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私の最愛の人アヤメさん(13話)

☆破滅しかない乙女ゲームのモブの令嬢に転生してしまった件☆


(乙女ゲーム転生物)


(カエデもアヤメもアケビもアカンサスもジャスミンも8歳の子供です)


☆百合注意☆


~13話~


~乙女ゲームの悪役令嬢のジャスミン・ハリスの目線~



私は、国で1、2と言われている貴族のハリス家の令嬢として生まれました。


生まれのせいで窮屈の生活を過ごされる日々が続きました。


それが嫌で反発するようにわがままの振る舞いをするようになりました。


皆は、私のわがままを全て聞いてくれました。


それが虚しくて寂しい気持ちが沢山溢れて来ました。


私は、そんなうっぷんをぶつけるように誰にもばれないように屋敷を抜け出しました。


そして街に出掛けると大きな熊のぬいぐるみを抱えていると楽しそうにしている幼女を見掛けました。


幼女が羨ましくなりわざと酷い言葉を伝えました。



「ねえ、あなた、良いぬいぐるみを持っていますわね。


その、ぬいぐるみを貰ってあげますわよ。


だからさっさと私にそのぬいぐるみを寄越しなさい!」



私は、わがままを言っているって解っていました。


でも私を止めてくれるこの私、ジャスミンを見つけてくれる人がいるのを願ってわざとわがままを言いました。



「え、えっと、その……」



幼女は、私を怖かったようにおどおどとしました。



「だからその熊のぬいぐるみを(わたくし)に寄越しなさいって言っているでしょう!


(わたくし)がありがたく貰ってあげるって言っているでしょう。


それともこのジャスミン・ハリスに歯向かうって言うの?」



ジャスミンちゃんは、幼女の怖がった顔を見て申し訳ない罪意識が芽生えました。


でも本当の私を見つけてくれる願いを込めて両腕を組んで幼女を睨みました。



「えっ、えっと……あの……その……」



幼女は、涙目になりおどおどとして私を見つめました。



「まぁまぁ、ジャスミンちゃん、落ち着いてください」



声をした方を振り向くとこの世の者と思えないほど綺麗な女の子が立っていました。


そして私の事が解っているように仕方がなさそうに苦笑いを浮かべて私に近づいてきました。



「誰よ、あなた!」



私は、もしかして本当の私と向き合ってくれるかもって思いを込めて女の子を睨みました。



「失礼しました。


自己紹介がまだでしたね。


私の名前は、アヤメ・エバンズって言います」



女の(アヤメさん)は、スカートの両端を少しだけ掴んで軽くお辞儀をして自己紹介をしました。


挨拶のしぐさが美しくてつい見とれてしまいました。



「それでアヤメは、私に歯向かうっての!?


そんなの許さないわよ!!」



私は、アヤメさんが本当の方に人差し指を向けてアヤメさんを睨みました。



「まぁまぁ、そんなに怒ったら可愛らしい顔が台無しですよ。


平民の物よりも貴族の令嬢のジャスミンちゃんにふさわしい物がありますよ」



アヤメさんは、私の頬っぺたを触り優しく微笑みました。



「っ!?


そ、それは、何かしら?」



私は、アヤメさんに頬っぺたを触られて恥ずかしそうに顔を赤らめました。



「じゃーーん、これです。


熊さんの刺繍をしたハンカチです!


