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10年ぶりに再会した幼馴染と、10年間一緒にいる幼馴染との青春ラブコメ  作者: 桜庭かなめ
特別編6

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第4話『ガールズパジャマトーク』

 4人とも好きな日常系アニメの最新話の放送が終わったのは午前0時。お菓子を全部食べたし、日付が変わったのもあってそろそろ寝ようということになった。

 みんなでローテーブルやクッションを部屋の端に動かしたり、あおいちゃんの家にあるお客さん用の布団を敷いたり、歯磨きをしたり、お手洗いを済ませたりと寝るための準備をしていった。友達と一緒にこういうことをしていると、修学旅行とか林間学校とかを思い出すなぁ。

 あおいちゃんの部屋の広さもあって、敷けた布団は2組。あおいちゃんのベッドはセミダブルなのもあり、ベッドと布団それぞれ2人ずつ寝ることになった。


「私、美里ちゃんと一緒にベッドで寝たいです! 美里ちゃんとだけは一緒に寝たことがありませんから……」


 と、あおいちゃんはそんな希望を出した。

 思い返すと、あおいちゃんはゴールデンウィークにリョウ君の家でお泊まりしたときは私と隣同士で布団に寝て、夏休みに私の家でお泊まり女子会をしたときは理沙ちゃんと隣同士で布団に寝ていたっけ。だから、美里ちゃんと一緒に寝たいと考えるのも頷ける。


「うふふっ。お風呂に続いて寝るのもあおいさんに誘われて嬉しいわ」


 と、美里ちゃんは結構嬉しそうに言う。一緒に寝たいって言われるのは嬉しいよね。しかも、今日は初めて一緒にお風呂に入ったんだから。


「私はあおいさんのお誘いに受けたいと思っているわ。愛実さんと理沙さんはどう?」

「私はかまわないよ」

「あたしもかまわないわ」

「2人ともありがとう。じゃあ、一緒にベッドで寝ましょうか、あおいさん」

「はいっ! ありがとうございます、美里ちゃん! 愛実ちゃんと理沙ちゃんもありがとうございます!」


 美里ちゃんとあおいちゃんは嬉しそうにお礼を言った。希望を出したあおいちゃんは特に嬉しそうで。

 ということで、あおいちゃんと美里ちゃんがベッド、理沙ちゃんと私が布団で寝ることに決まった。

 さっそく、美里ちゃんはベッド、理沙ちゃんと私は布団に入る。普段はベッドで寝ているから、こうして布団に入るだけでお泊まりしているんだなって実感できる。


「では、電気を消しますねー」


 あおいちゃんはそう言うと、部屋の照明を消した。ベッドに入ると、ベッドライトを点けた。暖色系の優しい灯りが部屋の中をぼんやりと照らす。


「これまでみんなと一緒に楽しい時間を過ごして、寝るときまで自分の部屋にみんながいて嬉しいです。みなさん、今回は突然のお誘いにも関わらず、受けてくれて本当にありがとうございます!」


 あおいちゃんはとても嬉しそうな笑顔でお礼を言った。あおいちゃんが思い描くような時間を過ごせていると分かって嬉しい気持ちになるよ。


「いえいえ。あおいちゃんが企画して誘ってくれたおかげで、楽しい時間を過ごせているよ」

「愛実の言う通りね。あおいのおかげで楽しく過ごせているわ」

「私も楽しく過ごせているわ、あおいさん。あと、みんなで寝る準備をして、布団やベッドに入ると修学旅行のような感じがして。3人とは別の高校に通っているから、そういった感覚を味わえて嬉しいわ」


 理沙ちゃんと美里ちゃんも楽しい時間を過ごせているんだね。

 あと、美里ちゃんは私とあおいちゃんと理沙ちゃんとは違う高校に通っているから、一緒に修学旅行に行くことはできない。恋人の鈴木君やリョウ君、道本君とも。だから、私達と過ごす中で修学旅行気分を味わえるのが嬉しいのかもしれない。


「みなさんも楽しい時間を過ごせていて嬉しいです。美里ちゃんが修学旅行気分を味わえていることも。……では、より修学旅行気分になれるように、寝る前にパジャマトークしませんか?」

