14話:新たな夜明け
私は、光に包まれた自分の手を見つめていた。
アルカディア様の言葉が、今も耳に残っている。
「エリア…君は…目覚めたんだ…。」
目覚めた…?
私の力に…?
世界を救う…力に…?
信じられない思いと、高揚感が、私の心を駆け巡る。
本当に…私に…世界を救うことができるのだろうか?
私は、ただ、猫が大好きな、普通の女の子なのに…。
でも…
アルカディア様は、私に、世界を救う力があると言った。
ルナも、レオンさんも、そしてアルカディア様も。
みんな、私を信じている。
その事実に、私の心は、温かい光で満たされていく。
「エリア…。」
レオンさんが、私の名前を呼んだ。
その声は、いつもより少しだけ震えていた。
「君…大丈夫…? 」
レオンさんは、私の手を握りしめ、心配そうに尋ねた。
その顔には、不安と期待が入り混じった、複雑な表情が浮かんでいた。
レオンさんの心の揺れ動きが、彼の握る手の強さ、そして、少しだけ上ずった声色から伝わってくる。
私は、レオンさんの手を握り返し、力強く言った。
「大丈夫だよ、レオンさん。」
私は、レオンさんの目を見つめ、笑顔で言った。
「私、目覚めた。」
レオンさんは、私の言葉に、目を見開いた。
そして、次の瞬間…
レオンさんは、私を強く抱きしめた。
「よかった…エリア…。」
レオンさんは、私の耳元で、そう囁いた。
その声は、喜びと安堵で震えていた。
私は、レオンさんの腕の中で、静かに涙を流した。
レオンさんの温かい体温、そして、力強い鼓動が、私の心に直接伝わってくる。
私は、レオンさんの腕の中で、守られている安心感と、
これから始まるであろう困難な道のりへの覚悟を、同時に感じていた。
そして…
私は…
レオンさんの腕の中で…
決意を新たにした。
私は…
この世界を…
救う。
ルナと…
レオンさんと…
そして…
アルカディア様と…
一緒に…。
私は、レオンさんの腕から離れると、ルナを抱き上げた。
ルナは、私の腕の中で、嬉しそうに喉をゴロゴロと鳴らした。
…と、その時。
ルナの体が、ふわりと光に包まれた。
「ルナ…?」
私は、驚いて、ルナを見つめた。
光は、ルナの体を包み込むと、ゆっくりと形を変えていった。
それは、まるで、蝶がサナギから羽化する瞬間のように、神秘的で、そして、美しい光景だった。
そして…
光が消えた時…
ルナは…
人間の女の子に…
なっていた…。
「え…?」
私は、目の前の光景に、言葉を失った。
ルナは…人間の女の子に…?
ルナは、ゆっくりと目を開けた。
その瞳は、いつものように、金色に輝いていた。
「エリア…。」
ルナは、私の名前を呼んだ。
その声は、人間の女の子の声だった。
透き通るような、美しい声。
「ルナ…?」
私は、おそるおそる、ルナに話しかけた。
ルナは、私に微笑みかけた。
その笑顔は、まるで、満開の桜のように、美しく、そして、温かかった。
「うん…。」
ルナは、頷いた。
「私…人間になった…。」
「どうして…?」
私は、ルナに尋ねた。
ルナは、少し考えてから、答えた。
「わからない…。でも…きっと…。」
ルナは、私の目を見つめ、真剣な表情で言った。
「エリアと一緒に…世界を救うため…だと思う…。」
ルナの言葉に、私は、胸が熱くなった。
ルナは…
私と一緒に…
世界を救いたい…?
「ルナ…。」
私は、ルナを抱きしめた。
ルナは、私の腕の中で、嬉しそうに笑った。
「エリア…。」
ルナは、私の耳元で、そう囁いた。
「一緒に…世界を…救おう…。」
ルナの言葉に、私は、力強く頷いた。
「うん…!」
私は、ルナの目を見つめ、笑顔で言った。
「一緒に…世界を…救おう…!」
窓の外では、夜が明けようとしていた。
東の空が、少しずつ白み始め、星々が、その光に溶け込んでいく。
新しい一日が始まろうとしている。
希望に満ちた、新しい一日が…。