ハンカチだから持ち運びが簡単です。


しかも貴族としてハンカチは、必要です。


ねえ、お得でしょう」



アヤメさんは、ニコニコ笑顔で熊の刺繍をしたハンカチを見せました。


私は、アヤメさんの笑顔を見て胸がドキドキしました。



「……可愛らしいハンカチですわ……


せっかくですから貰ってあげても良いですわよ。


さっさと、ハンカチを渡しなさい」



私は、アヤメさんの気持ちが嬉しかったです。


でも素直になれない私は、わざと睨むようにアヤメさんを見つめて軽く手招きをしました。



「はい、どうぞ、ジャスミンちゃん」



アヤメさんは、慈愛を込めた笑顔で私に熊の刺繍をしたハンカチを渡しました。



「ふんっ


……可愛らしい……」



私は、アヤメさんの笑顔を見て恥ずかしくなりました。


アヤメさんから熊の刺繍をしたハンカチを受け取ると自分の気持ちを隠すようにわざと鼻で笑いました。


そして熊の刺繍をしたハンカチを広げるとあまりにも可愛らしくて嬉しそうに微笑みました。



「ジャスミンちゃんが熊の刺繍をしたハンカチを気に入って貰えて良かったです」



アヤメさんは、私の態度を見て嬉しそうに慈愛を込めて私を見つめました。



「べ、別に気に入ってないわよ」



私は、素直にお礼が言えなくて恥ずかしそうに顔を赤らめて横を向きました。


素直になれずに憎まれ口しか言えない自分が嫌になりました。



「ねえ、ジャスミンちゃんに着いていって良いですか?


私は、もっとジャスミンちゃんと仲良くなりたいのですよ」



アヤメさんは、両手を大きく広げて私と仲良くなりたいことを知らせました。



「ふんっ、勝手にすれば良いでしょう」



私は、アヤメさんの気持ちが嬉しかったです。


素直にお礼が言えなくて顔を赤らめて横を向いて酷い言葉を伝えました。


私は、素直になれない自分が嫌になりました。



「はい、そうしますね」



アヤメさんは、慈愛を込めて優しい眼差しで私を見つめました。


私とアヤメさんは、公園に行きました。



「ごめんなさい、トイレに行って来ますね」



アヤメさんは、頭を下げて離れる事を謝りトイレに向かいました。



「まったくアヤメさんは、なんなの人でしょうか……


あんな女の子、初めて会いましたわ……」



私は、トイレに向かったアヤメさんが見つめました。


他の女の子と違う感じがして恋する乙女のように顔を赤らめて胸がドキドキしました。


私は、余所見をしていた為に男性とぶつかりました。



「痛いな、何をしやがる!?」



男性は、ぶつかった私を間近で睨みました。



「無礼者!


私は、ジャスミン・ハリス!


貴族のハリス家の令嬢ですわよ!」



私は、男性を突き飛ばして男性を睨みました。



「へーー、ハリス家の令嬢か、それならばこの娘を誘拐したら良い金になるな……


それになかなかの可愛らしい女の子だ……


悪くないな……」



男性は、嫌らしい笑みを浮かべて私の体全体を舐め回すように見渡しました。



「っ!?


けがわらしい!


私に近づかないでください!」




私は、男性達の眼差しが怖くなり男性の頬っぺたを叩いて睨みました。



「痛っ!?


お前達、遊んでやれよ!」



男性は、他の男性達に私を襲うのを命令しました。



「ちょっと、あなた達、ジャスミンちゃんに何をしているのですか!?」



声をした方を振り向くとアヤメさんが近づいてきて男性達から庇うように立ちました。


私は、アヤメさんの姿を見て安心をする自分がいました。



「はーー!?


なんだ、お前は!


ってあなた様は!?」



男性達は、私を庇ったアヤメさんを見ると顔が真っ青になって行きました。



「って、またあなた達ですか?


本当に懲りないですね。


まさかまだ懲りていないのですか?」



アヤメさんは、男性達の相手を見て気がついてジドーと睨むように男性達を見つめました。



「い、いえ、そんな事は、ありません!?


失礼しました!?」



男性達は、アヤメさんの姿を見て慌てて頭を下げて謝りアヤメさんから逃げるように去って行きました。



「まったく仕方がない人達です……


大丈夫ですか、怪我とかなかったですか?」



アヤメさんは、男性達の態度を見て仕方がなさそうにため息を吐きました。


そして直ぐに私に近づいて私の体調を心配しました。



「っ!?


何がかしら、こんなの私1人でどうにかできましたわよ」



私は、アヤメさんの気持ちが嬉しくて感謝を伝えたかったです。


でもプライドが邪魔をして素直になれませんでした。


だから睨むようにアヤメさんを見つめてしまいました。


そして涙目で少しだけ体を振るわせました。



「……怖い思いをさせてごめんなさい。


今度は、ちゃんとジャスミンちゃんを護ります。


ですから安心してください……」



アヤメさんは、私を抱き締めて私の背中を撫でて私を安心させようとしました。



「だ、だから誰も怖がっていませんわ……」



私は、アヤメさんの気持ちが嬉しくて顔をほんのり赤らめて控え目にアヤメさんを抱き締め返しました。


私とアヤメさんは、しばらく抱き締め合いました。


私は、アヤメさんの温もりと匂いが安心できて幸せな気持ちが溢れてきました。



私は、恥ずかしそうにゆっくりとアヤメさんを離しました。


私は、恥ずかしそうに少しだけアヤメさんから視線を反らしました。



「ジャスミン様、こんなところにいられたのですね。


黙って出掛けられたら困ります」



私のメイドのダリアは、私を見つけると安心をしたように微笑みながら私に近づいて来ました。



「何よ!?


