む。


「はぁっ!!」


 槍が唸り、肉を抉る。

 さらにソラタが正面からメイスで、ダイキが横から剣で斬り込む。


「こっちは抑える!行け!」

「お願いします!」


 分断、成功。



 左側をドミトリオに押さえてもらっている間に、右側の森熊を友希とほのかの二人で相手する。


 ほのかが攻撃しやすいように、友希が奥側に回り込んで注意を引く。

 そこに、森熊の後ろからほのかが剣で切りつける。

 重い斬撃が入る。

 確かな手応え。

 だが、森熊は倒れずほのかの方へ振り返る。


「……っ!」


 振り返りざまに、右前足の強爪がほのかに叩きつけられる。

 速い。

 盾で受け止める、が。


「ぐっ……!」


 そのあまりの重さに、受け止めきれず片膝をつく。

 更に掬い上げるように左前足の追撃がほのかを襲う。

 盾越しに押さえつけられていて、避けられない。


「ほのか!」


 友希が助けようと距離を詰めるが、間に合わない。

 その瞬間、東間の放った矢が森熊の肩口に突き刺さる。

 わずかに軌道が逸れる。

 しかし、逸れながらも左爪がほのかを襲う。


(いった)


 森熊の一撃で弾き飛ばされる。


「い……けど、大丈夫!」


 が、なんとかこらえ、更に踏み込む。


 友希もワイヤーの補助を使い上空に飛び上がる。


 森熊がほのかに再度襲いかかろうと駆け出す瞬間、上空から友希が森熊の顔面へ一撃。

 ナイフが肉を裂く。

 さらにポーチから布を取り出し、離れ際に森熊の顔に投げ掛け視界を奪う。

 一瞬、完全な隙ができる。


 その布を払い取った瞬間、森熊が見たのは、ほのかの盾だった。


「はぁぁぁ!!」


 ほのかが盾で叩き上げ、森熊の顔面が跳ねる。

 さらにその勢いのまま剣を振り下ろす。

 怯んだ隙に引き戻し、再び剣を突き刺す。


 森熊の巨体が崩れ、淡い青い光となって消えていく。


「……っ、はぁ……!」


 一体、撃破。


「あと一体!」


 ドミトリオの方を振り向く。

 まだ戦闘は継続している。


 ソラタが防ぎ、ダイキとショウコが隙を見て攻撃を加えているが、決定打には至っていない。

 堅実で時間をかければ勝てるだろうが、この状況ではそれを待っている余裕もない。



「くそっ、硬ぇ……!あまり時間もかけられねーってのに!」

「ダイキ、前に出すぎ!」


 ダイキが焦りから、前に出て大降りに剣を振り下ろす。

 その隙を森熊が見逃さず、ターゲットをダイキに変えて剣を前足で弾き、噛みつこうとする。


「危ない!」


 東間が矢を放ち、森熊を怯ます。

 剣を弾かれた衝撃で倒れたダイキに、友希がワイヤーを取り付け、ほのかが引っ張り、距離を離す。


「すまねぇ!助かった。」

「いえ、それより森熊を。あたし達も。」


 全員で、残る一体に畳みかける。


 ドミトリオが抑え、友希と東間が攪乱し、ほのかがダメージを与える。


 そして、淡い青い光が弾けた。


「……っ、はぁ……!」


 終わった。


「これで、ゲートは解放できましたね。」

「ああ、土屋達に知らせないと。」


「あたしが行きます。」

 敏捷が高い友希が立候補する。

 友希が行くならとほのかも立候補し、ドミトリオの3人はゲート周辺で待機することに。


 森熊戦で減少したHPを回復させ、東間を含めた三人が門へと駆け出す。


 遺跡の門の方から、絶え間なく戦闘音が響いている。

 まだ終わっていない。

 あれだけの物量差だ。


「全員……無事でいてくれ。」


 東間の声は、小さく、それでもはっきりほのかと友希の耳に聞こえていた。

前回投稿した話で、累計PVが500を超えました。

ここまで読んでくださった皆さん、本当にありがとうございます。


また、ブックマークや評価をしてくださった方々、とても励みになっています。

まったくの素人が趣味で始めた作品ですが、まさかここまで読んでもらえるとは思っていませんでした。


更新は不定期でゆっくりになると思いますが、完結まで書き切るつもりですので、

もしよければ、これからもよろしくお願いします。

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