天女が飛来した
短期連載…のつもりが続いております
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翌朝
李 洸兌様宛に書簡が届けられた。
「ありゃ?美蘭だ」
書簡を見た洸兌様の声で広間にいた皆の視線が洸兌様に集まる。
「美蘭と言うと…洸の村の幼馴染の女の子か…」
ん?雪様はご存じなのかな?洸兌様は私の視線に気が付いたのか説明してくれた。
「俺の二才下で満縞州に働きに出てて、服飾の店で縫製の仕事してるんだ…。書簡のやり取りはずっとしてて…村を出て行く時に顔を見たのが最後でもう十年近くは会ってないな…。」
と、言いながら書簡を広げて見ていく洸兌様の顔は優しい笑顔になっている。うわっ…めっちゃ綺麗…。この空間に女性が居て、あの洸兌様のご尊顔を見たら一発で恋に落ちてるね…。
え?私が居るんじゃないかって?私には緋劉さんがいますのでね!
「ええ?マジで…う~ん。困ったな…」
書簡を読み始めた洸兌様は、そう呟いてから眉間に皺を寄せている。
因みに今、この宿泊所に居るのは洸兌様と螻 雪翔様と私の三人である。
残りの面子は雷慈黒龍国の件で黒龍国民である沙衣さんを連れて、明歌南公国に出向いている。緋劉は通訳兼お世話係で随行している。
苅莫羽牟王国が沙衣さんの事で何か横やりを入れてくるのでは…と懸念されていたが、今の所は大人しい。
「何か…あったのか?」
雪様の声に意識が浮上する。洸兌様はまだ眉間に皺を寄せたまま、書簡を一旦閉じた。
「美蘭の勤めていた店が閉店したらしくって…美蘭が燦坂で何か職を紹介してくれないかって…。俺の紹介出来る所って軍の事務くらいしかないしなぁ…」
「軍属なら…生活も安定する、いいじゃないか?」
雪様がそう言うと洸兌様はジロリと雪様を睨みながら
「だって軍人は男ばっかりだろ」
と当たり前のことを言ってきた。
「それがどうしたんだ?」
「美蘭は血の繋がりは無いけど、俺の妹みたいなもんなのっ大事な妹をこんな獣ばっかりの危険地帯に放り込めるか!」
「その美蘭とやらは家事全般は出来るのか?」
突然、愁釉王の声が広間に響いて振り向くと慶琉夏王以下、出かけていた面子が全員立っていた。
愁様はツカツカ…と歩いて来ると
「凛華、茶を頼む」
と私に言ったので慌てて台所に向かった。すぐに緋劉と沙衣おばあちゃんも台所に入って来た。
「お疲れ様~緋劉。沙衣おばあちゃん疲れてない?」
沙衣おばあちゃんはニコニコしながら頷いている。
「明歌南の大公様との話が上手くいったんだ。部隊を編制して5日後には雷慈黒龍国に向かうことになったんだ、ね?ばあちゃん」
緋劉が沙衣さんに通訳しながら私にも説明した。私はおばあちゃんと手を取り合って微笑んだ。そして三人でお茶と茶菓子を準備して広間に戻った。
「マジですか!?」
洸兌様がちょうど声を上げたところで、何だろう?と緋劉と顔を見合わせていると、愁様は私達を見ながらこう言った。
「沙衣バアは客人だというのに、働かせているこの状況をなんとかせねばと思っておったのだ。今は凛華と沙衣バアしか心得のあるものがおらん状態だから好都合ではないか!よしっ洸兌の幼馴染を採用だ!」
んん?幼馴染というと、美蘭さんのこと?え?