私がいつ何処に出掛けようが私の勝手でしょう!」



私は、ダリアにアヤメさんとの2人の時間を邪魔をされて不機嫌そうにダリアを睨みました。



「ジャスミンちゃん、まあまあ、落ち着いてください。


メイドさんもジャスミンちゃんが本当に大切だから心配しているのですよ。


ジャスミンちゃんは、本当にメイドさんに大切に思われているのですね。


こんなに大切に思われるのは、羨ましい事です」



アヤメさんは、慈愛を込めて優しく私とダリアを見つめました。



「っ!?


さ、さっさと帰るわよ、ダリア!」



私は、アヤメさんの大切に思われて幸せって言葉を聞いて恥ずかしくなり顔を赤らめました。



「またね、ジャスミンちゃん」



アヤメさんは、右手を大きく振って別れの挨拶しました。



「ふんっ!?


そ、その……今日は、楽しかったわ……


ありがとう、アヤメさん……」



私は、後ろを向いたままアヤメさんに聞こえるか聞こえないかの小声で話すと恥ずかしそうに顔を赤らめてアヤメさんと別れました。


私に説教をして護ってくれてしかも私の事を解ってくれる素敵な女の子がいるだなんで思っていませんでした。


そしてアヤメさんの事を考えると胸がドキドキして顔がほんのり赤らめました。


私は、アヤメさんに恋しているのだと理解しました。


それからしばらくしてからキボウシ……お父様が私に話し掛けました。



「喜べ、ジャスミン、お前に婚約が決まったぞ!


相手は、あのアザレア・テイラー第1王子だ!


どうだ、凄いだろ!


さあ、喜べ!」



お父様は、私の肩を掴んで嬉しそうにニッて笑いました。



「婚約……すいません、この婚約を断らせてください、お父様……」



私は、王子との婚約と聞いてもアヤメさんの事を考えた時みたいに胸がドキドキしませんでした。


私は、頭を下げてこの婚約を断りました。



「本気か、ジャスミン!


相手は、王子だぞ!


何が不満だと言うんだ!」



お父様は、私の肩を掴んで真剣な表情で私を見つめました。



「私には、好きな人ができました。


その人以外付き合うつもりがありません」



私は、真剣な表情でお父様を見つめました。



「そんなの許さんぞ!


無能なジャスミンのわがままを許していたが今回は、許さんぞ!


今回の事に反論があるのならば無能でなくなってから意見を言え!」



お父様は、私を睨んで顔を赤くして怒りました。



「それでは、無能でなくなって誰もが認める素敵な令嬢になったら良いのですわね。


素敵な令嬢なったらアヤメさんとの婚約を許してもらいますわよ!


良いですわよね!」



私は、お父様の気持ちに負けないようにお父様を真剣な表情で睨みました。



「ほーー、あの、ジャスミンが素敵な令嬢にか。


良いだろ、なれるものならばなってみろ!


その変わりになれなかったら政略結婚の道具になってもらうからな!」



お父様は、私を挑発するように真剣な表情で私を睨みました。



「望むところですわよ!」



私は、お父様を真剣な表情で睨み返しました。


私は、アヤメさんと婚約する為にこれから真面目に勉強も運動も頑張るって決意をしました。




アヤメのおかげで王子との婚約を断ったおかげで婚約破棄の破滅フラグが起きなくなってわがままな令嬢から素敵な令嬢になる未来に変わったおかげで乙女ゲームの主人公(ヒロイン)を虐めるイベントをしなくなった為に破滅フラグが起きなくなりアヤメのおかげで悪役令嬢のジャスミンの破滅フラグが折られた事にアヤメは、気づいていませんでした。


そしてアヤメハーレムに悪役令嬢のジャスミンが加わる事になりました。




ーTo Be Continuedー

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