「いいわね。定番だし。小学校でも中学校でも修学旅行の夜は友達とパジャマトークしたわ」

「私もそうだったよ。中学の修学旅行のときは同じ部屋だったし色々話したよね、理沙ちゃん」

「そうね」

「では、みんなでパジャマトークしましょうか。修学旅行の夜でトークする定番の話題は……恋バナでしょうか」

「定番ね、恋バナ。これまでの修学旅行で盛り上がったわ。あと、中学の修学旅行のときは、力弥君とのことを色々と訊かれたからたくさん話したわぁ」


 そのときのことを思い出しているのか、美里ちゃんはニコニコとした笑顔になっている。美里ちゃんは鈴木君のことが大好きだから、鈴木君について楽しそうに語る姿が容易に想像できる。


「恋バナは定番よね。……そういえば、中学の修学旅行のとき、愛実は麻丘君とのことを訊かれていたわね。幼馴染で一緒にいることが多いから」

「そうだったのね」

「付き合う前から、愛実ちゃんと凉我君は仲睦まじい感じでしたからね。凉我君のことを訊かれるのも納得です。あと、凉我君がかっこよくて素敵なのもありそうです。凉我君のことが気になっているけど、幼馴染の愛実ちゃんとの関係はどうなのかといった理由で」

「それはあったかもしれないね。……リョウ君のことをどう思っているのかとか、実は付き合っているんじゃないのかとか訊かれたよ。リョウ君のことが好きだって言う勇気はなかったから、小1の頃からお隣さん同士の仲の良い幼馴染だよって答えたのを覚えてる」

「確かにそういう風に答えていたわね」


 うんうん、と理沙ちゃんは笑顔で頷く。

 ちなみに、小学校の修学旅行のときもリョウ君のことを訊かれて、同じように答えたっけ。

 小学校の修学旅行や中学校の修学旅行のときの私に、高校2年生の夏からリョウ君と付き合い始めたよって教えたらどんな反応をするだろう? ……小1の頃からずっと好きだし、凄く喜びそう。


「では、この4人でも恋バナをしましょうか」

「私はかまわないけれど……3人はいいのかしら?」


 美里ちゃんは私達のことを見ながらそう問いかけてくる。その真意はすぐに分かった。私の恋人はリョウ君で、あおいちゃんと理沙ちゃんはリョウ君に告白してフラれたから。それも先月のことだし。だから、恋バナをしていいのか訊いたのだと思う。


「きっと、凉我君のことがあって、そう訊いているんですよね。私はかまいませんよ。フラれましたけど、付き合っている相手は愛実ちゃんですし。学校とかでも仲のいい様子は見ていますから」

「あたしもあおいと同じ感じ。だから恋バナをしてもかまわないわ」


 あおいちゃんと理沙ちゃんは落ち着いた笑顔でそう言う。


「あおいちゃんと理沙ちゃんがかまわないなら、私も恋バナをしてもかまわないよ」

「そうなのね、分かったわ。では、恋バナをしましょうか」


 この4人での恋バナか。どんな感じになるだろう。恋人がいる私と美里ちゃんに質問が集中したりするのかな。


「あの……愛実ちゃん。訊きたいことがありまして」

「うん、どんなことかな?」

「愛実ちゃんは……凉我君と、え、えっちまでしているじゃないですか。凉我君とのえっちってどんな感じですか? き、気持ちいいですか?」


 あおいちゃんは私のことを見つめながらそんなことを訊いてきた。内容が内容なだけに、あおいちゃんの顔は頬を中心に赤くなっている。

 リョウ君とえっちまでしていると知られているから、その類のことを訊かれるかもしれないと思っていたけど、まさかいきなり訊かれるとは。リョウ君とのえっちを思い出して体が段々と熱くなってきた。


「いきなり凄いことを訊くわね、あおい」

「私も同じことを思ったわ」

「愛実ちゃんと凉我君がえっちまでしていると知っていますから、どんな感じなのか気になりまして。それに、私も凉我君のことが好きですし、凉我君にフラれるまでの間は……凉我君と付き合ってそういうことをしたいなって思っていましたから……」


