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第72話
立ち上がった女性はカルシラスト様の手をはなし「失礼しました……」とまた謝る。
悪い人ではないようだ。どじっ子的なのかな……。
あまり見たことないタイプだわ。絵描き道具を元に戻しだした。
カルシラスト様は「それでは頑張ってくださいね」と言い私に並んだ。彼は言う。
「なかなか達者な絵描きさんでしたね。将来が楽しみです。マリカナ?」
私は「そうですね」と言葉少なげにそっぽを向いた。
やはり嫉妬かな。噴火する火山みたいになりそう。つまり爆発。
私達は城沿いをまた歩く。だんだんイライラもおさまってきた……と思う。
考えすぎるのは私の悪習。どんどん最悪のエピローグまで突っ走ってしまう。
これからカルシラスト様があの女性を好きになる。恋が芽生え……私は忘却される。




