表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
UNSPOKEN BLOOM  作者: 風冥つむろ.


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

8/8

七月一日【file. 8】

「伯爆!」




昨夜の自分を「間抜け」だと笑った冷めた視線は、今、指先に集まる熱い霊気の輝きに塗りつぶされていた。

黒く染まった左手の指先から放たれる衝撃波と、その周りにまとわりつく水色と青紫の影。

反動で軋む手首の感覚が、代償を払い、この不条理な世界で足掻き続ける自分の生存証明のように思えた。




「―――うん。この一ヶ月で指先から霊気弾を撃てるようになった……か。霊気総量も上昇してるし、良いね。

みやびちゃん、この短期間で成長しすぎじゃない?」




そう言って大和先生は、私の霊気弾を壁へとはじき飛ばした。

異能力と言うものは、発現時の言語化が必要だ。

だから私も伯爆、と言うし、この間の春日隊員だって、反逆と口に出して言っていた。

言語化を必要としない、手の動作だけで霊壁を出せる大和先生は、やはり天才以上の何物でもなかった。




「あ、ありがとうございます……!あ、そう言えば、今日公も呼んだんですよね?話があるって聞きましたけど、どうしたんですか?」


「あぁ、明日の話だよ」


「明日……七月一日の事ですか?」


「うん。Level.Kに書いてあったんだよね?七月一日に、霊の意志を持った寄生体がここ渋谷区全体を壊滅しに来るんだ」


「壊滅……」




先生が口にした『壊滅』という言葉は、窓の外で笑う女子高生たちの声に溶け、あまりに非現実的に響いた。

だが、私の手元にあるLevel.Kの冷たい表紙だけが、その死のカウントダウンが現実であることを告げている。




「G.H.O.は寄生体の出現場所を予測することで忙しいからさ、公とみやびちゃんにこの渋谷区の防衛を頼みたくて」


「防衛……!?無理、無理です……!私はまだ修行始めた所ですし、公だって守護系だし……!」


「そう言うと思って、今回は助っ人を派遣することにしたんだ。今日、ここに来るよ」


「助っ人?」




もう私は、Level.Kに記された無慈悲な未来を、ただの『予言』で終わらせるつもりはなかった。

だが、大和先生の口から漏れた『渋谷壊滅』という単語は、あまりに重く、窓の外を呑気に歩く人々との間に、埋めようのない断絶を作り出していく。

















「―――ここがG.H.O.の本部かぁ〜!いつもは支部に留まってるから、新鮮だな〜。みやびにも、公くんにも久々に会えるよ!

お姉ちゃん、頑張っちゃうぞぉ〜!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