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学園生活過去編 7 

王子がザーマから選択を迫られる少し前、学園に通う生徒の間で一つの噂が盛り上がっていた。


ザーマと第三王子メラクの熱愛である。


この学園に通う貴族の子息は、互いに学園の情勢を知るために自分の下働きを使い情報を集めたり、逆に、情報を意図的に流して情勢に有利、不利を生み出したりと、情報戦を日夜繰り広げている。


なぜ、そんなことをするのかといえば、暇だからだ。


もちろん、直接聞いてもそんな答えを返してはくれない。生き馬の目を抜く社交界を生き残るうんぬん、流行り廃りの調査うんぬん、大人の真似事をしたいうんぬんといろいろ語ってくれるだろうが、実際はただ暇なのだ。


で、そんな暇な学園の生徒たちの間で語られている噂は、10代の子供らしく、男女の話がメインである。


誰が誰を想っている。これが一番関心を引ける噂話だ。


特に、一番の人気があったのがザーマに関する話である。

なぜならば、人形のように整った容姿もさることながら、今一番勢いのある家の一人娘でありのに決まった婚約者がいない。さらに4人の男性から毎日熱心に詰め寄られる姿が目撃されていて、とにかく目立つ。

神子として隔離されているために、学園の通常の授業には姿を見せないから、神秘性も高まり、大人気であった。


もう一人、噂の多い人を上げるならば、第三王子メラク・ミスリー・オーランド様になる。


人知を超えた美貌を誇り、王家の宝とまで言われた第三王子を学園に通う人間ならば知らない人はいない。

英雄の孫娘 ノイエ・ノーキン子爵令嬢と婚約しており、日ごろから、仲睦まじく学園内を歩く姿を目撃され、ほほえましいと噂をされる。


この二人がどうして熱愛していると噂されたかといえば、更に数日前にさかのぼる


第3王子メラクの視点


「・・・」

「申し訳ありませんでした。王子様」

「私は、別に、婚約者殿には声をかけていない。」

「ごめんなさいよ。王子様。でも、別にお嬢さんにはあいさつしただけだよ?それもいけないのかい?」

「僕は、お姉ちゃん以外に興味ないよ。」


王子は、目の前に並ぶ4人の男たちをとにかく冷たい目で見ていたが、4人は構わずに言葉を返す。

一応、建前では学園に通う生徒はみな平等である。しかし、ここに永遠と居続けることはかなわない以上、将来の為に、目上の人には従うが普通である。


王家の人間として、幼き頃からすでに十分な教育を受けたメラクが学園に通う必要はない。


では、なぜメラクが学園に通うかというと、ノイエが通っているからだ。

ノイエに男、悪い人間が寄り付かないようにするためである。直接しかn、監視することで、誰も寄り付かなくなると考えメラクは学園に通い始めた。


学園の中で、特に目立つ4人、公爵家の冷たい美貌の令息、伯爵家の恋多き令息、平民出身ながらその天性の才を見込まれた騎士見習いの青年に、神話級の魔術の天才といわれる少年。

この4人には、入学早々にノイエに近づかないようにくぎを刺した。


しかし、4人はこの日、ノイエのただの友人(ザーマ)を使い近づこうとしてきたことが判明した。

だから、王子は4人更に命令した。


「ザーマ・ハイビッシャーの迷惑になるようことはするな!」


4人は不承不承ながら了解する。


やがて、王子と高位の貴族や一般のせいとが集まり騒いでいると教員が呼ばれ、全員に厳重注意が下る。



学園教員 ペオプーレ教員


メラク様ですか?

ええ、眉目秀麗で学業優秀な非の打ちどころのない素晴らしい王子様ですよ?


・・、どこで聞きました?それ?

えぇっと、まあ、喧嘩といいますかね、その、私から聞いたといわないでくださいね?


そうです。

はい、一応は、問題なしにしていますが、その、他の生徒ともめ事を起こしましてねぇ、でも、あれですよ?

私はね、問題ないと思いますよ。


だって、男女が同じ学校で学ぶんですからね?

こう血気盛んな年頃ですしね?いいんですよ。

怪我とかさえ負わさなければ、男同士でとことんやりあうのは間違っちゃいないんです!


いやね、話を聞くと、一人の令嬢に4人かそこらで詰め寄ったという事を王子は怒ったらしいんですよ。

男らしいじゃないですか!

たった一人で、相手は魔術の天才に騎士科の子もいたらしいですけど、一歩も引かずに詰め寄ったらしいんですよ!


私もね、若いころはね、

ん、令嬢の名前?

ザーマ様ですよ。ザーマ・ハイビッシャー様、侯爵家のご令嬢で神子の子ですよ。



学園一般生徒 カーナの視点


大変!たいへーん!大ニュース、大ニュースよ!

ちがーう!ほんとに違うから、マジで大ニュースだから!

あ、あのね、メラク様がザーマ様を抱きしめている見ちゃったの!

嘘じゃないもん!

だから、ホントだって!


それに、私、その場で聞いちゃったんだから、ノイエさんのことで悩むなってメラク様言ってたもん。

守るって、そばにいるってザーマ様にささやくのおっしゃられたの!

とどめにお前が元気でないと悲しいって!


ザーマ様ね、その場で固まってポーっとして王子様と見つめあってたの、素敵だったわ~!

まるで、恋愛小説のようでしたの!

これって、もしかして、やっぱり、そうですよね~!

あ~ぁ、どうしよう、許嫁か本当に愛する人どちらを選ぶってやつでしょ?


ああ、苦しい、互いに想い合っていても、人目に隠れなくてはいけないこの関係!

ああ、でも、私はザーマ様応援するよ!だって、愛し合ってるんだよ!

2人とも!

いや、うそじゃないもん、ホントだからね、私聞いたもん!



教員の証言と、生徒の証言は学園に広がる噂に信憑性を跳ね上がらせる。


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