総攻撃
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決死の覚悟で放った一矢に対して、ドラゴンは回避を選択した。
身をよじり、弓矢から逃れようとする。
「グアラアァアァァァアア!!!」
頭部を押さえつけていた鎖が抜けて、ドラゴンが頭を空に向ける。
その瞬間、ドラゴンの口の中に蓄えられていた炎の息吹が、空にはびこる分厚い雲を貫いた。
ひどい雨が一気に上がり、雲の切れ間からは太陽が顔をのぞかせている。
ドラゴンの突然の行動に、全員が一瞬固まるが、団長が声を張り上げる。
「もう一度、奴の頭を俺の前にもってこい!!!」
その声にはじかれたように、僕は全員に指示を出す。
「皆さん、ドラゴンの後ろ足を押さえておいてください!」
「ゴー君、レムちゃん!」
フィーネさんとゴーレムの二人が、ドラゴンの後ろ足を抑え込む。
「死んでたまるかっ!」
「うぬぉお!年寄りをなめるなぁ!」
「ディオドラ王国、万歳!」
ガルムさんとマーゼルさん、カーマインさんが合わせるように飛びついた。
「ねぇこれ、私が押さえる意味あるかなぁ!?」
「お姉ちゃん役立たずになっちゃったから、これくらい頑張って!」
クララちゃんとウララちゃんも必死にドラゴンにしがみつく。
「頭の鎖は抜けてしまいましたが、後ろ足は抜けさせません!」
ハービットさんが魔法をかけなおしてくれたようだ。
皆の奮闘もあり、態勢を崩しているドラゴンがたたらを踏んだ。
しかし、これだけではまだ足りない。
「ザイツェフさん、お願いします。」
僕の言葉が届いたかのように、狙い通り、ドラゴンの下あごにバリスタの矢が突き刺さった。
翼の時と同じように、ドラゴンに対するダメージは小さいが、着弾の衝撃でドラゴンが仰向けにひっくり返った。
「全員退避!!」
ズンと重い音が響き渡る。このすきを見逃す団長ではなかった。
団長は、ドラゴンの体を一気に駆け上がり、ドラゴンの頭部へたどり着く。
手に持った金砕棒を大上段に構える。
「よう、最後にビビった、お前の負けだぜ。」
団長が金砕棒を勢いよく振り下ろす。
狙いは刺さったままのバリスタの矢だ。
ガキイィィィィイイン!
強烈な音を響かせて、バリスタの矢がドラゴンの脳天に突き刺さる。
「グアラアァアァァァアア!!!!」
ドラゴンが大声を上げ、暫く痙攣したのち、その命を散らした。
その姿を確認して、ゆっくりと団長が起き上がる。
「俺たちの勝ちだ!!!」
全員がこぶしを太陽に向かって突き上げた。