「愁様ぁ本気ですか~?」
洸兌様は愁様の前に膝を突いていた。膝を突いて崩れ落ちている…様にも見える。
「本気も本気だ!皇宮の女官どもは丙琶のような物騒な所には来てくれんし、やっと来たと思ったら、山茶花の連中だわで…もうこちらから胆の据わった女子を選抜するしか手は無いだろう。お前の幼馴染ならお前とも気心もしれているし、凛華達と年も近いから話も合うだろう!何か問題があるか?」
洸兌様は頭を下げていたけど、低ーい声で…御意と呟かれた。
「よしよしっでは早速私から採用の書簡を書いておこうかな~ほらっ洸兌もさっさと返事を書け」
私はお茶と茶菓子を配りながら、梗凪姉様に愁様と洸兌様のやり取りの詳細をお聞きした。
「洸兌様の幼馴染の珀 美蘭さんがお仕事を探しているということで、愁様が特殊遊撃隊の事務員兼女官として採用したい…っておっしゃっているのよ」
なぁ~るほど!確かに皇宮の女官長に断られて、その後は山茶花みたいな碌でもないお手伝いしか来てないし…。渡りに船だね。
「洸兌様!その幼馴染の美蘭さんは、家事全般が得意なのですか?」
私が嬉しくなって洸兌様に近寄ろうとすると、雪様に制された。
「あまり刺激してやるな…」
どういうことだろう?洸兌様はドヨンと暗い目を私に向けてきた。
あ、あれ?洸兌様、目の覚めるような男前のはずなのに…若干不細工になっている気がするよ…。
「あ…?ああ、美蘭は七才の頃に片親だった親父さんを事故で亡くしてから俺ん家で引き取って、兄妹同然で過ごして来て…俺の下の弟達は全部、美蘭が面倒見てきたから…家事は問題ない」
おおっそれは…期待大だね!
洸兌様は心配だ…とか、有り得ない…とかブツブツ呟いていたけど何とか書簡を書き上げ、愁様の採用通知書簡と一緒に美蘭さんに速配で届けられた。
その翌日の夜
美蘭さんからお返事が来た。どうやら洸兌様のドヨンとした気持ちとは裏腹に美蘭さんは大層喜んでいらして、早速荷物を纏めて丙琶に向かうらしい。
「チビ…一生のお願いだ。一緒に燦坂に美蘭を迎えに行くのについて来てくれ…」
なんでまた私を名指し?え?え?緋劉と二人、洸兌様ににじり寄ると理由を明かしてくれた。
「十二才の時に村を飛び出してから村に全然帰ってないんだ…下の弟達の世話を全部、美蘭に押し付けちまった…。手紙のやり取りでは普通に返事を書いてたけど、いざ面と向かって会うとなったら…あいつ怒ってるんじゃないかと思って…怖くて…」
なんとまあ…すごくしっかりしていて大人な雰囲気の洸兌様が意外にも…である。
「チビなら中身はおばさんだし、こんな時は上手く間に入ってくれるんじゃないかな~と」
おいっ一言余計だよ!間には入ってあげるけど、やっぱり余計だよ!
「凛華、俺もついて行ってあげるから…」
口を挟んできた緋劉を思わず睨んだ。
「何よ?頼りないと思っているの?もしかして一周回って私をおばあちゃん扱いしているの?ええ、ええ…魂があるのかどうかは知らないけど、数百年はウロウロしている御婆ですけどねっ!」
「それ言ったらおれもお爺だし…」
ええいっ何度も言うが緋劉のは慰めでも何でもないからね!
美蘭さんが燦坂に到着する日…
飛行風術で燦坂の乗合馬車の乗降場所近くに降り立ち、待合場所で美蘭さんの到着を待った。ここで一つ問題が起こった。
「十年近く会ってねぇから顔が分かんね…」
「ええ!?せめて髪の色は…どんなのでしたか?」
「金と緑の間みたいな色でいつも短くって…え~と目も髪と同じ色で…」
それっぽい人を捜して、あの人は…とか?指差してみたりしてはいたが一向に見つからない。すると人混みの中で…主に男性陣の熱い視線を受けている髪の長いお姉様に目が行った。
その人は栗色と緑の間くらいの髪色で横顔を見る限りはすごく美しい人だった。
「洸兌様…あの人は?」
「ん?おおっめっちゃ美人!…だけど~美蘭じゃねえだろ?だってあいつもっとガリガリだったもん。あんな色っぽい体じゃ…」
と、洸兌様と話しているとその色っぽい美人はキョロキョロしながらこちらに顔を向けた。
すごく綺麗な人…。するとその美人はパアァ…と笑顔になると一直線にこちらに向かって走って来た。胸がすごく揺れてます!
