努力と根性
茨根気:
ノーナの同級生で修行を毎日行い、邪魔されるのを嫌う男の子。
モチーフは「空手バカ一代」の主人公。
次回はノファンの自覚と教訓がテーマです汗
自分への戒めとか、考え方の変化について考え考えてみました。
ノーナと優美が一緒に帰路を歩いている。
「ノーナちゃん、大人になるに連れて友達って出来にくくなるよ。だからだから、今のうちに人と仲良くするのは大事な事なんだよ」
「そんなものなの?」
話しているのは人生相談のような内容。
そんな時の事、街の近くを流れる滝を見つけるノーナ達。
「あぁ嫌な思い出もこの滝さんが洗い流してくれたら良いのに…」
お前達、一体何歳なのだ?
だがそんなナレーションの声は置いといてもっと衝撃的な光景をノーナ達は目にしてしまう。
なんと少年が滝に打たれて修行していたのだ。
「茨根気君だ…」
「飽きずによくやるね修行」
優美とノーナは滝に打たれている根気を眺める。
根気は優美やノーナと同じ歳で同級生だ。
「根気君風邪引くよ上がっておいで」
「まだだ、僕はまだ上がれない!目標の時間になるまでは!」
滝に打たれ震えているも根気は念仏を上げまくる。
「行こうよ優美ちゃん時間の無駄」
「うーん、根気君またね!」
ノーナ達は再び歩いた。
そしてそしてーーー
「そろそろ上がるか…」
根気は上がる。そしていちにいちにと寒風摩擦がてら体を拭いたのち帰路につく。
その際とてつもなく重い石のランドセルを背負い歩く。
人々はそんな根気の姿を見て驚いていた。
ーーー翌朝。
「マイミ、根気君が好きになっちゃった!」
ボブカットの女の子が手を組んで惚気る。
「え?あの修行ばかりしてる子!?」
ノーナと優美は若干驚く。
「どんな所が好きになったの?」
「だってだって、ストイックだし弱音も言わないし男らしいんだもの♪」
マイミはクネクネさせながら言った。
「変わった好みの子もいるものだね…」
「まあ、好き好みは人それぞれだからね…」
とノー優は囁き合う。
「51、52、53…」
根気は腕立て伏せをしている。
背に大きな石を乗せて。
「先生が来たぞー」
生徒がそう言って全員席に着く。
「根気はまだ修行してるのか?」
「はい」
教師も根気が修行しまくっているのは知っていた。
「茨!授業が始まるぞ早く席に付け!」
「まだ100回出来ていません!」
根気はそう言って修行を続けている。
「根気君のそう言うところ素敵〜♪」
(そこかい!!)
マイミが更に惚気るのを見てノーナは逆に引いた。
「まあ良い授業を始めるぞ」
教師も教師で根気が修行に非常に強い拘りを持っているのはわかっているので根気は置いといて授業を始めた。
初めは竹刀で叩きまくってでも席に付かせようとするが根気は滅茶苦茶反発して手がつけられなくなる。
また、そんな所をマイミは惚れてしまったようだ。
ノーナと優美は呆れてものも言えなかった。
ある日、マイミは根気に告白する。
「マイミ、貴方の事が好きになりました!付き合ってください!」と。
しかし根気は言った。
「ごめん、僕は超人になるまでは誰とも付き合う事が出来ない」
マイミは勿論泣いた。
泣きじゃくるマイミをノー優は慰める。
根気が入って来ると優美が怒鳴った。
「根気君!どうしてマイミちゃんを振るの!?貴方みたいな子を好きになってくれるの、マイミちゃんくらいしかいないと思うよ!!」
「僕はもっと自分を磨きたいんだ!それまでは誰とも付き合わない「やれやれこれだからカタブツは駄目なんだ」
そんな時に現れたのが現実充実と言う少年。
充実の周りは女子達が目をハート形にして囲んでいた。
「なんだと?自分を磨く事の何が悪い!?」
根気は詰ってくる充実に反論する。
「君のやってる修行とやらでは君は強くなれないと言いたいのさ、それともバトルしてみるか?」
充実は睨み返す。
「面白い今ここでやっても「やめてよ二人とも喧嘩なら外でしなよ!」
ノーナが割って入る。
「アンタが売った喧嘩だ逃げたりするなよ!」
「君の方こそ♪」
そしてそして1週間後の決闘を約束し二人は席につく。
ーーー
(怖い怖い…怖いと思う事はまだ修行が足りないもっと修行しなければ…)
根気は修行に明け暮れる。
マイミはあれ以降充実に惚れ出し充実の追っかけファン、取り巻きの一人になった。
『お前は甘えている!』
『60点!?悪いじゃないかもっと努力しろ!』
『出来て当たり前だ驕るな!』
親から言われた事が次々とフラッシュバックで襲って来る。
「くそう駄目だ駄目だ駄目だ!修行が足りないから怖いし嫌な事が次々と舞い込んでくるんだ!修行して修行して修行して…!過去を追い払うんだ!」
根気は筋トレを100回セットでし、滝に打たれ、茨の道を一周走った。
一方充実はリアル充実している。
女子から黄色い声を上げられ充実はキラリと白い歯を見せる。
すると更に黄色い声が上がる。
「充実ばかりモテてるな」
「羨ましいなー」
男子達は羨ましげに充実を見る。
「マイミて子だって根気から充実に乗り換えたって聞くし」
「女心は秋の空ってよく言っだものだよ」
と男子達が囁き合うのを遠目で聞くノー優。
「もうマイミのせいで私達の評判が悪くなっちゃう!」
「ノーナちゃんカッカしないで、男の子も色々だし、女の子も色々だよ。カッカするだけ損だよ」
「そうなんだけどさ…」
そしてスクラップ工場でどやされる一人の少年を見る。
「とっととしろクソガキ!!」
「うぅ……」
どやされながらもクソ重そうな黒いビニール袋を運ぶ作業着の少年。
「あれ根気君だよ」
「スクラップ工場で働いていたなんて…」
ただ見ていられない程根気は上司からこき使われていた。
「あのすみません!まだ子供ですよ!もうちょっと優しく出来ないんですか!?」
「そうですよいくらなんでも可哀想「良いんだ」
とそこで根気がノーナ達の口出しを遮った。
「これは修行なんだ、僕がもっと強くなる為の…」
「よくわかってるじゃないか早く運べ!!」
後ろから蹴られる根気。
「あのままじゃ根気君はいつか壊れちゃうよ…」
「大丈夫かな根気君?」
その時根気は大きな後悔を抱えていた。
(あぁ僕はマイミちゃんをなんで振ってしまったんだ。あの時OKしていたら…嫌々これも修行が足らないから辛いんだ!僕はもっと強くなってマイミちゃんを迎えに行くんだ!)
