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QK -1213-  作者: 黄黒真直
第5章 中間テスト
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第34.5話 120×3

「ううう……ひどい……横暴だ……」

「約束通りだろ、何言ってんだ」

 昼休みに、慧たちは第二校舎のカフェテリアに来ていた。カフェと言っても、第一校舎のラウンジよりも少しオシャレな椅子とテーブルが置いてあるだけなのだが、生徒たちには人気だった。

 ひとつ違う点があるとすれば、自販機の存在だった。

 ラウンジには飲料の自販機しかないが、ここにはパンの自販機やアイスの自販機もあるのだ。

「じゃあ私はそのチョコミントアイスを」

 遠野がお金を入れると、橘は遠慮せずにボタンを押した。

「剣持は?」

「えっと、バニラで」

 遠野がバニラを買って、慧に渡す。

「うちはモナカでいいや」

 とアイスモナカを買った。

「別に遠野は食べなくてもいいんだぞ?」

「二人が食べてるところを見てろと!?」

 上級生の目が気になったので、アイスだけ買ったら三人はすぐにカフェを後にした。ラウンジで空いている席を見つけて、アイスを食べ始める。

「あ、テストの順位が出てる」

 遠野が液晶掲示板を見上げて言った。中間試験の結果が、もう出ているのだ。

「違うテスト受けてるのに、一律で結果が出るんだね」

 慧が何気なく言うと、二人が「どういうことだ?」と異口同音に聞いた。

「え? だって、先生によってテスト、違うみたいだよ」

「……言われてみれば、そうだな」と橘。「テストの上の方に、先生の名前が書いてあった」

「まー、良いんじゃない?」と遠野が気楽に答える。「だいたい似たような難しさなんでしょ? というか、剣持はよく気付いたな」

「うん。先輩が去年のテスト見せてくれて……」

 慧は土日に行った勉強会のことを話した。

 すると二人は、大きく口を開けた。

「去年のテスト……!?」

「そうか、先生が同じなら同じような問題が出るんだ……!!」

「その発想はなかった……!!」

 慧はてっきり、どこの部活でも同じ対策をしているのかと思っていたが、そんなことはなかったようだ。伊緒菜のように、いちいち先生の性格まで考えてテスト勉強する人はいないのだ。

「案外、慧も頭いいんだな」遠野がモナカで掲示板を指した。「数学も満点だったし」

 三人で掲示板を見る。数I、数Aともに、第1位に剣持慧の名前があった。しかも、どちらも単独トップだ。

「満点取ったの、慧だけだってよ」

「すげえな」

 二人の賛辞を、慧は素直に喜んだ。

「慧って、数学、好きなの?」

 橘が聞いた。慧ははにかみながら、

「うん」

 と答えた。

「どんなところが好きなの? 教えてよ」

「え、良いの?」

「『良いの?』って……変な反応だな」

 慧は苦笑した。確かに変だが、それが慧の……少なくとも今までの慧の普通だった。

 昼休みが終わるまでの数十分間、慧は嬉々として、数学の話をした。

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