11話:予期せぬ出来事
セレーネさんがルナを抱いてカフェを出て行った後、私はしばらくの間、ぼんやりと外を眺めていた。
「…ルナ…。」
セレーネさんの言葉が、頭の中でリフレインする。
ルナは…一体…?
「…エリア、大丈夫かい?」
レオンさんが、心配そうに私に声をかけてきた。
「あ、はい…大丈夫です…。」
私は、レオンさんに笑顔を見せた。
でも、心の中は、疑問と不安でいっぱいだった。
ルナは…一体…?
「…エリア。」
レオンさんは、私の隣に座ると、優しく肩に手を置いた。
「…ルナのこと…気になるよね…。」
レオンさんは、私の心を見透かしたように言った。
「…はい…。」
私は、素直に頷いた。
「…ルナは…特別な猫なんだ。」
レオンさんは、ルナの方を見て、そう言った。
ルナは、カウンターの上で、気持ちよさそうに毛づくろいをしていた。
「…僕も…ルナのことは…よく知らない…。…でも…ルナは…きっと…僕たちを…見守ってくれているんだと思う…。」
レオンさんは、穏やかな表情で言った。
「…見守って…くれている…?」
私は、レオンさんの言葉に、心が温かくなった。
「…ああ。…ルナは…僕たちに…見えないところで…そっと…力を貸してくれているのかもしれない…。」
レオンさんは、遠くを見るような目で言った。
「…力を貸して…くれている…?」
私は、レオンさんの言葉に、胸がキュンとした。
ルナが…私たちを…助けてくれている…?
なんだか…
…ルナが…
…もっと…
…好きになった…。
「…エリア…これから…何が起こるのか…僕にも…わからない…。」
レオンさんは、私の手を握りしめ、言った。
「…でも…僕たちは…ルナを…信じて…前に進むしかない…。」
レオンさんの力強い言葉に、私は、勇気づけられた。
そうだ…私は一人じゃない。
ルナがいる。
レオンさんがいる。
この猫カフェ「ルナ」がある。
「…はい…。」
私は、レオンさんの目を見て、力強く頷いた。
その時…
ガタン!
と、大きな音がした。
「…わっ!?」
私は、驚いて音のした方を見た。
音の正体は…
…チャチャ丸だった。
チャチャ丸は、キャットタワーから飛び降りようとして、失敗したらしい。
「…チャチャ丸…大丈夫…?」
私は、チャチャ丸に駆け寄った。
チャチャ丸は、私に気づくと、慌てて立ち上がった。
そして…
…何事もなかったかのように…
…スタスタと…
…歩き去って行った…。
「…もう…チャチャ丸ったら…。」
私は、呆れながらも、チャチャ丸の無邪気さに、クスッと笑ってしまった。
「…ははは…。」
レオンさんも、チャチャ丸を見て、笑っていた。
「…猫って…本当に…面白いね…。」
私は、レオンさんにそう言った。
「…ああ…。」
レオンさんは、優しく頷いた。
その時…
カフェの入口のベルが…
…チリン…
と鳴った。
「…いらっしゃいませ…。」
私は、入口の方を見た。
そこに立っていたのは…
…見慣れない女性だった…。