「洸ちゃん、久しぶり!」
「ええっ!?」
美人は私達の前に立つと本当に美しい浄化されるような笑顔を見せながら
「身長伸びたねー洸紀にそっくりだからすぐ分かったよ!」
と、言った。近くで見ると睫毛長ーい。唇プルプルだー。目が大きいー。胸もすごーい。
はっきり言って天女である。漢莉お姉様曰く、天女のようなお姉様である。
「美蘭なの…?」
「そうだよ、元気そうだね!お仕事紹介してくれてありがとうね~助かる!」
ポンポンと小気味いい会話をしている感じから察するに、美蘭さんの性格は元気で明るい方のようだ。美蘭さんは私と緋劉に目を向けると更に笑顔になった。
「もしかして同じ隊の方?わあ、こんな可愛らしい女の子もいるのね、初めまして!珀 美蘭です。十九才よ」
うわ~っ本当に天女だ。綺麗!素敵!
「さ…さぅ…彩 凛華です、十三才です」
「なんで、どもってるの?斈 緋劉、十四才です」
煩いっ‼天女を前に緊張しているんだよ!緋劉をジロリと睨み上げる。
そういえば…
洸兌様がやけに大人しい?気になって隣を見上げると魂を抜かれたみたいな呆け顔で美蘭さんを見詰めていた。
私が洸兌様の脇腹をドンッと突くと我に返ったのか
「ここで立ち話もなんだから…。あ、早速丙琶に行く?」
と慌てて美蘭さんに話しかけた。違うだろうよ…洸兌様よ。ついて来て正解だったよ…。
私は更に洸兌様の脇腹を突いて小声で囁いた。
「何言ってるんですかっ…十年ぶりの再会でいきなり本題に入る前に…言う事があるでしょう!『綺麗になったね、見違えたよ』とか!」
因みに私に抜かりは無い…。私と洸兌様の周りだけ音消しの術を使っている。
洸兌様は目をウロウロさせた後、美蘭さんと向き合うと早口のしかも小声で
「美蘭、綺麗になったな…驚いた」
と言った。それを聞いた美蘭さんときたらねぇ~いやいや~もうビックリするくらいの笑顔で霊力もこれでもかってくらいに飛ばしてね~。頬染めちゃってね~。
「ありがとう…洸ちゃんもすごく格好良くなったね…」
だってさ!ああ、甘酸っぱい!横に立っている緋劉を見ると緋劉も眩しそうな目をしていた。
ものすごい美男美女の恋愛系のお芝居を見ているようである、ここは乗合馬車の乗降場所だけど…。
「さあさ、洸兌様こちらでは目立ってしまいますわ!移動しましょうか!」
と、甘酸っぱい二人を促して少し人気の無い路地に移動した。
「じゃ、早速ですが丙琶に戻りましょうか?」
「こらチビ、いつの間にお前が仕切ってるんだよ」
洸兌様はいつもの調子を取り戻してきたらしく、私の頭を拳で小突いてきた。ところが、洸兌様のいつもの調子を乱す方が今日はここに居た…。
「ちょっと洸ちゃんっ女の子にチビだなんて!私の事も昔よくガリガリとか言って馬鹿にしていたけど、あれって、結構傷つくのよ?」
おお…そうなんですか洸兌様、子供の頃からこういう感じなんですか…。
明らか洸兌様はオロオロし出した。やっぱり、ついて来て良かったよ…。私はまた洸兌様の脇腹を突いた。
「あの時はゴメン…子供だったと…反省しています!」
「あの…悪かったな…子供だったし、言い方悪かった…」
何だかさっきからこの腹話術ばかり多用している気がしている。
「洸兌様…もう行きましょうか?」
流石に中身お爺ちゃんの緋劉がしびれを切らして、そう言ってきた。そして飛行風術で飛ぼうとしたら、洸兌様がまたグダグダ言い出した。
「えっちょい待てよ!四人で固まって飛ぶの?いやさ、なんで緋劉がそんなに美蘭にくっ付かなきゃならねぇの?」
ちょいちょいっ!なんでまたうちの緋劉さんにそんな鋭い目を向けるんだよ、洸兌様!