と根気は自分に言い聞かせ続けた。
その時マイミは「あ〜充実君はやっぱりかっこいいなぁ」と充実に夢中になっていた。
翌朝、根気は新聞配達のバイトをしていた。
「自転車使わないのかい?」
「走っていきます!自転車だと修行になりませんから!」
爺さんに自転車を促されるも根気は足で配達をする。
「無茶するねぇあの子、なんで修行にこだわるのかね?」と爺さんは思った。
そしてそして約束の日は目の前まで来ていた。
とある公園に根気は待ち構えていた。
そしてそして固唾を飲み込みながら戦いを見守る見物客。
風が戦いを見物しに来たと言っているように吹いている。
木の葉がちりちりと鳴りながら風に吹かれていく。
そしてそして奴が、充実がやって来た。
自転車を止めて降りた充実はそのままリングへと上がった。
「さあ始めようか」
「あぁ…!」
根気と充実が向かい合う。
「始まるぞ…」
客達もその様子をドキドキしながら見守る。
そして充実の取り巻き達も。
その中にはマイミもいた。
「充実君頑張って!」と応援を送る取り巻き達。
「はじめ!」
そしてジャッジが戦いの合図をかける。
「うおぉ僕の修行の成果を見るが良いぃ!!」
根気は勢いよく飛び蹴りを放った。
充実はそれを避ける。
根気の蹴りは木に直撃。
木はビキビキと言う音を立てて崩れた。
「なんて威力だ…」
「もし当たったら無事じゃなかったな…」
見物客は驚く。
「どうだ僕のパワーは!」
「ふんパワーだけでは僕に勝てないよ」
根気がそう放った所充実は鼻で笑うように言った。
「ハッタリを!猛虎百烈拳!!」
根気は更に目にも止まらぬ拳撃を充実に放つ。
「グラスシャドウ!!」
根気の拳が命中した所バリンと充実の体が氷のように割れる。
「な、なんだこれは!?」
根気は狼狽えた。何故なら無数の充実が根気を見下し笑っているのだから。
「これが僕の攻撃だ!アイスカッター!!」
氷の鎌鼬が次々と根気を襲う。
「はっ!ふっ!なんて攻撃だ!」
根気は次々と襲う氷の刃を必死に避ける。
「どうした?もう息が切れ切れじゃない?」
充実は息を荒げている根気をまたも嘲笑う。
「笑うな!竜神竜巻脚!!」
根気は竜巻を起こしながら充実に迫る。
「木の葉の舞!!」
充実は木の葉となって姿を眩ませた。
「くそっ!どこだ充実!!」
「ここだよ!」
充実はなんと根気のすぐ真後ろにいた。
「畜生!」
根気は蹴りを放つが軽々と充実は避ける。
「「きゃーやっぱり充実様は素敵ーっ!!」」
女子達の黄色い声。充実はそれに対し手を振って答える。
「くそう馬鹿にしやがって!!」
根気は腑が煮えくり返った気になって充実に向かった。
「怒りに我を失ってはいけないよ。少しお前の頭を冷やしてやろう」
そしてそして充実はブリザードを根気目掛けて放った。
「うわああぁ!!」
根気は戦いに敗れてしまう。
僕のしてきた修行、あれは一体何だったんだ!?
お母さんは言ってたよね?
お前はその気になったら何でも出来るって?あれは嘘だったの?
根気は今までの修行や努力に裏切られた気持ちになった。
それをよそに充実は勝ち誇った様子で女子達にわいわいはしゃがれながらハンサムスマイルを放った。
ーーー
根気はあの出来事があって以降、学校に姿を見せる事は無くなった。
「根気は引きこもりになってしまったらしいよ」
ある日、そう言う噂が出回った。
「あの時以来、根気君が修行している姿も見なくなったね」
「そうだね……」
とノーナと優美は駄弁り合う。
そして小堀家に着くと桜がいた。
彼女はミールと話していた。
「茨根気と言う子がね…」
「まあ可哀想に…」
と二人が話しているのを見てノーナは気になった。
「根気と言う子がどうしたの?」
「私の病院に入院しているの、バーンアウト症にかかって治療中よ」
桜はこう言った。
『廃人のようになっているらしいよ』
ケンノエもそう言った。
「どうして?あんなに修行に燃えていた子が?」
『人一倍頑張り屋だからこそ色々抱えて、病んでしまったんだ。努力と言ったものが裏切られた結果に終わった時、人はいとも簡単に崩れてしまう』
「そっか……可哀想……」
ケンノエの言葉に2人は胸に重みを覚える。そして祈った。
根気と言う少年の努力がいつか報われるようにと。