 あおいちゃんはそう言うと、しおらしい感じになる。顔の赤みが強くなって。あと、いつもは快活なので、今みたいなあおいちゃんは新鮮で可愛いな。

 私もリョウ君が好きになって、ある程度大きくなってからは……リョウ君といつかは付き合って、キスとかえっちをしたいって思っていた。だから、あおいちゃんの今の言葉は共感できる。


「まあ、あたしも……気にはなるわね。麻丘君が好きだし、告白してフラれる前は……麻丘君と付き合ってイチャイチャしたいって思ったこともあったし。それに、麻丘君の恋人は親友の愛実だし」


 理沙ちゃんは私のことをチラチラと見ながらそう言う。あおいちゃんほどじゃないけど、理沙ちゃんも顔が赤くなっていて。普段は落ち着いていて、クールに振る舞うときもあるから、いつもと違った雰囲気で可愛い。


「ふふっ、あおいさんも理沙さんも可愛いわね。私も友人カップルの性的な話を聞きたいわっ」


 美里ちゃんはニコッとした笑顔でそう言ってくる。美里ちゃんはえっちな雰囲気の話が大好きなのかも。

 3人とも聞きたがっているし……リョウ君とのえっちについて話そう。


「えっと、リョウ君とえっちするのは……き、気持ちいいよ。幸せな気持ちになれるよ」


 3人のことを見ながら、私はリョウ君とのえっちについて正直な感想を言った。あぁ……全身が熱い。顔は特に熱い。あおいちゃんや理沙ちゃん以上に顔が赤くなっているんだろうなぁ。

 えっちについて話したから恥ずかしいけれど、リョウ君とのことだから幸せな気持ちもあって。


「そ、そうなんですねっ。えっちすると気持ち良くて幸せな気持ちになれるんですね」

「顔が真っ赤だけど、いい笑顔になっているものね」


 あおいちゃんと理沙ちゃんははにかみながらそう言ってくる。


「愛実さんの言うこと、分かるわぁ。大好きな恋人とするえっちって、気持ち良くて幸せな気持ちになれるわよねっ」


 美里ちゃんは弾んだ声でそう言う。美里ちゃんは鈴木君っていう恋人がいるし、えっちも経験済みだもんね。美里ちゃんなら共感してくれるんじゃないかと思っていた。鈴木君としているときのことを思い出しているのか、美里ちゃんは興奮気味。


「愛実さんはどんなときが特に気持ち良かったり、幸せに感じたりするのかしら? 私、気になるわっ」


 美里ちゃんはワクワクとした様子でそんなことを訊いてきた。

 どんなときが特に気持ち良かったり、幸せに感じたりするのか……か。多々あるけど、それらを全部言ってしまったら、リョウ君が3人にどう思われるかが不安だ。ここは代表的なことを言おう。


「キスしたり、抱きしめ合ったりするときは特に気持ちいいかな。キスしたときは幸せにも感じるよ。あと、リョウ君が好きだとか気持ちいいって言ってくれたときも幸せだなぁ。あと、気持ち良さそうな表情を見せてくれたときにキュンってなる。可愛いし」

「そうなのね! とても素敵だわぁ。あと、愛実さんの言うこと分かるわぁ。キスとかハグとかをしているときって本当に気持ちいいわよね! もっともっと力弥君のことが好きになっていくし」

「もっともっと好きになる気持ち……分かる」


 普段からそうだけど、リョウ君とキスとかハグをすると、リョウ君のことが好きな気持ちが膨らんでいくから。

 私が共感したからか、美里ちゃんは嬉しそうな笑顔になっている。可愛い。


「美里ちゃんが特に気持ち良くなるときってどんなとき?」

「そうね……自分が動いているときかしら。力弥君の動きが悪いってわけじゃないわよ。ただ、自分の動き次第で気持ち良くなれるのもいいなって。あと、自分が動く中で力弥君が気持ち良さそうにしているのを見られると本当に嬉しくて、より気持ち良くなるの」

