ドラゴンのたおしかた
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国王陛下との謁見が終了し、興奮冷めやらぬ中、団長の指示で僕はクラン「知識の結晶」に足を運んだ。
「すみません、こちらに呼ばれていると伺ったのですが。」
「ああ、『郷里の憧憬』の!話は聞いておりますよ!さあこちらへ!」
受付に確認をとると、妙なテンションで中に案内された。
向かった先は、ディオドラ王国に関する歴史書を保存する部署らしい。
「こちらに保管されているのは、『王国先賢伝』と呼ばれる、ディオドラ王国の歴史書です。王国建国後、歴史的な事件や発見があった際に、こちらに記されることになっております。」
案内してくれた眼鏡の男性が、意気揚々と説明を行う。
「こちらは原本ですが、写本されたものならば、市井でも出回っておりましてね。人気なのは、初代ディオドラ国王が建国した際に記された『第1章』、飢饉の際に新たな作物を導入した時のことを記した『第4章』などがありますね!」
「は、はあ…。そうですか…。」
僕は、受付係の人の勢いに押されながら、苦笑いで尋ねる。
「それで、僕はなぜこちらに呼ばれたのでしょうか?」
「おや、聞いておりませんでしたかな?今回のドラゴン討伐は、『王国先賢伝』に記載される運びとなりました。そのため、実際にドラゴン討伐にあたったユーリさんに、詳しくお話を聞こうと思いまして。」
聞いてないんですけど!
「ぼ、僕よりも直接ドラゴンを殴り飛ばした団長とか、知識人のハービットさんに聞いた方が良いのでは?」
僕は何とか、別の人に責任を押し付けようとした。
「グラディオス氏もハービット氏も、自分の仕事で手いっぱいだったそうで、指令役として一歩引いていたユーリ氏のほうが適任とのことでした!」
だめだ!既に話が通っている!団長もハービットさんも、面倒そうな仕事を僕に押し付けたな!
クランの生贄にされた気分の僕に、案内係の男性が生き生きと声をかける。
「さあさあ、ドラゴンはどんな声で鳴くのですか?炎の息吹の感想は?どうやって仕留めたのですか?くぅーっ!お聞きしたいことがたくさんありますが、先に『王国先賢伝』の副題を考えてしまいましょう。この写本は絶対に売れますよー!何せドラゴン討伐なんていう生ける伝説達の伝記ですからね!誰からも分かりやすい、キャッチーな副題を期待していますよ!」
彼の声を聴きながら、僕は遠い目をしてつぶやいた。
「どうしてこうなった?」
◆◆◆
ディオドラ王国を襲ったドラゴンの襲撃は、英雄たちの手によって終焉を迎えた。
王国国民たちは皆、その雄姿に熱狂し、彼らの活躍を知らんとするため、「王国先賢伝」の写本は未曽有の大ヒットとなった。
彼らが求めたその本の名は…。
「王国先賢伝 第7章 ドラゴンのたおしかた」
次回から主人公の過去編に移ります。
本題のドラゴンの倒し方は描きましたので、完結済みの状態で数話投稿する予定です。
最後まで、よろしくお願いいたします!
また、この作品の投降後、新しいファンタジー作品を投稿予定です。
ぜひそちらもご覧いただけると、幸いです!




