第22章
「みんな今日はすごく集中できたね。これならもう少し練習すれば試合も組めそうだよ」無理やり集中させたのは姉なんだけどな。
「あのさ、舞」
「リズ、どしたの?」
「私、もっとタクマに教えてほしいの。ベイスボウのことでもタクマに訊いたら、舞は怒る?」
「ん?あ、ああ、野球のことだけは特別に許可する。何でも相談せよ」
姉、さっきのプロレスみたいなやりとり、もう忘れてただろ。キャラも変わってるし。
「あ、あ、あああの」蘭ちゃんが珍しく何か言いたそうにしている。
「蘭ちゃん、いいんだよ?何でも言って」
「あの、練習してない時に野球のルール覚えるには、どうしたらいいですか」
「あ、そっか。んー、そう言えば私どうやって覚えたんだっけ?ソフトの時は……」
「俺思うんだけど、実際の野球を観戦したり、野球のゲームなんかも意外に良いと思うよ」
「えっ?ゲーム、ですか?」
心なしか、蘭ちゃんが少し嬉しそうに見えた。
「あ、そうだ。私ね、小さい頃よく拓とパワプロとかやってたんだよ」
「インフィールドフライとか、あれで覚えたよな。ランダウンの時のカバーとかも」
「蘭ちゃん、うちにPSPあるから、貸してあげよっか?拓、あれまだあったよね」
「えっ、いいんですか?」
「ちょっと舞、私は?」リズがごねてきた。さっきからもじもじしてたし、予想通りだけど。
「リズは買うお金あるでしょ、お金持ちなんだし。お兄ちゃんに買ってもらいなよ」
「えー、でも私タクマと一緒にゲームやりたい」
横からリズを睨む長谷川の目つきがやばい。事件に発展しそうなレベル。
「リズ、貴様さっきの話忘れたんじゃないだろうな?拓に手を出していいのは」
「わかったよ舞、だからその怖いモードやめて。ほんとに怖いよ」
「本当に、舞ちゃんのそんな一面、初めて見ましたわ。ねえ美嘉ちゃん」
「ねー薫ちゃん、舞って実は怖いよね。ブラコン半端ないよね」
「貴様ら、何か言ったか?」
「んーん、何もっ」
「こちらの話ですわ」
携帯のメールにPSP……これ書いた時代を感じさせてくれますね。