「あぁ……分かる。自分が動いて気持ち良くなってもらえるのって嬉しいよね」

「うんうん!」


 美里ちゃんはニッコリとした笑顔で何度も頷いている。本当に可愛いなぁ。きっと、えっちしているときはこういう可愛い笑顔を鈴木君にたくさん見せているんだろうなぁ。


「恋人がいる経験者同士の会話は凄いですね。聞いていてドキドキします」

「そうね、あおい。それに、2人それぞれの恋人はあたし達の友達だし……」


 あおいちゃんと理沙ちゃんは美里ちゃんと私を見ながらそう言ってくる。そんな2人の顔は頬を中心にかなり赤くなっている。えっちについて話しているし、私と美里ちゃんそれぞれの恋人が友達だからドキドキしちゃうか。


「そ、そうなんだね。あと、ごめんね。美里ちゃんと私で話が盛り上がっちゃって」

「愛実さんと共感できるのが嬉しくてつい話しちゃったわ」

「いえいえ、いいんですよ! お気になさらず」

「あおいの言う通りよ。それに……愛実も美里も恋人と幸せに過ごせているんだって分かって嬉しいし」

「そうですね、理沙ちゃん」


 あおいちゃんも理沙ちゃんも笑顔でそう言ってくれる。美里ちゃんと私でえっちの話題で盛り上がっちゃったけど、2人が特に嫌な想いをしていないと分かって安心した。それに、私の恋人は2人が好きなリョウ君だし。


「それなら良かったよ」

「良かったわ。……ただ、愛実さんと私で盛り上がったし、ここであおいさんと理沙さんに質問しようかしら。2人って気になっている人とかはいる? まあ、麻丘君のことがあってからそこまで日は経っていないから、この質問は野暮かもしれないけれど。恋バナの定番だから質問してみたわ」


 美里ちゃんはあおいちゃんと理沙ちゃんにそう問いかける。

 美里ちゃんの言う通り、誰か気になっている人はいるかっていうのは、恋バナでの定番の質問だよね。小学校や中学校の修学旅行でもこの質問をする子がいたな。


「私は気になっている人はいませんね。それに、今でも凉我君が好きですし。フラれて1ヶ月ほどですし、凉我君はとても素敵な人ですから……今後しばらくの間は次の恋をすることはないと思います」

「あたしも気になっている人はいないわね。あたしはフラれて1ヶ月半くらい経つけど、麻丘君のことが今でも好きだし。麻丘君ほどに素敵な人とはそうそう出会わないんじゃないかって思うわ」


 あおいちゃんも理沙ちゃんも気になっている人はいないか。あと、2人ともリョウ君が好きだって言うだけあって、いい笑顔になっている。


「あっ、好きだと言っても、凉我君を愛実ちゃんから盗ろうとは全く思っていませんからね。安心してください」

「あたしもよ、愛実」

「分かってるよ。それに、リョウ君を素敵だって言ってくれるのは嬉しいよ」


 私はそう言い、隣の布団にいる理沙ちゃんの頭を優しく撫でる。すると、理沙ちゃんは柔らかい笑みを顔に浮かべた。

 起き上がって、あおいちゃんにも優しく頭を撫でる。あおいちゃんも理沙ちゃんと同様に柔らかい笑顔になった。


「2人とも気になっている人はいないのね。フラれても、好きな人の存在は大きいわよね。分かったわ」


 美里ちゃんは納得した様子でそう言った。

 フラれても好きな人の存在は大きい……か。あおいちゃんも理沙ちゃんも今でもリョウ君が好きだし、素敵だと言ったから、美里ちゃんはそう表現したのだと思う。


「ふああっ……」


 美里ちゃんが可愛らしいあくびをする。


「眠くなってきたわ。今日はバイトがあったし、あおいさんと一緒にベッドに入っているのが気持ちいいのもありそう」

「ふふっ、嬉しいですね。では、そろそろ寝ましょうか」

「そうね。あたしも眠くなってきた。部活があったし」

「私もお布団が気持ちいいから眠くなってきた」

「分かりました。では、みなさん。おやすみなさい」

『おやすみなさい』


 みんなでおやすみの挨拶をすると、あおいちゃんはベッドライトを消した。

 仰向けの状態になって、肩のあたりまで掛け布団を掛ける。

 リョウ君とのえっちについて話してドキドキしたのもあり、布団の中はかなりあったかい。ただ、9月も下旬になって夜は涼しいので、この温かさがとても心地いい。それもあり、目を瞑ると程なくして眠りに落ちてゆくのであった。

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