「私の中で飛行中に落っことしちゃいけない優先順位は美蘭さん>緋劉>洸兌様です!」
洸兌様は私に鋭い目を向けてきた。怖くないもんねっだって中身はおばさんだもんねっ。
「おぃ…四天王の俺より緋劉を優先するだと?」
私はキッとした目で洸兌様を睨みつけた。
「洸兌様はそれこそ落ちたってご自分で何とか出来ましょう?」
「何気にチビの俺の扱い、雑っ!」
「ちょっと待って…今、し…四天王って言った!?」
洸兌様と私、緋劉は叫んだ美蘭さんの顔を見た。
あれ?美蘭さん…洸兌様が禁軍の四天王だって知らないの?
洸兌様の顔を見ると、しまった…みたいな顔をしていた。
「洸ちゃん…私知らないよ?禁軍に推挙されたのは聞いたけど、四天王って…あの四天王?禁軍の上層部の?」
「わざわざ言う必要ないかな…とか思って…」
美蘭さんは顔を真っ赤にして洸兌様に詰め寄った。
「どうして教えてくれないのよっ、あのね禁軍の四天王ってね、子供の…特に男の子の憧れの存在なの!」
そうだろう、そうだろう~。緋劉と二人、大きく頷く。
「洸紀や皆っ…すごく憧れてるのよ?村の皆も知ったら大喜びじゃない…どうして言わないのっ!」
洸兌様はキョトン…と正にそんな顔をしている。
「え?だってお給金は増えたけどやってること、いつもと変わんねぇもん」
いるよねーこういう人!俺ってすげーんだぜ!って言いまくる人と対照的に自分の立ち位置に無関心な人とかね。
「呆れた~!洸ちゃんが四天王だって分かったら洸紀達、自慢のお兄ちゃんだって大喜びなのに!」
だよねだよね~!またも緋劉と二人大きく頷いた。
「もうっ…洸ちゃんさ、全然村に帰って来ないから皆の事が分からないんだよ…」
あ…きたーーっ!この話題、洸兌様が一番気にしていることに触れそうな予感…。
「どうして帰って来なかったの?」
美蘭さんの若干上目遣いの瞳ウルウル攻撃が洸兌様に向かって放たれましたー!対する洸兌様、どう防御するのか!?おおっと…視線を外して直撃を免れつつ…
「忙しくて…」
「それは分かってる…でも毎年は無理でも…一回くらいは…」
おおっとここで洸兌様が助けを求めて私に視線を投げて来ました!仕方ないな…。
「大丈夫ですよ!今年から美蘭さんと一緒に里帰り出来ますからね!」
「っおい…!」
洸兌様にニンマリと微笑んでそう叫んであげた。すると一瞬私を見てから、再び洸兌様に視線を戻した美蘭さんは頬を染めるとそれは嬉しそうに微笑んだ。
「本当だわっ!洸ちゃん一緒に…皆待っているから一緒に帰りましょうよ!」
洸兌様が私に威圧の霊力をぶつけて来るけど、気にしなーい!
「じゃあ私達先に帰りますから!ゆっくり馬車で帰って来て下さいね!」
と、緋劉の腕を掴むと一気に空へと飛びあがった。
「っおい!コラッ‼チビ!まちやがれっ……っ」
洸兌様が私に罵声を浴びせているけど気にしなーい。
「り、凛華!?いいの?あのまま二人置いて来て…」
「いいのいいの~だって丙琶行きの馬車ってほぼ貸切状態になるじゃない?二人っきりで色々話せるいい機会だよ」
緋劉は私の言い分に納得したみたいだ。数分刻で私達は丙琶に着いた。
「あらぁ?あんた達だけ?」
漢莉お姉様が裏庭で鍛錬をしていた。
「漢莉お姉様聞いてくださいよぉ…お?」
後ろ…遥か彼方上空から、ものすごい霊圧を感じる。お姉様も気が付いた。
「あらやだ…え?洸兌ちゃんじゃない?空飛んでるわね…あの子も飛行風術覚えたの?」
うえぇぇぇ!?焦って緋劉を見たら、我関せずでもう室内に入っちゃってる。おいぃ…私を置いて行くな!
