先人たちの願い
未來王の一番弟子、
極等級ウィザード・シップ。
未來王に問う。
「未來王、
世界の行く末……、
どうなるのでしょう?」
未來王、
ネオ・トレジャン・ヴェルセント・マイタレイヤ、
返答する。
『さあ? どうでしょうか?
分かりません。
日々刻々、揺れ動くのが未來です。
それは人間の心と同じです
何事においても安泰などありません』
「やはり……、
この先の未來……、
厳しいのですね?」
『いえいえ、
そんなことは言っていません。
悲観的になるのは早いです。
過去を振り返ってみてください。
先人たちの願い、
時代を越えて叶えられています』
「ふむ、
ああ、なるほど……、
便利な世の中になりました。
ライフライン、整いました。
陸海空、交通手段もあります。
あらゆる電化製品、世にあふれています。
贅沢すぎますね?」
『遥か昔、先人たちは……、
太陽が昇ることを喜びました。
降り注ぐ恵みの雨に感謝しました。
そうして今日まで、
生命を繋いできました。
そんな彼らは神に願ったはずです。
暑さ寒さをしのぎたい……、
病を和らげたい……、
お腹を満たしたい……、
強く祈願していたことでしょう』
「道もない、橋もない、灯りもない……、
不便が当たり前の世の中でした」
『遥か昔……、
今のような娯楽はありませんでした。
先人たちは何を想っていたのでしょうか?
真っ暗な夜に星空を見上げて、
空想に耽っていたのかもしれません。
もしかすると、
そうして神話が生まれたのかもしれません。
古代から語り継がれる物語……、
実に感慨深いです』
「ですが、だいぶ脚色されています。
もはや正邪の分別が難しいです。
清濁併吞……、
世の中に溢れてしまっています」
『ハハ、それでもいいのです。
ではそのうち神話について……、
皆で語り合いましょう』
「はっ、
是非に……!」
『恐らく……、
先人たちは黄道十二星座を見つめ、
神々に祈りを捧げていたのです。
そしてその願い、ひとつづつ、
叶えられてきたのです』
「星座に神話を重ねていたのですね?
まさに太古のロマンです」
『本当にそうですね。
いずれは誰もが先人となります。
そんなあなたに質問します。
……もしも、
天空に神が存在するとするならば、
あなたは何を願いますか?
これからを生きていく未來の方々のために、
何を祈りますか……?』




