8話:私の中の何か
「…エリア、きっと大丈夫だよ。だって、君には、ルナがついてる。それに…僕だって、君の味方だ。だから、一緒に頑張ろう!」
レオンさんの力強い言葉が、私の心に響く。
そうだ…私は一人じゃない。
ルナがいる。
レオンさんがいる。
この猫カフェ「ルナ」がある。
「…はい! 頑張ります!」
私は、レオンさんの目を見て、笑顔で答えた。
レオンさんは、私の返事を聞いて、嬉しそうに笑った。
「よし! じゃあ、まずは、腹ごしらえだ! 今日のまかないは、特製猫型オムライスだぞ!」
レオンさんは、そう言って、キッチンへと向かった。
「わーい! 楽しみ!」
私は、ルナを抱きかかえると、カウンター席に座った。
ルナは、私の腕の中で、気持ちよさそうに目を閉じた。
私は、ルナの温かさを肌で感じながら、心の中でつぶやいた。
(…ルナ…私…頑張るね…。)
しばらくすると、レオンさんが、美味しそうな匂いを漂わせながら、猫型オムライスを運んできた。
「はい、どうぞ! 特製猫型オムライス、できあがり!」
レオンさんは、笑顔でオムライスをテーブルに置いた。
オムライスは、ケチャップで猫の顔が描かれていて、とっても可愛い!
「わぁ…可愛い! ありがとうございます、レオンさん!」
私は、目を輝かせて、オムライスを見つめた。
「どういたしまして。さあ、熱いうちに食べよう!」
レオンさんは、そう言って、自分の分のオムライスを手に取った。
私も、フォークを手に取り、オムライスを口に運んだ。
「ん~! 美味しい!」
ふわふわの卵と、チキンライスの相性は抜群!
レオンさんの作るオムライスは、本当に世界一美味しい!
「ふふ、気に入ってくれてよかった。」
レオンさんは、私の笑顔を見て、嬉しそうに言った。
私たちは、猫型オムライスをペロリと平らげた。
「ごちそうさまでした!」
私は、満腹のお腹をさすりながら、言った。
「美味しかった! レオンさん、ご馳走様でした!」
「どういたしまして。…それじゃあ、エリア、そろそろ仕事に戻ろうか。」
レオンさんは、そう言って、カウンターの中に戻った。
「はい!」
私も、ルナをカウンターの上に戻して、仕事に戻った。
午後のひととき。
猫カフェ「ルナ」には、穏やかな時間が流れていた。
私は、猫たちと戯れたり、お客さんとの会話を楽しんだりしながら、仕事をこなしていく。
でも、心のどこかで…
ルナの言葉…
レオンさんの言葉…
そして…
私の中に眠る…
《特別な力》…
のことを考えていた。
(…私…一体…どうなるんだろう…。)
私は、不安な気持ちと、期待が入り混じった、不思議な気持ちを抱えていた。