急いで室内に入って、広間に居た雪様とか梗凪姉様に説明しようとしたら、バアアンッ…と広間の扉が開かれた。
「おいぃぃぃ…チビぃぃぃ…良い根性してるじゃねぇかぁぁ…ああん?」
すっ飛んで来た洸兌様に頭をグルングルン回された。も、もどしそうですぅぅ…。
「あの…」
広間の入り口に美蘭さんが立っていた。どうやら洸兌様は忘れず?に美蘭さんを連れて飛んで戻って来たらしい。天女美蘭のお姿を見てしまった広間に居たお兄様達の、息を飲む音が聞こえる。美蘭さんは深く頭を下げた。
「珀 美蘭と申します。本日よりお世話になります。宜しくお願い致します」
禁軍のお兄様と慶琉夏王様の執金吾の浅祁さんと薄志さんまでもが、天女美蘭さん目掛けて一気に駆け出した!
…あ、あれ?駆け出したはいいが、皆さん駆けている姿のまま固まっている?あ!何か術がかかって…。この術は!?
「美蘭~挨拶済んだな?おいっチビ、部屋に案内してやって」
と、ものすごい霊圧をビリビリ放ちながら顔は朗らか笑顔で、体の中は霊力メラメラな洸兌様に呼ばれた。
「ぎょ…御意ぃぃぃっ!」
怖えぇぇぇ…急げ急げっ!
「美蘭さんこちらへっ…」
「は、はい…」
ぐぎぎ…と音がしそうなほど、お兄さん達は首だけ根性で動かして天女を一目見ようと頑張っている。
洸兌様がゆっくりと扉を閉めて仁王立ちした所までは私は確認した。
後ほど、緋劉にその後の様子を聞いた所、洸兌様の物真似をしながら完全再現して説明してくれた。
洸兌様は捕縛術をかけたお兄さん達の前で仁王立ちになると、ものすごい霊圧を放ち、強烈に怖い目で一人一人を睨みながら
「おいってめーら、美蘭に指一本でも触れてみろ…ぶっ殺すからな…」
とドスの効いた声と一緒に霊圧をビシビシと当ててきたらしい。
お兄様の中には怖くて失神してしまった方もいたとか…。
「もう胆に銘じているだろうから、勘弁してやれ」
という慶琉夏王の鶴の一声で、洸兌様の捕縛術は何とか解かれたらしい。
「もうっあんな嫉妬に狂った洸兌ちゃんなんて見たくなかったわ!もうっ…」
と、漢莉お姉様が実在してしまった天女に対する嫉妬ややっかみで、ものすごい八つ当たりを雪様やきりちゃんにぶちかましていたらしいけど…私から見れば…ねえ?幼馴染があれほど綺麗になってたら…そりゃあねえ?
ざわつく男の気持ちも分かるわよ。
そうそう
美蘭さんはこの家の部屋数が足りないことで私と同室になったんだけど、どうやら一人部屋にして天女の身を危険に晒してはイカン!という洸兌様の強烈なる配慮らしい。
「おいっチビ…頼んだぞ、頼んだからなっ!」
私に圧をかけるのやめてよ、四天王様。言われなくてもちゃんと守ってあげますから~。
そして本日の夕食から台所の支度の動きが格段に良くなりました。
「凛華、こっちの味付けは大丈夫よ」
「葉野菜切れました」
「揚げ物入ります!」
天女は家事も完璧でした!手際よく下ごしらえから味付けまでこなしてくれます。天は二物も三物も与えるんですね。
ちょっと気がかりだった梗凪姉様と美蘭さんの雰囲気ですが、一つ違いということもあって、長年の友のように楽しそうに話しているようだ。良かった…。
禁軍のお兄さん達も洸兌様から鋭い目を向けられること以外は天女のお姿を見ることは可能なので、皆さんの士気が上がっている様子。
そんなこんなで明日、明歌南公国と合同で雷慈黒龍国に上陸です。




