↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
39/40

サディの両親

「おかしい。こんなはずではなかったのに。どこで間違えたんだ。」


私はハンニ家の当主だったのに。長男がまともに歩けないから、捨てた。ただそれだけのはずだった。

産まれた時は嬉しかった。

跡取りができたと、喜んだ。一歳を過ぎ、まとまに歩けないことが分かってからはだんだんと憎らしくなってきた。

どうして歩けないんだ。どうするんだ。せっかく跡取りだと思ったのに。

これでは、この子はまともに仕事が出来ないのではないか?中傷されるのが私になるのではないか。

そう思うと、悲しくなった。

よし、この子は諦めて次の子に期待しよう、そう思って何が悪かったのだ。


家の者たちは上の子も下の子も同じように可愛がっていた。妻は私のいないところで上の子もみていたようだ。


辺境に作品を見に行った時、あの子は歩いていた。私の前では歩けなかったのに。まるで私が何もしてこなかったようだった。

だが、私も最初はいろいろ手を尽くした。それでもダメだったんだ。

そのことはフィリップ様も分かってくれた。それでも隠居を言い渡された。

家督は上の子が継ぐだと。あいつに何ができるんだ。大した教育も受けていないのに。

そう思っていたが、辺境で教育が施されていたらしい。あの子を預かり育ててくれていた人が手を打っていたらしい。


妻はそれを聞いて泣き崩れた。息子のままでいさせてくれた、と。

それを聞き、私たちは隠居することを決めた。だが不満は不満だ。

この部屋を出たら、あの子達がいるという。不満気な顔を晒して、しっかり見ておくことにしよう。

すまない、と言える立場ではない。


でも、言葉にはしないから、許してくれ。すまなかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。