表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔法使いたちはシェアハウスをする  作者: 多忙のあめ
【第一章】魔法使いたちのシェアハウス生活
5/5

第4話 『基礎治療魔法ですが』

「皆の者、静粛に」

クリス先生が教卓に上がった時、その声と共に賑やかだったクラスは一斉に沈黙へと変わった。姿勢を正すものや、各々自らの席に戻るまで様々。


席は自由なので、私はとりあえず目立たない教室の隅の席に座ることにした。


「先程の入学式ご苦労様、私はクリスという。

この一年間担当する。よろしく」


淡々んとする自己紹介に生徒は拍手を送る。

中にはクリス先生の見た目で惚れる女子生徒なんかもいるような気がした。


「早速だが、この学校の制度について説明をする」


クリス先生は紙を一斉に投げる。

するとその紙はまるでコントロールされるかのように宙で動く周り、やがてゆっくりと紙が目の前に降りてきた。これはいわゆる、便利魔法……!


紙に書かれた詳細を生徒たちがなんの説明もなく読み始めた。


「この学校のクラス設定はA、B、Cとあり、それぞれAクラスが最高クラスとして、魔法の実力、成績、で振り分けられる。」


つまり、私のクラスはAってことは……最高クラスってこと!?


「年に一回冬に行われる学年末最終試験での成績で落第、クラス昇格制度がある」


「まじかよっ!最悪すぎんだろ」そう声に漏らす男子生徒、他にも不安な声が聞こえてくる。


「以上だ。他諸々の事は各自、家庭で読むように」


「この後は校舎案内に残りたい生徒は、自由に回ってかまわない。では解散とする」


時間はあっという間に過ぎていった。

クリス先生が教室を出ると各々帰宅準備を進め教室を出るものもいた。


さて、私はどうしようか……校舎の案内も一人で行くの心細いし……


「ねぇ、そういえば共同生活するメンバー決まったー?」そんな女子の声が微かに耳から聞こえた。


あぁ、そっか……共同生活のメンバー……

早く決めないと。


気が進まない。と言うよりもこの状況は絶賛私の代の苦手な場所なのだ。初めての同世代の人間に様々な種族の中にいる。そして魔法が使えない私にとってバレてしまえば全ての終わり。こんなの隠し通しててもいつの日か絶対にバレてしまう。

そう思うと私は急いで教室を走って出て行った。


走りながら私は心の中で沢山叫んだ。


アオイ様!!どうして私なんかを魔法学校に入れたんですか!!!と。


ドンッッ


私は盛大に学校の門の前の道で石か何か突起物に足をひっかけ、前方に転倒した。


「あ、あの…お怪我ないですか?」


優しい落ち着いた声色が私に手を差し伸べていた。


「いてて……よく転ぶ人間なので大丈夫です。ありがとうございます」


って……私の目の前に立っていたのは小柄な獣族の魔法学校の生徒。白いまるで雪のような肌に髪。

一瞬、男性に見える見た目の髪型だが、その声からして明らかに女性の方だった。


美しくて、可愛い。そんな生徒だった。


「えと……あの、でも血が……」

そう言われるから、膝を確かめると確かにじんわり熱を感じると思ったら、転んだ時にできたかすり傷ができていた。


「いえ!こんなの手でパチッてして、放置しちゃえばいつの間にか治ってるので!お気になさらず」


「〈 治療魔法(ヒーリング) 〉」


そう彼女が呟くと、手から緑色の光と共に傷口という傷がみるみる、結えるように治っていく。


「うわあ!すごい何これ!治療魔法!?」


思わず私は今日一日で一番大きな声を出した。


「え、はい、簡単な基礎治療魔法ですが」


「ふふっなんだが面白い方ですね。僕はハナ・ホワイン今年度の入学生だよ」


君は?ってまるでそう聞くかのような台詞。


「……わ、私は……セリナです。同じ入学生です。よ、よろしく…!」


「っ!……よろしくねセリナ」

優しい目つきでほのかに彼女は微笑んだ。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