表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
猫カフェと世界の秘密  作者: lughrugh
世界の秘密、猫の手ほどに
35/48

3話:セレーネの住処、再会のとき

ローザに案内され、私たちはセレーネの住処へと足を踏み入れた。


重厚な木の扉を開けると、目の前に広がるのは、緑あふれる庭園。


色とりどりの花々が咲き乱れ、甘い香りが漂っている。


赤や黄色のバラ、青いユリ、白いマーガレット…。


色とりどりの花々が、まるで、絵画のように美しい模様を描いている。


花壇の周りでは、ミツバチが忙しそうに飛び回り、その羽音が、静かな庭園に、心地よいリズムを刻んでいた。


「わぁ、きれいなお庭!」


私は、思わず歓声を上げた。


レオンさんも、目を輝かせていた。


「すごいな、まるで、絵本の世界みたいだ。」


ルナも、興味津々といった様子で、花壇の周りを歩き回っていた。


庭園の中央には、噴水が勢いよく水を噴き上げ、白い水しぶきが、太陽の光に輝いて、まるで、ダイヤモンドの粒を散りばめたように美しい。


噴水の水音が、庭園に涼しげな雰囲気を与え、私の心を、穏やかに落ち着かせてくれる。


その周りでは、小鳥たちが楽しそうにさえずり、美しい歌声が、庭園いっぱいに響き渡っていた。


小鳥たちのさえずりが、まるで、私たちを歓迎する歌のように聞こえてくる。


「なんて美しい庭園…。」


私は、思わず呟いた。


レオンさんとルナも、その美しさに目を奪われていた。


「セレーネ様は、いつもこの庭園で、お茶を楽しまれています。」


ローザが、そう教えてくれた。


ローザの言葉は、いつも通りの軍人風ではあったが、その口調には、セレーネへの深い敬愛の情が込められていた。


私たちは、ローザに案内され、庭園を抜け、建物の中へと入った。


建物の中は、外見とは裏腹に、とても明るく、開放的な空間だった。


高い天井からは、シャンデリアがキラキラと輝き、無数のクリスタルが、太陽の光を受けて、虹色の光を放っている。


私は、シャンデリアを見上げながら、

この世界の魔法の技術に、改めて驚嘆した。


壁には、美しい絵画が飾られていて、まるで、美術館に迷い込んだかのようだった。


絵画の一つ一つが、この世界の歴史や文化を物語っているようだった。


そして、床には、ふかふかの絨毯が敷き詰められ、歩くと、足音が吸い込まれるように静かだった。


窓の外には、夕焼け空が広がり、茜色に染まった雲が、ゆっくりと流れていく。


その美しい光景は、まるで、私たちを歓迎しているかのようだった。


「こちらが、応接間でございます。」


ローザが、そう言って、扉を開けた。


応接間は、広々としていて、豪華なソファセットが置かれていた。


淡いピンクのソファは、ふかふかで、座り心地が良さそうだった。


窓からは、庭園の景色が一望でき、とても気持ちの良い空間だった。


「セレーネ様、お客様がお見えになりました。」


ローザが、部屋の奥に向かって、そう言った。


次の瞬間、部屋の奥から、白いワンピースをまとったセレーネが現れた。


長い黒髪をなびかせ、優雅に歩く姿は、まるで月夜の女神のよう。


「エリア、レオン。よく来てくれたわね。」


セレーネが、私たちに、優しく微笑みかけた。


その笑顔は、まるで、春の陽だまりのように温かかった。


セレーネは、私たちを温かく迎えてくれた。


その優しさに、私は、

この世界の厳しさと優しさ、

光と闇が、

表裏一体であることを、

改めて実感した。


「そして…。」


セレーネは、ルナを見て、

少し驚いたような表情を見せた。


「ルナ…?」


セレーネは、ルナに近づくと、

そっとルナの顔を見つめた。


「その雰囲気…

もしかして…

ルナ…なの…? 」


セレーネは、ルナに、

そう尋ねた。


ルナの顔を見つめるセレーネの瞳には、驚きと、そして、深い愛情が、同時に映し出されていた。


ルナは、そんなセレーネの視線に、

静かに頷いた。


セレーネの瞳から、大粒の涙がこぼれ落ちた。


それは、再会の喜びと、

そして、

ルナが人間へと変貌を遂げたことへの驚きが、

入り混じった涙だった。


「ルナ…!」


セレーネは、ルナを強く抱きしめた。


「本当に…ルナなのね…!」


セレーネは、ルナの肩に顔をうずめ、声を上げて泣いた。


ルナも、セレーネの背中に手を回し、優しく抱きしめた。


「ええ…セレーネ…。やっと…会えたわね…。」


二人の間には、言葉にはできない、深い絆が、確かに存在していた。


再会の喜びと、長い年月が流れたことへの切なさ、

そして、これから始まる新たな冒険への期待が、

複雑に絡み合い、

二人の心を揺り動かしていた。


私は、二人の様子を見て、胸が熱くなるのを感じた。


ルナとセレーネ…


二人は、本当に…


特別な関係なんだな…。


セレーネとルナは、しばらくの間、抱き合ったままだった。


他の誰も入ってこられない、二人だけの世界。


それは、まるで、時が止まったかのような、

永遠にも思える一瞬だった。


そして、セレーネは、ゆっくりとルナから離れると、ルナの顔を両手で包み込み、じっと見つめた。


「ルナ…。」


セレーネは、ルナの瞳を見つめながら、優しく語りかけた。


「あなたは…ずっと…私の…心の支えだった…。」


セレーネの言葉に、ルナの瞳にも、涙が浮かんだ。


「セレーネ…。」


ルナは、セレーネの手を取り、優しく握り返した。


「私も…ずっと…あなたのことを…思っていたわ…。」


二人は、再び、互いに見つめ合い、静かに微笑み合った。


「エリア、レオン。どうぞ、こちらへ。」


セレーネが、私たちに、ソファを勧めた。


ふかふかのソファに腰を下ろすと、心地よい安堵感が、私の体を包み込んだ。


長い旅の疲れが、少しずつ癒されていくのを感じた。


「お茶はいかがかしら?」


セレーネが、尋ねた。


「ええ、お願いします。」


私は、セレーネに答えた。


セレーネは、メイドを呼んだ。


背の高い、黒髪のメイド。


物静かで、ミステリアスな雰囲気を漂わせる女性だった。


メイドは、一礼すると、静かに部屋を出て行った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