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到着
まぶたを閉じていたが、視界が明るくなったのが分かる。到着したのだ。
ゆっくりと目を開けると、そこは広大な草原が広がっていた。
「よし、着いたな。 俺さ、エアロックは乾燥地帯と聞いて荒野を連想してたんだが、思った以上に草が生えてる場所だったんだな」
アルフットが居た方を見たが、そこには誰もいなかった。
「アルフット?」
広大な草原の中でポツンと機械人間がただ1人。
リアの掛け声はやまびこになる事もなく、むなしく空へと消えていく。
「…」
リアはアルフットがいないと確信すると、ふらりと歩き始めた。
あてはない、真昼の太陽光を浴びながら、ただ真っ直ぐ進んだ。